晴耕雨読、山

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この『1週間』が短くて、長~い

2012年02月19日 | 読書
同じ敗戦後だが、米英中ソに分割占領されたという奇想天外の『一分ノ一』とは少し異なり、ソ連に抑留された一人の男が訳あってハバロフスクへ連れて来られた1週間の“短くて、長~い”物語。『シベリア抑留記』『レーニン伝』『死の逃避行』など、70冊近くもの文献を参考としているだけに史実がベースになっているのだろう。井上ひさしのサービス精神か?軍医の脱走談、レーニンの手紙、集団銃殺刑など、抱腹シーンも随所に。ただ、最初の「月曜日」が1日だけで150ページもの長文だが、最後の「日曜日」は僅かに3行。そこに日本人の哀しみの運命が凝縮されているのだ。一度だけハバロフスクに行った時、抑留経験の方々が草地にひれ伏し慟哭していたのを想い出した。夢中になった「1週間」、傑作!



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