司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

定額補修分担金条項の使用差止めが認められる~消費者団体訴訟で

2009-09-30 19:30:38 | 消費者問題
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090930-OYT1T00878.htm

 適格消費者団体である特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワークが,消費者団体訴訟として,賃貸住宅の賃貸借契約における定額補修分担金条項の使用差止めを請求した訴訟において,京都地裁は,本日,請求を認容する判決をした。


cf. 消費者契約法・消費者団体訴訟制度について
http://www.consumer.go.jp/seisaku/cao/soken/index.html
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「債権法の改正」&「成年年齢の引下げ」

2009-09-30 19:28:18 | 民法改正
法制審議会第159回会議(平成21年9月17日開催)
http://www.moj.go.jp/SHINGI2/090917-1.html

 「債権法の改正」については,やはり諮問されなかった。

 「成年年齢の引下げ」についても,引き続き審議されるようだ。

 政権交代の影響か。
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法務省所管事業分野における個人情報保護に関するガイドライン

2009-09-30 10:29:46 | 司法書士(改正不動産登記法等)
法務省所管事業分野における個人情報保護に関するガイドライン(法務省告示第453号)
http://kanpou.npb.go.jp/20090930/20090930g00208/20090930g002080014f.html

 「個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)第八条の規定に基づき、法務省所管事業分野における個人情報保護に関するガイドラインを次のように定め、平成二十一年十一月一日から施行し、平成十六年十月二十九日法務省告示第五百三十一号(法務省が所管する事業を行う事業者等が取り扱う個人情報の保護に関するガイドライン)は、同日付けで廃止する。」

 先日のパブコメ実施を受けての改定である。

cf. 「法務省所管事業分野における個人情報保護に関するガイドライン(案)」に関する意見募集の結果について
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=300010005&OBJCD=&GROUP=


 司法書士も,「法務省関係事業者」に該当する。したがって,「管理するすべての個人情報データベース等を構成する個人情報によって識別される特定の個人の数の総和」が5000を超えれば(個人情報の保護に関する法律施行令第2条),「個人情報取扱事業者に該当する法務省関係事業者」として,このガイドラインの適用を受けることとなり,そうでない場合も,「法の基本理念(個人情報保護法第3条)を踏まえ,このガイドラインに規定されている事項を遵守することが望ましい」ものとされている。
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家賃滞納歴データベース,実施へ

2009-09-30 01:39:49 | 消費者問題
共同通信記事
http://www.47news.jp/CN/200909/CN2009092901001008.html

 賃貸マンションなどの家賃の連帯保証を請け負う保証会社が,10月に業界団体「全国賃貸保証業協会」を設立し、その後1~2年後をめどに、家賃滞納歴や支払状況を検索できるデータベースを構築する,という構想で動くそうだ。

cf. 平成21年9月19日付「家賃滞納歴のデータベース化構想

 常習的家賃滞納者を門前払いしたいという発想は,わからなくもないが,資金繰りに窮して一時支払猶予を受けたような情報まで登録され,その後支払っているにもかかわらず,転居の際に,入居差別をされるおそれが生じ,賃借人にとっては,著しく不当な運用がされかねないという問題がある。
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取締役選任権付種類株式について

2009-09-27 23:26:36 | 会社法(改正商法等)
 全青司全国研修会の企業支援コンペにおいて,取締役選任権付種類株式について,若干議論があった。

 「取締役選任権付種類株式A(取締役○名を選任することができる。)」,「取締役選任権付種類株式B(取締役○名を選任することができる。)」及び「普通株式(という名の種類株式)」の3種の種類株式を発行している種類株式発行会社において,残余の取締役の選任方法如何である。

 この点に関して,いわゆる「千問」に,「たとえば,3人の取締役を選任する場合において,ある取締役選任権付種類株式の内容として2名に取締役を選任することとされている場合,当該株式の種類株主総会において2名を選任し,残りの1名は,当該株式以外の種類の株式の株主によって構成される種類株主総会によって選任される。」(相澤哲他「論点解説 新・会社法」(商事法務)286頁以下)との解説があることから,残余の取締役は,「普通株式(という名の種類株式)」の株主によって構成される種類株主総会によって選任することができる,との指摘があった。

