選挙と同日となった講座「芭蕉『おくのほそ道』を読む」の最終回。合計15回、旅先での俳句とともに描かれる歴史や神社仏閣、歌枕の世界が後半では小さな命や生活に明け暮れする人々の情景に変わっていく。そうした芭蕉の心の変化と背景までも丁寧に講義してもらい、知識欲が大いに刺激された。この日もDVD『沖津信也が描く油絵の奥の細道』の映写、旅の同行者である河合曾良、「細道」以後の芭蕉、など盛りだくさん。そして「おくのほそ道」全発句の総選挙。受講生全員で収められている63の中から3句をで選んで事前投票した結果の発表だ。自分が選んだ「荒海や佐渡によこたふ天河」「暑き日を海にいれたり最上川」「閑さや岩にしみ入る蝉の声」はそれぞれ1・3・5番手に入り、こちらは民意と大きくずれてはいなかった。まとめとして話された<芭蕉詩の変化―「かるみ」を得て芭蕉俳諧さらに先へ>の中の『高く悟りて俗に帰れ』の言葉は政治の世界にも何かつながるような気がした。
(いずれも資料は川上定雄講師作成のもの)
上位の結果