晴耕雨読、山

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どう読む『どろにやいと』

2014年12月18日 | 読書

お灸とか行商などは子供のころに田舎でよく見かけた光景だが、最近はどうだろうか。この物語は、お灸の行商の帰りに熊に襲われて父が亡くなる。その父の後を継いだ男が訪ねた山奥の集落での出来事である。今、日本の山村の多くは限界集落と言われ、残念ながら衰退の途にある。そうした風景や風習、住民がゆったりとした時間とともに描かれる。だが怪しげな人物が登場、近くには過去・現在・未来を表す三つの霊山、何とも奇怪な出来事、それらに絡みつかれて村から出ることが出来ない。逃れようとあがく男。「泥(どろ)に灸(やいと)」は、泥にお灸をすえても無駄なことの喩えを言うらしい。読み終えて面白かったが、タイトルの真意を何とも考えてしまう小説である。

              


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