 しかし,これは,誤解である。読み取り難い表現であるが,「ある取締役選任権付種類株式」とあることから,執筆者は,2種類の取締役選任権付種類株式を発行している株式会社を念頭にして,「当該株式以外の種類の株式」は,「他の取締役選任権付種類株式」を意味するつもりであったものと思われる。



 以下は,拙編著「商業登記全書第3巻 株式・種類株式」(中央経済社)363頁のコラムである。ご一読を。

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 旧商法時代は、株式の種類ごとに別個の投票により取締役を選任する旨の定款の規定を設ける場合、全部の種類について、選任することができるか否かを定める必要があるとされていた。ある種類の株式を有する種類株主について、
 ① 通常の株主総会における議決権の有無
 ② 当該種類株主総会における議決権の有無
が問題となるが、①において議決権のない種類株主に対して、②において議決権を認めることが可能であることが理由とされていたようである。しかし、この点は、会社法第108条第2項第9号イの規定により、変更されたものと考える。

 すなわち、取締役選任権付種類株式が発行されたときは、取締役の選任に関して、「通常の株主総会」から「取締役選任権付種類株式の種類株主を構成員とする種類株主総会」に権限が委譲されたことになることから、選任権限がない種類の株式に関して、当該種類株主総会が「取締役を選任することができない」と定める必要はないわけである。

 したがって、「取締役を選任することができない」ことは種類株式の内容ではなく、「当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役を選任すること」を定款に定めて、登記事項とすれば足りると考えるべきである。なお、公表されている登記記録例では、「取締役を選任することができない」ことが登記すべき事項であるかのように掲げられているが、これは、旧商法時代の実務に引きづられているだけであり、余事記載であろうと考える。
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 取締役選任権付種類株式のポイントは,

○ 取締役選任権付種類株式を発行している株式会社においては,「取締役選任権付種類株式の種類株主を構成員とする種類株主総会」によって取締役が選任される。
○ この場合,通常の株主総会で取締役が選任されることはない。仮にその実質を実現したいのであれば,「すべての種類の株主が共同して開催する種類株主総会」で選任する方策をとる必要がある。
cf. 松井信憲著「商業登記ハンドブック〔第2版〕」(商事法務)134頁

 上記の例によれば,残余の取締役の選任に関して,「取締役選任権付種類株式A」,「取締役選任権付種類株式B」及び「普通株式(という名の種類株式)」の3種の種類株式の種類株主が共同して開催する種類株主総会によって行う旨の定款の定めを置くことにより,通常の株主総会で選任するのと同様のことを実現することが可能となるわけである。ただし,この場合,「普通株式(という名の種類株式)」も取締役選任権付種類株式の1種となることは,言うまでもない。

cf. 平成21年4月17日付「取締役選任権付種類株式と取締役の任期」

 取締役選任権付種類株式は,実務の蓄積が少ないこともあり,解釈が定まっていない点が多々あり,他にも難しい問題を孕んでいる感がある。

to be continued
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全青司全国研修会 in 仙台

2009-09-27 20:29:20 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 9月26日(土),27日(日)の両日,宮城県仙台市において,全青司全国研修会が開催された。

 1日目は,第1分科会「企業支援コンペ」に審査員として参加。優勝のMESSの皆さん,残念ながら準優勝に終わったKBQの皆さん,お疲れさまでした。懇親会も楽しい一刻でした。

 2日目は,第9分科会「改正司法書士法への未途(みち)」に参加。「法律相談権について」「懲戒制度について」「司法書士資格制度と登録前修習制度について」のお話。司法書士法の改正については,資格制度全般とのバランスを考慮して,考える必要があるように思われる。

 ちなみに,「法律相談権」等に関して議論する上では,下記の記事が参考になると思われるので,ぜひご覧ください。

cf. 平成16年9月18日付「弁護士法第72条と有償法務サービス」

 終了後のランチは,宮城県会の鈴木会長に,美味しい牛タンをごちそうになりました。
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夫婦別姓導入へ

