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読み方がどう変わるか『平家物語を読む』

2019年02月27日 | 読書

車内ラジオでNHK「山カフェ」を聴きながら伊奈町の埼玉県民活動センターに向かう。10時から始まる講座『平家物語を読む』と合わせた土曜日午前の時間帯。山に想いをはせ、中世文学の森を散策するまさに自分にとってのゴールデンタイム。講座は本文・現代語訳に入る前に、時代背景や社会的状況などの説明に重きを置く川上講師スタイル。物語を理解するのに役立つのはもちろんだが、実はこの話が一番面白く、興味深い内容が多い。今回は少し違って原作者にスポットを当て、現代人をはるかに超える<高いレベルの知識人>だったという見方を説く。それは編集・構成において<言語能力、物語の構成力が優れている>。「平家物語」として広めた「琵琶法師」にも配慮し、語りの<見せ場>を作っている、ことだと言う。それゆえ、<状況論・時代的背景論から入っていた読解の方法の軸足>を変えて、<物語自体の面白さを追及>していくことに。この説明は、その後に読んだ「奈良炎上」の文章展開において、なるほどと頷けるものがあった。思い返せば前回の「富士川」もそうだったような気がする。そうした<見せ場>づくりは単に視覚的なものだけでなく、内面的な描写も含めてと理解した。今期の最終回「入道死去」まで残り2回、今まで以上に楽しみとなってきた。

              

   

            

   

 


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