司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

会社法等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)

2006-03-31 16:10:09 | 会社法(改正商法等)
 「会社法等の施行に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通達)」(法務省民二第755号平成18年3月29日民事局長通達)が発出されている。

1 会社の合併又は分割による権利の移転の登記
 ※ 吸収分割の場合は、分割契約書及び会社分割の記載がある吸収分割会社の登記事項証明書を提供しなければならない。
2 特別清算及び会社整理に関する登記
3 特例有限会社の株式会社への商号変更
 ※ 組織変更がされた場合と同様の手続。すなわち、登記名義人表示変更登記である。
4 持分会社の代表者が法人である場合
5 資格証明情報の省略等
 ※ 支店所在地での省略は不可。
6 利益相反行為についての承認を証する情報
 ※ 取締役会の書面決議による場合、監査役設置会社であるときは、監査役が異議を述べなかったことを証する情報も必要。
7 共同代表及び共同代理の制度の廃止
8 類似商号の禁止の制度の廃止
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「変更定款」の実務

2006-03-31 15:29:52 | 会社法(改正商法等)
 会社法第30条第2項は、発起設立の場合の定款認証後の定款変更を原則として禁止している。これにより「変更定款」は否定されたようにも解しうる。

 この点につき、「新会社法定款事例集」(日本加除出版)15頁以下は、「立法の経緯によれば、従前の変更定款を許容していた実務の変更を定めたものとは解されず、同項の『公証人の認証を受けた定款』は、変更定款を含めて理解すべきものである。変更定款に係る公証人による認証の法律上の位置付けは、法律上の定款の変更ではなく、従前の定款たる書面又は電磁的記録を利用することによる新たな定款の作成とその認証にほかならないものと解される。」旨の解説をしている。

 旬刊商事法務第1755号17頁以下の松本解説(整備法による経過措置関連ではあるが)も同旨である。

 従って、会社法第30条第2項は、原始定款の認証&「変更定款」の認証で一体となった「認証後の定款」の変更を禁止するものである、と理解すべきである。
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大学発ベンチャー支援策~ストックオプション等の指針を策定

2006-03-31 11:54:42 | 会社法(改正商法等)
特許使用料は出世払いに 大学発ベンチャー支援策 (共同通信) - goo ニュース

 大学発ベンチャー企業が母体の国立大学や大学共同利用機関法人に支払う特許使用料を、金銭ではなくその企業の株式やストックオプション(自社株購入権)で充てるのを促進するため、指針を策定するとのことである。
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「会社法の施行直後に必要となる会社の登記」

2006-03-30 21:20:22 | 会社法(改正商法等)
早貸淳子(東京法務局第二法人登記部門主席登記官)著「会社法の施行直後に必要となる会社の登記」月刊登記情報2006年4月号32頁以下

 いわゆる経過措置政令第13条により必要となる「会社が新株予約権を消却することができる事由及び消却の条件」→「会社が新株予約権を取得することができる事由及び取得の条件」の変更登記についての解説があり、必読である。
 取締役や従業員の退職、死亡の場合に会社が新株予約権を無償で消却することができる旨の定めがあるときは、取得条項付新株予約権の取得事由として登記する必要があると考えられる、とのことである。
 なお書きとして、現在多くの会社において新株予約権の消却事由として定められている「当社が消滅会社となる合併契約書が承認されたとき~」とする消却事由については、取得条項付新株予約権の取得事由として登記する必要はないと考えられる旨が解説されている。やれやれ。

 また、公開会社かつ小会社の監査役は、施行日に任期満了となるが、「ただし、施行日において小会社となっているが、中会社又は大会社から小会社になった後、最初に到来する決算期に関する定時総会がまだ終結していない場合(商法特例法27条の適用がある場合)は、監査範囲に変更が生じないので、これには該当しない」点は留意すべきである。

 種類株式の登記記載例(見込み)も豊富に登載されている。
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会社法における商業登記通達解説セミナー

2006-03-30 09:55:38 | 会社法(改正商法等)
 次のとおり、会社法における商業登記通達解説セミナーが4月15日(土)大阪市にて開催される。通達が発出された直後(現段階では予定)の時期に、法務省担当者による解説であり、非常に充実したものになると思われるので、司法書士のみならず、企業法務担当者、税理士等、商業登記に直接、間接に関わられる方々はぜひご参加下さい。
http://www.lalalaw.jp/a2z/kn060329_1.pdf

 司法書士も含めたパネルディスカッションもあります。ご期待下さい。
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会社法施行規則及び会社計算規則の一部改正

2006-03-30 09:14:21 | 会社法(改正商法等)
 会社法及び整備法の施行に伴い、並びに関係法律の規定に基づき、「非訟事件手続法による財産管理の報告及び計算に関する書類並びに財産目録の謄本又は株主表の抄本の交付に関する手数料の件の廃止等をする省令」(法務省令平成18年第28号)が、29日に公布された。
 この省令の附則に、会社法施行規則及び会社計算規則の一部改正が含まれている。既報のとおり、いわゆる形式的な修正を行うものであるが・・・結構あちこち改正されている。附則第2条「会社法施行規則の一部改正」、附則第3条「会社計算規則の一部改正」である。司法書士実務上、留意すべき点は多くはない、と思われるが、一応確認しておくべきである。
 パブコメに付された一部改正は、4月に入ってから公布される見込みである。

