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パラリンピックのメダルに

2021年09月03日 | 雑記

パラリンピックが間もなく終了する。コロナの感染急拡大、医療崩壊のニュースが飛び交う中での開催。複雑な心境を抱えながらも先のオリンピックとは異なる感動。片腕、あるいは両腕無くとも力泳する選手、伴走者と息を合わせて走り抜ける視覚障害者、鍛え抜いた上半身と車椅子をパワフルに駆使するバスケやラグビー、ほかにも義足や義手、知的障害者の競技など目を見張る活躍を多く見た。力と技以上に、伝わってくる努力と挑戦心に拍手を送りたい。そして勝者に与えられるメダルにも注視してきた。実はこのメダル、デザイン考案者が知人の娘さんと知らされたからだ。メダルの表面には東京2020の点字表記、裏面は扇の要から放射状に生命力として花・木・水など日本の自然を凹凸で加工。加えて、側面には金・銀・銅の違いを施すなど「日本らしさと誰でも手に取って分かるデザイン」を意図したという。それが見事に体現されており、パラリンピックの「多様性」「共生」というテーマにも重なり合う。一方、私たちの社会を見渡したときに障害者への偏見や差別、生活の不自由が数多く残されているのではないか。一握りのパラアスリート活躍の称賛に終わらず、身近な現実にも目を向けていきたい。このメダルに、そう語りかけられたような気がする。

<写真は「TOKYO2020(パラリンピック)」HPより)