久し振りに西沢の箱罠に鹿が掛かった。
急ぎミッチャが、陳さんに連絡。
陳さんは、是非に鹿の血が欲しいと友達に頼まれていたのだ。
連絡を受け、陳さんの友達、黒竜江省で育ったという中本さんと
中国料理シェフ杜さんが名古屋から駆けつけた。
角は二段目が咲きかかり、鹿の子模様が薄っすらと残っている、
おそらく2歳のオスだ。
ちょっと可愛そうな気もしたが、罠に縛り付け、止めさしをして
ボウルに血を受ける。
『ホンモノだ、本物のシカの血だ』
満足そうな中本さんの顔を見ていると、こっちも嬉しくなってくる。
こんなに喜んでもらえれば、この鹿も成仏できるだろう。
中本さんによると、乾燥し粉にして飲むと、勝る薬は無いという。
・・・出来たら分けてくれるという申し出は丁重にお断りした。
それにしても鹿の血がそんなに貴重だとは思わなかった。
所変われば品変わるである。