今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

サマークリスマス

2006-08-25 | 記念日
今日(8月25日)は「サマークリスマス」
今日は何の日に「サマークリスマス」と言う記念日があったので、何だろうと思ってみてみると、「TBSの林美雄アナウンサーがパーソナリティーをしていたラジオ番組「パックインミュージック金曜2部」の中で、「夏にもクリスマスのようなイベントを作ろう」ということで、林さんの誕生日を夏のクリスマスとして盛り上げようということになった。この日には、TBS近くの公園でささやかなイベントが開かれた。」・・・とあった。尚、林 美雄氏は2002年7月13日TBS在籍中に他界。
メリークリスマスじゃなく、「サマークリスマス“Summer*Christmas”」・・・・う~ん?。
サマークリスマスといえば、昨年の映画で「8月のクリスマス 」というのがあったな~。韓国でハン・ソッキュが主演をつとめ大ヒットした感動作『八月のクリスマス』を、日本でリメイクした作品。題名も八月を8月に変え、ストーリーもオリジナルとは少し設定を変えつつもほぼ同じ、人を愛する喜びを描いた珠玉のラブストーリーだというが、余り、評判はよくないようだな~。
それは主役を演じている歌手の山崎まさよしの演技力にもあるのではないかとの話を聞いたことがある。もとの韓国映画『八月のクリスマス』の方は、ホ・ジノ監督のデビュー作であり、ユ・ヨンギル(998年1月他界)撮影監督の最後の作品で、ハン・ソッキュ、シム・ウナが主演。声高でなく、深い余韻を残す美しい作品で、1998年を代表する名作と言われており、第34回、白象芸術大賞及び、国内外映画祭で多数受賞している作品。「八月のクリスマス」ではホ・ジノ監督が「死に行く者の心情」・・・「微細な感情の変化」を,台詞の少ない抑制の効いた表現と美しい映像、そして無駄のない一つ一つのシーンの積み重で、テーマに対して静かに淡々と見事に表現し、見る者に大きな感動と余韻を与えてくれると評判が良い。また、主役ハン・ソッキュがそれを見事に演じているが、そのような、難しい演技を役者でもない歌手に求めるのは酷だろう。
「八月のクリスマス」のストーリーは、ある小さな町の、死を目前にした写真館の若主人ジョンウォン(ハン・ソッキュ)がたまたま現像依頼に訪れた純粋な微笑みの美しい駐車取り締まり員タリム(シム・ウナ)と暑い盛りの八月に出会い、やがて芽生えた2人の淡い恋を描いたもの。
ジョンウォンは死にゆく自分とは違い、これから人生が始まるタリムから初夏の果物の瑞々しさを感じ、タリムはジョンウォンに惹き付けられていく。
楽しい遊園地でのデートの翌日。突然ジョンウォンの様態が悪化して病院に担ぎ込まれた。当然写真館は突然休業。ジョンウォンの様態を知らないタリムは、手紙を書いて写真館の閉じたドアに挟み込む。その後、何とか退院してきたジョンウォンは、その手紙に気づき手紙を読み終えた彼は、すぐに返事を書くが、その返事の手紙は、彼女からの手紙と彼女を撮ったポートレート写真と一緒に手箱に入れられ整理棚にしまい込まれる。映画では、その手紙の内容について一切の説明はない。その後、彼は逢うこともないままなくなり、写真館は、又、彼の父親が引き継がれる。クリスマスイブ。彼が亡くなったことを知らないタリムが写真館を訪れる。写真館は出張中の札がドアで揺れて閉まっていた。館内をじっと見つめるタリムの視線が一ケ所に留まり、その顔に驚きが少しずつ浮かんでくる。くるりとドアに背を向けたタリムには顔一杯の笑顔。微笑んだまま離れるタリム。彼女にとって、この時点ではまだ彼が、生き続けており、次にきたときには彼に会えることを信じて……。立ち去った後の写真館の陳列棚には「世界で最も明るい笑顔の彼女の写真」が額縁に入って飾られていた。その上にクリスマスキャロが、そして、ジョンウォンが書いた返事の文面がナレーションで流れる。「微笑んで旅立たせてくれた君にありがとう・・・」
死を控えていた彼は今までの多くの感情を通過して、やっと静かに死を受け入れる準備ができるようになっっていた。彼にとって、8月のあの夏の暑い日の活気にあふれた明るいタリムとの出会いは、天から与えられたクリスマス・プレゼントだったのであろう。正に、その日が、彼にとっての「クリスマス」でもあったのである。
この韓国映画に対して、日本のリメイク版も同じ様な内容で作られているが、ラストの前に、彼からの手紙を読んだ少女が泣き崩れる、というシーンがあり、その手紙の内容が延々とナレーションで流れる。「君と出逢って初めて僕は”生きたい”と思った・・・」「生きていっぱい恋をしてください・・・」などと泣かせるシーンを見せ場としているらしい。・・・これってなんか変?昔の日本映画は、この韓国映画のように、現実をありのままさらけ出すのではなく見ているものに想像させ余韻を残すものが多かった。そのような微妙な表現の映画が多く、この韓国映画などは、そのような一昔前の良き日本映画の典型のような映画だと思う。しかし、このような映画は、もう、今の日本人には作れないのか、又、それを演じる俳優もいないのか?はたまた、作っても映画を見る側にそれだけの想像力豊かな人がいなくなってしまったのか。
「クリスマス」はイエスの誕生日。そのイエスにバースデー・プレゼントをあげることはできるのか?
その質問の対して「マタイによる福音書 25章40節」では、以下のように答えている。
「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのと同じである。」・・・と。つまり、困っている人を助けたり、誰かに優しくすることは、イエスに対してしていることとなり、そうしている人は、イエスにバースデー・プレゼントを贈っているのと同じことになるのである。
ジョンウォンがタリムに出会った暑い8月は、彼にとってのクリスマスのようなものであり、死を覚悟した彼がタリムとの出会いによって微笑んで旅立てる気持ちにさせてくれた彼女の愛は最高のプレゼントであり、キリストへの最高のプレゼントと同じものであったろう。このようなクリスマス、12月だけでなく、季節に関係なくあってもいいのではないか・・・。
TBSが近くの公園で何をしているのかはよく知らないが、「サマークリスマス」が単なる人気集めのイベントではなく、そのような意味のあるものだとしたらすばらしいだろうと思った。
(画像は、DVD韓国映画「八月のクリスマス 」)
参考:
林美雄 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E7%BE%8E%E9%9B%84
8月のクリスマス - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD7448/
八月のクリスマス - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD31398/
ユ・ヨンギル
http://www.seochon.net/korean_movie/director/yuyeonggil.htm