多くの難民が生活しているフランス北部の町、カレー。建設会社を経営し、大きな邸宅を構えるロラン家に生まれたエヴ
は、両親の離婚をきっかけに家族と距離を置いていた。だが父親のトマと暮らすことになり、祖父ジョルジュのいるカレー
の屋敷に呼び出される。やがて、家族3世代の秘密が少しずつ明らかになっていき・・・・
裕福な生活を送る家族の間のひずみを淡々と描写し、死や破滅を予感させるような不穏な空気が常に漂っています。
スマホ撮影の動画やチャット画面なども挿まれ、生や死を画面の向こう側の世界と捉え実感を持たないSNS世代についても
淡々とした視点を感じます。それぞれの生活をカメラは追うが、特にこれといった事件は起こらない。
もちろん、個々の人それぞれ、頭の痛い問題を抱えていたり、秘密を持っていたりするが、それはわりと誰でもが有している
ありふれたものそれに対比するような、祖父が死の実感を語る場面は、印象深いものでした。
少女が「I☆ JAPAN」と書かれたTシャツを着ている場面があったのも印象に残っています。日本で起こった事件をモチーフ
にした部分があるからかも、ということのようですが・・・・
タイトルの「ハッピーエンド」は、死や破滅を予感させつつ、結果的に死や破滅は訪れない、回避できたから、ハッピーエンド?
ということかと思いましたが・・・しかし、表面的なハッピーエンドと思うし、やはり最後に皮肉を感じました
少なくともこの映画の終わりはハッピーなのかと問われると、凡人の考えるハッピーでは無いとだけは言えます。 ☆☆☆