今日（3月16日）は 笠智衆 (映画俳優)の1993年の忌日である。<86歳>
笠智衆 は、1906（明治39）年5月13日、熊本県玉名郡玉水村（現玉名市）立花に生まれる。生家は浄土真宗本願寺派来照寺。「笠智衆」（りゅう ちしゅう）というやや変わった名前は本名である。
旧制の東洋大学印度哲学科に入学するも、1925（大正14）年に中退、松竹キネマ蒲田撮影所の第一期研究生として入所。同年7月に父淳心の死で一度住職を継ぐも、兄にその座を譲り1926（大正15）年再度上京。以来、松竹映画の俳優としての道を歩み出したのだそうだ。どんな映画かは知らないが 小津安二郎監督の『若人の夢』（1928年）に出演後は、大部分は脇役であるが、作品の柱となる重要な役割がいい。代表作として「父ありき」（1942年）、「晩菊」（1949 年）、「東京物語」（1953年）、「東京暮色」（1957年）、「家族」（1970年）など。特に小津安二郎監督に高く評価され、殆ど全ての作品に出演して、朴訥で人間味豊かな誠実な人物、ユーモラスで飄々とした人物を演じ続けた。小津監督の死後は、山田洋次監督作品などで申し分なく善良な老人を慎ましく演じて光っている。山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズの御前様としてもよく知られている。1990年には黒澤明監督の「夢」で百歳を超える老人役を演じた。日本映画の伝統である庶民映画の代表的な演技者の１人といえるだろう。亡くなる直前まで出演した男はつらいよ 寅次郎の青春（1992年12月）が遺作になった。
笠智衆 は小津作品になくてはならない存在だが、小津監督は、地面ぎりぎりから撮影する独得の低いカメラアングルと厳格なまでの正面からの切り返しのフィックスショット(カメラを固定して撮る撮影技法)を特徴とし、ローアングルの映画監督としても知られている。このローアングルで撮った「ちゃぶ台を囲む家族たち」のシーン、あるいは「婚期を逃しかけている娘を心配する父親」「父を思いやる娘」等、日本のテレビにおける「ホームドラマ」の型を完成させた監督でもある。
数ある小津作品の中でも小津映画の集大成と言われる「東京物語」（1953年）は、北鎌倉を舞台に、独立した子供たちの元を訪れる年老いた夫婦と、それをあまり快く思わない子供たちを通して、家族の絆、夫婦と子供、老いと死、人間の一生、それらをシビアに描いたホームドラマである。野田高梧の脚本の妙や、それに応じたセリフの間の絶妙な取り方などが、ユーモアを交えながら捉えられている。キネマ旬報ベスト・テン第1位。国際的にも有名で「日本映画の最高傑作」とも評されている。小津ファンにもこれを彼の最高傑作と位置付ける声が多いという。小津作品には、各カットシーンに見られるテンポとセリフに独特な間があり、それが作品を生かしている。そのようなシーンに欠かせない俳優の１人が笠 だといえるだろう。笠の何よりも、極度に感情を抑えた演技と淡々とした語り口は、かっていたが、今では数少なくなった日本人の「父親」像そのものであった。 東京物語の画像に見られるちゃぶ台を囲んだ親子の風景。家族が崩壊した今では懐かしい風景である。今の時代・・・ホームドラマはもう、似合わなくなってしまった・・・本当に残念な世の中になってしまったよ。
（画像は映画「東京物語」1953年松竹、親子関係をテーマーにした小津安二郎の代表作。笠智衆 、東山千恵子、原節子の懐かしい顔が見える。アサヒクロニクル「週間20世紀」映画の100年より）
Wikipedia - 笠智衆
http://ja.wikipedia.org/wiki/笠智衆
松竹 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E7%AB%B9
寅さんワールド
http://www.fjmovie.com/nikoniko/tora/tora_index.shtml#menu
笠智衆 （リュウチシュウ） - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/cast/85888/index.html
小津安二郎研究～映像と間(ま)について～
http://www.edogawa-u.ac.jp/msco/eumsr/9912100.html
野田高梧
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/N/noda_k.html
黒澤明 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%BE%A4%E6%98%8E
