立冬
2007-11-08 | 行事
今日(11月8日)は「立冬」
立冬(りっとう)は1年を24に分けて季節を表す二十四節気の1つ。冬季の最初の節気として、毎年の11月8日前後が『立冬』に当たり、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目であるが、二十四節気の月日は、年毎に微妙に変化するので、日付を知りたい人は、以下参考に記載の「こよみのぺーじ」の二十四節気の計算を見られると良い。
太陽の黄道は、地球の赤道上に描いた天の赤道と約23.4 度の傾きがある。太陽が黄道上で一番北よりの点を通過する時が夏至、反対の南よりを通過する時が冬至である。夏至と冬至のちょうど中間点で、太陽が天の赤道上を南から北へ通過する点を春分点、北から南へ通過する点を秋分点といい。黄道を春分点からはかった角度を黄経という。春分は零度、秋分は180度、そして立冬は、黄経が225度のときであり、初めて冬の気配が現われてくる日。つまり、“冬立つ日”という意味で、暦の上での冬が今日から始まる。日は短くなり時雨が降る季節。北国や高山からは初雪の知らせも届き、関東では空っ風が吹く頃。日脚も縮まる。日の暮れるのが早くなり、朝夕に冷え込みを感じ始める頃である。今朝も非常に冷え込んでいたが、大阪の気温は11℃。この気温は平年並みだそうだが、昨今の暖冬のせいか非常に寒く感じる。連続して数日の気温が接し10℃より低い期間を冬季とするが、その意味では、今年は、暦と季節感が丁度合いそうだということか。
さて、今では「土用」と言うと通常は立夏前の夏の土用の丑の日のみを思い浮かべるが、これは、近所の鰻屋に店の看板を頼まれた平賀源内 が、「今日は丑の日」と書いたところ大評判となり、庶民の間で「土用の丑の日には鰻を食べる」という風習が広まっただけであり、土用(どよう)とは、五行思想に基づく季節の分類の一つで、各季節の終りの約18日間のことである。
実際はウナギの旬も冬であり、秋から春に比べても夏のものは味が落ちるのである。魚などは何でもこれからの時期が本当に美味しい。
動物など生き物は、寒い冬を越すための冬篭りをするために、その前にせっせと栄養の補給をしておく。
人類に冬眠の話は聞いたことがないが、昔から、人類も立冬になると冬の食物を補うという習わしはあったようだ。この日になると、海岸部に住む人は海産物を山間部に済む人達は獲物や木の実などそれぞれぞれ異なった方法で補給をしておく。今のような住環境が整っていなかった時代には、そうでないと、これから先の冬の厳寒を乗り切れなかった。今は、家も防寒設備が整っているし、スーパーなどには年中食べ物が豊富にそろっている。
それでは実生活の中で、立冬の日に我々は結局何に注意すべきか。
中国の最も古い医学の古典『黄帝内経・四季調神大論』は、以下のように書いてある。”冬の三ヶ月は閉蔵つまり万物の気が閉じこもる季節である。水は凍り地はひび割れる。陽気を乱してはならない。早く寝て遅く起き、日が昇るのを待つ。精神は伏せるごとく、秘匿するごとく、また私事を秘めるように、欲することが既に得られたかのように落ち着かせる。寒さを避け、温まるように努め、皮膚をゆるめず気をもらさないようにする。これが冬の気に応じた養蔵の道である。逆らえば腎気が傷つき、春には四肢の無力感や寒気に襲われて、春の万物を生み出す気を得られない。”・・・と。(以下参考に記載の「黄帝内経」参照)
冬は余り無理して汗して働かない方が良いようである。早寝して遅めに起き、日が出てきてから働き、十分な睡眠を確保して、精を蓄え、服装も薄着しすぎ、室内の温度も低すぎると風邪を引きやすく、陽気も消耗するが、これに反して、服装も厚着しすぎ、室内温度も高すぎると皮下と筋肉がたるみ、やはり風邪も引きやすくなるなる。兎に角、冷えによる病気を治して身体を温め、臓の養生を心がけるべきなんだろうね~。これに逆らうと腎臓が傷つき、春はなえて動かなくなり病気になるよと注意している。食べ物も、カロリーの高いものを食べ、ビタミン不足を避けるため、新鮮な野菜、や牛肉、羊肉、鶏肉、に魚類を多く食べ、豆乳、牛乳を多く飲み、ダイコン、野菜、豆腐、キクラゲなどを多く食べるべきである。特に、冬は野菜不足なので野菜の摂取には気をつけなければいけないだろうね~。
「奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きくときぞ 秋はかなしき」
三十六歌仙の一人猿丸太夫の作とされており、小倉百人一首にも入っている。
晩秋から初冬に代わる季節になると山の紅葉も散り始める。鹿の鳴き声はもの悲しげで妻を恋しく思って鳴くものと伝えられている。秋はもともと何となくもの悲しいものだが、鹿の声は聞く人を更に悲しい気持ちに引き込んで行く。
