今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

そろばんの日

2006-08-08 | 記念日
今日(8月8日)は「そろばんの日」
全国珠算教育連盟が1968(昭和43)年に制定。そろばんを弾く音「パチ(8)パチ(8)」の語呂合せ。そろばんの普及とその優れた機能をアピールする日。
そろばん (算盤)は、古典的な計算補助器具である。 世界各地に多種多様な算盤が存在するが、現在では、日本で開発されたものが世界的に普及している。珠を移動することにより計算する。このため、算盤による計算を珠算(しゅざん)という。
算盤の起源については諸説あるが、バビロニア起源説と中国起源説が有力だそうである。
現存する世界最古の算盤は、1846年ギリシャ時代のアテネのサラミス島で発掘されたサラミスの算盤だそうで、紀元前300年頃のものという。 これは、大理石板上にギリシャ数字と平行線が彫られているもので、その線上に小石を置いて計算していたようだ。
ローマ期には「溝そろばん」という板に溝を堀り珠を動かして計算するものがあった。又、中世の時代に入って、テーブルに線を引き「計算台」としていたといい、この計算台がカウンター(カウント=計算する)と呼ばれる由来とされている。 紀元前3世紀頃の中国では、紐の結び目によって数を記録していたのだとか。日本に算盤が伝わったのは、中国の宋期以後発達したものが、室町時代・1444(文安元)年頃、中国商人が通商取引の為、我が国に伝えたと言われている。
「そろばん」の読みは、「算盤」の中国読み、「スワンパン」が変化したものだといわれている。
私の地元である兵庫県小野市は、「播州(ばんしゅう)算盤」として全国的に有名な算盤の産地であり、現在全国生産高の約7~8割近くを占めているという。そして、「播州算盤」は、その長い歴史と伝統技術が認められ、1976(昭和51)年、通商産業大臣から伝統的工芸品の指定を受けている。この算盤が我が国で日常生活に使われ始めたのは、文禄年間とみられており、当時の数学者毛利勧兵衛重能が京都二条京極で「天下一割算指南」という道場を開き、多くの人々に算盤を教授し、これが全国に普及するきっかけとなったという。
播州算盤は、伝承によれば、「正親町天皇の天正年間、羽柴秀吉が播州三木城を攻略した際、三木の住民は、その難を逃れて各地に四散したが、そのうち大津に避難したものが大津算盤の製造技術を習得し、慶長年間、三木に帰り算盤製造を始めた」とあるそうだ。それが、その後、小野周辺で、算盤の製造を始めたことが播州算盤の起源となったという。播州算盤の形態は長崎算盤の形態を受け継ぐものとされており、日本の算盤の発祥とされている大津算盤は、長崎より伝来されたものであることから、播州のものが、大津より受け継いだことの証明になるという。
このそろばんの歴史については以下参考の「播州そろばん・小野商工会議所HP」のそろばんの歴史で詳しく書かれている。
中国の算盤は、上珠が2個、下珠が5個ある。これは5×2+5=15で、ひとつの位に0~15までの数が置ける16進法の算盤である。それは、当時の中国では、16両で1斤という単位の仕組みがあったため。これが日本に伝わり、日本では特に16進法は使用していなかったので(日本は1両=4朱、1朱=4分、という4進法)、早々に上珠は1個に改造される、長く下珠は5個のままであった。日本で現在残っている最古の算盤は、安土桃山時代の武将、前田利家が使用していたもので、中国から渡ってきたものと変わりがない5珠が二つ、1珠が五つのものである。
江戸時代には、既に乳井貢という人が下珠は4個を提唱したそうであるが、普及せず、実際に下4珠の算盤が普及するのは1935(昭和10)年に文部省令が出て尋常小学校で算盤教育が必修となってからだという。しかしそれまで5珠の算盤に慣れていた人は簡単には切り替えられず、凡そ、1960(昭和35)年代頃までは5珠の算盤が残っていた家も多かった。私の家も、商売をしていたので、家に大きな算盤があったが、5珠の算盤であった。非常に大きなそろばんで、丈夫なものであったので、いたずらっ子の私は、そろばんの上にのって、廊下で、滑っていたのをよく父親に怒られたのを思い出す。
江戸川柳に「色男ちとそろばんはにちゅう也」(※にちゅう=未熟)と言うのがあるらしいが、江戸時代に入ると算盤も世間に普及し、特に商売用として盛んに活用され始め、算盤の本などが書かれ始めた。そして、寺子屋が広がり始め、さっきの川柳に出てくる女ったらしの遊び人のようなもの以外は、みんなが「読み、書き、算盤」を習うようになる。
今の時代、算盤は電卓の普及で需要は減ったが、算数の教育には大変役立つ道具であり、また暗算力を高める。それが右脳の発達に効果があると言うことから、最近見直され、算盤を習っている人も増えているようだ。
毎年、8月8日の「そろばんの日」に「全日本珠算選手権大会 」が実施され、各都道府県の代表選手によって「そろばん日本一」を競っているようだ。
しかし、よくテレビで、段取りの子ども達が、暗算能力を披露しているが、あのコンピュータにも増す計算能力を目の当たりして、人間の脳の無限大の可能性に驚かされる。日本人の算盤とのかかわりが、世界の中での優秀な日本人を育ててきたのだろう。私など、子供の頃から、算盤が苦手で、塾通いもさぼっていたので、ちょっと、頭の回転が遅いのかも知れないね~。ハンセイ\(_ _ ) ハンセィ 。            
ところで、私が九州にいたころ、佐賀県・唐津の民話に「かんね」という人の物語を伝える民話のあることを聞いたことがある。その中に、算盤とは直接関係ないが数に関する面白い話があったのを思い出した、調べてみると、以下参考に記載のHN:ゆうゆうさんのHP「悠々自適」の「民話・唐津の民話」の中にあった。かんねばなし 十五毛猫 である。同HPには、他にも、面白い話があるので、お子さんへのお話や話題に如何?
(画像は、「帳面あわせ」『人倫訓蒙図彙』国立公文書館蔵。NHKデーター情報部編ヴイジュアル百貨江戸事情より。丁稚が帳簿を詠むのを手代らしい人物がそろばんをいれている。主人か支配人かが銭函の前で見ている。それにしても随分大きなそろばんだな~。)
参考:
全国珠算教育連盟 各事業 : 全国珠算教育連盟
http://www.soroban.or.jp/activity/jigyo.html
そろばん - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%82%8D%E3%81%B0%E3%82%93
播州そろばん/ 小野商工会議所HP
http://www.onocci.or.jp/occi/trad/soroban/bansyu/index.html
三井寺>三井寺について>歴史散歩>忽然と消えた大津そろばんの謎を探る。
http://www.shiga-miidera.or.jp/about/115.htm
大津そろばん | 走り井餅本家
http://www.hashiriimochi.co.jp/history06.html
日本の大発明?四つ珠算盤
http://www001.upp.so-net.ne.jp/yasuaki/misc/cult/cult10.htm
HN:ゆうゆうさんのHP「悠々自適」の民話・唐津の民話
http://www7.ocn.ne.jp/~youyu/minwa.html