.久栄さん急逝
去る13日、鮎滝保存会会長の海野久栄さんが逝去された。
大正14年2月14日生まれ、95歳、
大正・昭和・平成・令和と激動の時代を生き抜いた大先輩。
つい最近まで元気で、年齢的にも大往生ではあるのだが、
運悪く、コロナが猛威を振るう最中の旅立ちとなってしまった。
.コロナ渦中の葬儀
コロナ渦中の葬儀は淋しい。
一昔前なら、米寿を過ぎて亡くなれば、
天寿を全うしたお祝いに、皆で花篭を振り賑やかに送ったものだが、
コロナ渦中、親族以外葬儀に参列することすら許されぬ。
悲しみの涙や、鼻水さえ垂らすわけにいかず、
マスクを付け、声も出せず、ソーシャルディスタンスを守り、
順次、静かにお別れするのみ。
神の試練か、悪魔の所為か
コロナが悪いのではないのは解っているが、
この鬱憤をどこで晴らせばいいのか。
人の縁を絶ち切ってしまうコロナが恨めしい。
.B29
声をかければ、答えてくれそうな、安らかな死に顔がわずかな救いだ。
「ホイ、久栄さん、元気かのん?」
『まんだ、ビー29が飛んできたら撃ち落とせると思うがのん』
・・・確かに久栄さんの声を聞いた。
戦争で高射砲の砲手だったと話してくれた久栄さん、
鮎滝の言われを教えてくれた久栄さん、
イノシシの捌き方を手ほどきしてくれた久栄さん、
まだ、まだ、聞きたいことがいっぱいあったのに、
別れも告げず、ふらりと旅立ってしまった。
もしかしたら、何処かの畑が荒らされたと聞いて、
安いっちゃと猪を獲りに行ったのかもしれぬ。
大物を仕留めたら呼んでください。手伝いに行きます。
すみません久栄さん、こんな送り方しかできずに。。
添えられた鮎滝の法被に気がつき、涙せんが決壊。
・・・ご冥福をお祈りします。
底冷えの帰途は落涙、運転ままならず。
2020-12-14_1830;通夜;やすらぎ鳳来