「心あてに 折らばや折らむ はつ霜の 置きまどはせる 白菊の花」
同じく三十六歌仙の一人で凡河内躬恒の作。今朝は初霜が降って真っ白になってしまった。白菊の花がそれにまぎれて見えないじゃないか・・といったところだろうが、余り面白い作とも思えないが小倉百人一首にも選ばれている。 初霜はその年の秋から冬にかけて最初に降りる霜。これから徐々に寒くなってゆくが、今年の冬は寒いように思うのだが、物価も石油がどんどん値上がりし、食料品までもが値上げラッシュの報道が伝えられている。これだけ何もかも高くなってくると、身体を温めるための暖房も余りつかえず、食べるものも始末しなければならないとなると・・・我々年金者には厳しい冬となりそうだね~。
(画像は、花札「紅葉と鹿」)
参考:
立冬 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%86%AC
こよみのぺーじ・11月のページ
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/24doc.htm
土用 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E7%94%A8
猿丸大夫 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E4%B8%B8%E5%A4%A7%E5%A4%AB
凡河内躬恒 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%A1%E6%B2%B3%E5%86%85%E8%BA%AC%E6%81%92
四季
http://www5c.biglobe.ne.jp/~tensi/text/siki.htm
初霜 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E9%9C%9C
やまとうた
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/index.html
黄帝内経
http://www.ganjudou.com/neijing/2006/10/post_1.html
立冬(りっとう)は1年を24に分けて季節を表す二十四節気の1つ。冬季の最初の節気として、毎年の11月8日前後が『立冬』に当たり、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目であるが、二十四節気の月日は、年毎に微妙に変化するので、日付を知りたい人は、以下参考に記載の「こよみのぺーじ」の二十四節気の計算を見られると良い。
太陽の黄道は、地球の赤道上に描いた天の赤道と約23.4 度の傾きがある。太陽が黄道上で一番北よりの点を通過する時が夏至、反対の南よりを通過する時が冬至である。夏至と冬至のちょうど中間点で、太陽が天の赤道上を南から北へ通過する点を春分点、北から南へ通過する点を秋分点といい。黄道を春分点からはかった角度を黄経という。春分は零度、秋分は180度、そして立冬は、黄経が225度のときであり、初めて冬の気配が現われてくる日。つまり、“冬立つ日”という意味で、暦の上での冬が今日から始まる。日は短くなり時雨が降る季節。北国や高山からは初雪の知らせも届き、関東では空っ風が吹く頃。日脚も縮まる。日の暮れるのが早くなり、朝夕に冷え込みを感じ始める頃である。今朝も非常に冷え込んでいたが、大阪の気温は11℃。この気温は平年並みだそうだが、昨今の暖冬のせいか非常に寒く感じる。連続して数日の気温が接し10℃より低い期間を冬季とするが、その意味では、今年は、暦と季節感が丁度合いそうだということか。
さて、今では「土用」と言うと通常は立夏前の夏の土用の丑の日のみを思い浮かべるが、これは、近所の鰻屋に店の看板を頼まれた平賀源内 が、「今日は丑の日」と書いたところ大評判となり、庶民の間で「土用の丑の日には鰻を食べる」という風習が広まっただけであり、土用(どよう)とは、五行思想に基づく季節の分類の一つで、各季節の終りの約18日間のことである。
実際はウナギの旬も冬であり、秋から春に比べても夏のものは味が落ちるのである。魚などは何でもこれからの時期が本当に美味しい。
動物など生き物は、寒い冬を越すための冬篭りをするために、その前にせっせと栄養の補給をしておく。