附則第2条
http://kanpou.npb.go.jp/20060329/20060329g00070/20060329g000700007f.html

附則第3条
http://kanpou.npb.go.jp/20060329/20060329g00070/20060329g000700009f.html
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原告代理人弁護士が被告の市長に転身し和解

2006-03-30 02:21:50 | いろいろ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060329-00000097-kyodo-soci

 個別具体的には妥当な解決なのかもしれないが、和解がかつて相手方代理人であった市長の指揮命令下において行われた事実(おそらくはそうであろう。)自体は、果たして肯認すべきなのであろうか。市長を市側代理人弁護士と置き換えて考えれば・・・。釈然としないものがある。
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消費者金融、業界健全化に向けた自主取り組みへ

2006-03-30 01:46:02 | 消費者問題
消費者金融7社 「グレー金利」に先手 健全化へ取り組み (産経新聞) - goo ニュース

 真に取り組むのであれば、喜ばしいこと。

「グレーゾーン金利」判決受けプロミスが業績下方修正 (読売新聞) - goo ニュース

 プロミスも業績を下方修正だそうだ。
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会社法の研修会等

2006-03-29 23:07:50 | 著書・論稿・講演等
今後の講師等の予定。

4月 2日(日) 日司連臨時研修会(東京)※DVD収録用。一部を担当。
4月10日(月) 近畿税理士会東支部・南支部会員研修会(大阪市)※パネラー
4月15日(土) 第一法規主催商業登記通達解説セミナー(大阪市)※パネラー
4月24日(月) FICセミナー(名古屋市)※一部を担当
4月28日(金) 京都若手異業種交流会(京都市)


 3月24日(金)愛知県司法書士会名古屋中央支部会員研修会(名古屋市)と3月25日(土)日本司法書士政治連盟京都会大会(京都市)では、拙著「Q&A新会社法による株主総会実務のポイント」(清文社)をテキストとして用い、好評でした。
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「会社法」の概要

2006-03-29 19:32:04 | 会社法(改正商法等)
 法務省HPの「会社法」の概要。
http://www.moj.go.jp/HOUAN/houan33.html
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日司連臨時総会

2006-03-29 19:27:15 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 日司連臨時総会が本日開催された。私も代議員として出席。無事終了。
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会社法の施行期日を定める政令、本日公布

2006-03-29 08:52:58 | 会社法(改正商法等)
 会社法の施行期日を定める政令(政令第77号)が本日公布された。
http://kanpou.npb.go.jp/20060329/20060329g00069/20060329g000690010f.html

 もちろん平成18年5月1日施行である。
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「新会社法定款事例集」

2006-03-28 21:44:33 | 著書・論稿・講演等
共著「新会社法定款事例集」(日本加除出版)
http://www.kajo.co.jp/teikan/teikan.htm

 ようやく発売開始。予約注文された方々のお手元にも届き始めているようです。

 ところが、付属のCD-ROMに若干の不具合があったようです。誠に申し訳ありません。恐れ入りますが、Windows XP以外のOSでのご使用の方は、下記から動作可能なバージョンをダウンロードしていただくようお願い致します。ダウンロードしていただけば、安心してご使用いただけます。
http://www.kajo.co.jp/teikan/teikan_cd.html

 一太郎をご利用の方は、CD-ROM上でなく、ファイルを一度デスクトップ上にコピー&ペーストしてご利用いただきますようお願い致します。
http://www.kajo.co.jp/teikan/teikan_m.htm
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東証「上場制度改善に向けたディスカッション・ペーパー」

2006-03-28 20:19:38 | 会社法(改正商法等)
 東証が、「上場制度改善に向けたディスカッション・ペーパー」を公表し、意見募集中である。
http://www.tse.or.jp/guide/comment/060322jojo-2.pdf

 興味を惹く点としては、

・ 特定の株主(例えば10名以下)への一定の議決権割合以上の株式、新株予約権又は新株予約権付社債の発行については、原則として株主総会に付議する旨を定めた規定を上場規則に明記する。
 ※会社法では、たとえば募集株式の発行等の場合、有利発行(第199条第3項)に該当しない限り、公開会社の特例(第201条第1項)によって、取締役会決議により発行できる。

・ 株式分割や1単元の株式数の変更によって計算上投資単位が著しく低い水準となる(例えば10万円を下回ることとなる)場合については、上場規則として禁止する。

等々。
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特例有限会社の上場

2006-03-28 20:01:17 | 会社法(改正商法等)
 特例有限会社は、会社法上の株式会社であるが、定款に株式の譲渡制限の定めがあるとみなされ(整備法第9条第1項)、その定めを異なる内容に変更できない(同条第2項)ため、当然のことながら上場することはできない。では、商号変更(同法第45条第1項)によって通常の株式会社に移行すれば、即上場が可能であるのか。

 この点につき、東証が公表した「会社法施行に伴う上場制度等の整備について」(案)によれば、「取締役会を設置してから3年以上継続的に事業活動をしていること」が新規上場の要件とされている(マザーズでは1年以上)。
http://www.tse.or.jp/guide/comment/060322jojo-1.pdf

 将来的に上場を目指すのであれば、速やかに通常の株式会社への移行(同時に取締役会を設置)に着手すべし、ということである。
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