2009-09-27 09:23:34 | 民法改正
讀賣新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090927-00000001-yom-pol

 夫婦別姓に関する民法改正がにわかに動き出しそうである。772条問題も,併せて改正するのであろうか。
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更新料訴訟~京都地裁でまた無効判決 

2009-09-25 15:56:30 | 消費者問題
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090925k0000e040088000c.html

 本日,京都地裁で,また更新料条項を無効とする判決が3件あった。そのうち一つは,賃貸マンションの契約における更新料条項及び「定額補修分担金」条項のいずれも消費者契約法に違反し,無効としたものである。

讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090925-OYT1T00807.htm?from=main1

 完全に「消費者契約法違反による無効」が定着した感がある。
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「商業登記ハンドブック〔第2版〕」

2009-09-24 15:08:36 | 会社法(改正商法等)
松井信憲著「商業登記ハンドブック〔第2版〕」(商事法務)
http://www.shojihomu.co.jp/newbooks/1702.html

 初版では,持分会社については触れられていなかったが,第2版では,持分会社の登記についても詳細に解説されている。

 会社法下の商業登記実務において,「会社法に則った実体法的判断と,それを必要な添付書面で確認して適正な公示を行うことの重要性」(第2版はしがき)は,ますます高まるばかりであり,本書は,商業登記実務に関わる方々の座右の書として,欠かすことのできないものである。お薦め。
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アイフル,抜本的リストラに着手

2009-09-24 12:04:09 | 消費者問題
朝日新聞記事
http://www.asahi.com/business/update/0924/TKY200909240056.html

 先日事業再生ADRの利用方針を発表したアイフルが,抜本的リストラに着手。
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休眠宗教法人の不正売買ビジネス横行

2009-09-23 17:01:42 | 法人制度
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090923-OYT1T00110.htm

 休眠宗教法人の不正売買ビジネスが横行しているとの記事。こういう実態があるので,文化庁が不活動宗教法人の整理に励むわけである。


cf. 平成21年8月7日付「不活動宗教法人対策」
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未公開株のトラブルが再び増加

2009-09-22 14:26:16 | 消費者問題
日経記事
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090922AT1G1802N21092009.html

 儲け話をわざわざ見ず知らずの他人に教えるわけがないのだが・・。中途半端な知人からの誘いも,もっと危ないわけだが。

cf. 「未公開株のトラブルが再び増加-「劇場型」「被害回復型」など新たな手口が次々登場-」
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20090915_1.html
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死刑廃止へ動く?

2009-09-21 18:55:42 | いろいろ
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090921-OYT1T00055.htm?from=main1

 新法務大臣が「死刑廃止を推進する議員連盟」に属していることから,死刑執行問題が急浮上。

 夫婦別姓等の民法改正も動き出しそうである。
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会社法等の研修会

2009-09-20 11:24:53 | 会社法(改正商法等)
 今後の講師等の予定。

 9月26日(土) 全青司全国研修会(仙台市)※分科会審査員
10月 3日(土) 岩手県司法書士会会員研修会(岩手県盛岡市)※会社法
12月 8日(火) 某団体(大阪市)※会社法
12月14日(月) 某団体(京都府福知山市)※事業承継
12月16日(水) 某団体(京都市)※会社法,パネラー
12月26日(土) 近司連新人研修(大阪市)※事業承継&法人制度

【平成22年】
 1月21日(木) 日司連司法書士中央新人研修(神戸市)※商業法人登記
 1月27日(水) 日司連司法書士中央新人研修(茨城県つくば市)※商業法人登記
 2月13日(土) 某団体(鹿児島市)※法人制度
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珍しい司法書士懲戒処分

2009-09-19 20:15:57 | 司法書士(改正不動産登記法等)
讀賣新聞記事
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090918-OYT1T00723.htm

 官報の「司法書士懲戒処分公告」に,「違反行為 偽名を用いた司法書士試験受験」と出ていたので,珍しいケースもあるものだと思っていたが・・・。
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