人類に冬眠の話は聞いたことがないが、昔から、人類も立冬になると冬の食物を補うという習わしはあったようだ。この日になると、海岸部に住む人は海産物を山間部に済む人達は獲物や木の実などそれぞれぞれ異なった方法で補給をしておく。今のような住環境が整っていなかった時代には、そうでないと、これから先の冬の厳寒を乗り切れなかった。今は、家も防寒設備が整っているし、スーパーなどには年中食べ物が豊富にそろっている。
それでは実生活の中で、立冬の日に我々は結局何に注意すべきか。
中国の最も古い医学の古典『黄帝内経・四季調神大論』は、以下のように書いてある。”冬の三ヶ月は閉蔵つまり万物の気が閉じこもる季節である。水は凍り地はひび割れる。陽気を乱してはならない。早く寝て遅く起き、日が昇るのを待つ。精神は伏せるごとく、秘匿するごとく、また私事を秘めるように、欲することが既に得られたかのように落ち着かせる。寒さを避け、温まるように努め、皮膚をゆるめず気をもらさないようにする。これが冬の気に応じた養蔵の道である。逆らえば腎気が傷つき、春には四肢の無力感や寒気に襲われて、春の万物を生み出す気を得られない。”・・・と。(以下参考に記載の「黄帝内経」参照)
冬は余り無理して汗して働かない方が良いようである。早寝して遅めに起き、日が出てきてから働き、十分な睡眠を確保して、精を蓄え、服装も薄着しすぎ、室内の温度も低すぎると風邪を引きやすく、陽気も消耗するが、これに反して、服装も厚着しすぎ、室内温度も高すぎると皮下と筋肉がたるみ、やはり風邪も引きやすくなるなる。兎に角、冷えによる病気を治して身体を温め、臓の養生を心がけるべきなんだろうね~。これに逆らうと腎臓が傷つき、春はなえて動かなくなり病気になるよと注意している。食べ物も、カロリーの高いものを食べ、ビタミン不足を避けるため、新鮮な野菜、や牛肉、羊肉、鶏肉、に魚類を多く食べ、豆乳、牛乳を多く飲み、ダイコン、野菜、豆腐、キクラゲなどを多く食べるべきである。特に、冬は野菜不足なので野菜の摂取には気をつけなければいけないだろうね~。
「奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きくときぞ 秋はかなしき」
三十六歌仙の一人猿丸太夫の作とされており、小倉百人一首にも入っている。
晩秋から初冬に代わる季節になると山の紅葉も散り始める。鹿の鳴き声はもの悲しげで妻を恋しく思って鳴くものと伝えられている。秋はもともと何となくもの悲しいものだが、鹿の声は聞く人を更に悲しい気持ちに引き込んで行く。
「心あてに 折らばや折らむ はつ霜の 置きまどはせる 白菊の花」
同じく三十六歌仙の一人で凡河内躬恒の作。今朝は初霜が降って真っ白になってしまった。白菊の花がそれにまぎれて見えないじゃないか・・といったところだろうが、余り面白い作とも思えないが小倉百人一首にも選ばれている。 初霜はその年の秋から冬にかけて最初に降りる霜。これから徐々に寒くなってゆくが、今年の冬は寒いように思うのだが、物価も石油がどんどん値上がりし、食料品までもが値上げラッシュの報道が伝えられている。これだけ何もかも高くなってくると、身体を温めるための暖房も余りつかえず、食べるものも始末しなければならないとなると・・・我々年金者には厳しい冬となりそうだね~。
(画像は、花札「紅葉と鹿」)
参考:
立冬 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AB%8B%E5%86%AC
こよみのぺーじ・11月のページ
http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/24doc.htm
土用 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%9F%E7%94%A8
猿丸大夫 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8C%BF%E4%B8%B8%E5%A4%A7%E5%A4%AB
凡河内躬恒 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%A1%E6%B2%B3%E5%86%85%E8%BA%AC%E6%81%92
四季
http://www5c.biglobe.ne.jp/~tensi/text/siki.htm
初霜 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%9D%E9%9C%9C
やまとうた
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/index.html
黄帝内経
http://www.ganjudou.com/neijing/2006/10/post_1.html