笠智衆 は、1906（明治39）年5月13日、熊本県玉名郡玉水村（現玉名市）立花に生まれる。生家は浄土真宗本願寺派来照寺。「笠智衆」（りゅう ちしゅう）というやや変わった名前は本名である。
旧制の東洋大学印度哲学科に入学するも、1925（大正14）年に中退、松竹キネマ蒲田撮影所の第一期研究生として入所。同年7月に父淳心の死で一度住職を継ぐも、兄にその座を譲り1926（大正15）年再度上京。以来、松竹映画の俳優としての道を歩み出したのだそうだ。どんな映画かは知らないが 小津安二郎監督の『若人の夢』（1928年）に出演後は、大部分は脇役であるが、作品の柱となる重要な役割がいい。代表作として「父ありき」（1942年）、「晩菊」（1949 年）、「東京物語」（1953年）、「東京暮色」（1957年）、「家族」（1970年）など。特に小津安二郎監督に高く評価され、殆ど全ての作品に出演して、朴訥で人間味豊かな誠実な人物、ユーモラスで飄々とした人物を演じ続けた。小津監督の死後は、山田洋次監督作品などで申し分なく善良な老人を慎ましく演じて光っている。山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズの御前様としてもよく知られている。1990年には黒澤明監督の「夢」で百歳を超える老人役を演じた。日本映画の伝統である庶民映画の代表的な演技者の１人といえるだろう。亡くなる直前まで出演した男はつらいよ 寅次郎の青春（1992年12月）が遺作になった。
笠智衆 は小津作品になくてはならない存在だが、小津監督は、地面ぎりぎりから撮影する独得の低いカメラアングルと厳格なまでの正面からの切り返しのフィックスショット(カメラを固定して撮る撮影技法)を特徴とし、ローアングルの映画監督としても知られている。このローアングルで撮った「ちゃぶ台を囲む家族たち」のシーン、あるいは「婚期を逃しかけている娘を心配する父親」「父を思いやる娘」等、日本のテレビにおける「ホームドラマ」の型を完成させた監督でもある。
数ある小津作品の中でも小津映画の集大成と言われる「東京物語」（1953年）は、北鎌倉を舞台に、独立した子供たちの元を訪れる年老いた夫婦と、それをあまり快く思わない子供たちを通して、家族の絆、夫婦と子供、老いと死、人間の一生、それらをシビアに描いたホームドラマである。野田高梧の脚本の妙や、それに応じたセリフの間の絶妙な取り方などが、ユーモアを交えながら捉えられている。キネマ旬報ベスト・テン第1位。国際的にも有名で「日本映画の最高傑作」とも評されている。小津ファンにもこれを彼の最高傑作と位置付ける声が多いという。小津作品には、各カットシーンに見られるテンポとセリフに独特な間があり、それが作品を生かしている。そのようなシーンに欠かせない俳優の１人が笠 だといえるだろう。笠の何よりも、極度に感情を抑えた演技と淡々とした語り口は、かっていたが、今では数少なくなった日本人の「父親」像そのものであった。 東京物語の画像に見られるちゃぶ台を囲んだ親子の風景。家族が崩壊した今では懐かしい風景である。今の時代・・・ホームドラマはもう、似合わなくなってしまった・・・本当に残念な世の中になってしまったよ。
（画像は映画「東京物語」1953年松竹、親子関係をテーマーにした小津安二郎の代表作。笠智衆 、東山千恵子、原節子の懐かしい顔が見える。アサヒクロニクル「週間20世紀」映画の100年より）
Wikipedia - 笠智衆
http://ja.wikipedia.org/wiki/笠智衆
松竹 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E7%AB%B9
寅さんワールド
http://www.fjmovie.com/nikoniko/tora/tora_index.shtml#menu
笠智衆 （リュウチシュウ） - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/cast/85888/index.html
小津安二郎研究～映像と間(ま)について～
http://www.edogawa-u.ac.jp/msco/eumsr/9912100.html
野田高梧
http://www6.plala.or.jp/guti/cemetery/PERSON/N/noda_k.html
黒澤明 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E6%BE%A4%E6%98%8E