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『柚子の花咲く』その香りは来年に

2014年08月23日 | 読書

子供の頃に通った村の塾の恩師が斬殺された。それも遊び歩き、土地のやくざ者ともめ事を起こした末という噂だ。思い出せば<師というより、年の離れた兄のようだった>存在。野山を駆けめぐり、勉学にも<桃栗三年、柿八年、柚子は九年で花が咲く>と努力することを教えてくれた。今は成人した彼らには信じられない悪評。汚名を晴らすべく調べ始めると、師の出生から父との確執、生母との再会、隣りの藩との境界線めぐる紛争、そして師にも彼らにも胸に秘めたそれぞれの思いが明かされていく。久しぶりに出会った言葉<儀を見てせざるは勇なきなり>に考えさせられた。しかし、いい場面で柚子が出てくる。<白い小さな花をつけた木>、今まで気が付かなかったが<甘くさわやかな香り>は来年の庭の楽しみにしょう。

                

 


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