司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

監査役1名のみとなった場合の任期途中の報酬増額決定と監査役の善管注意義務

2024-05-23 06:04:11 | 会社法(改正商法等)
TKCローライブラリ
https://www.lawlibrary.jp/pdf/z18817009-00-051592167_tkc.pdf

 岡田陽介「監査役1名のみとなった場合の任期途中の報酬増額決定と監査役の善管注意義務」が掲載されている。千葉地裁令和3年1月28日判決の評釈である。

「本判決は、 複数名の監査役が選任されている時期に株主総会決議で監査役報酬の最高限度額が定められ、その後監査役が1名のみになった会社において、 ①その監査役1名で報酬額を決定できること、②監査役の任期途中で報酬を増額できること、③その監査役が自らの報酬を上記の最高限度額とする旨の増額決定をしたことについて善管注意義務違反があるとはいえないとしたものである。」(上掲岡田)

 非常に面白いといえるが,実務的には押さえておくべき重要な判決である。もちろん控訴されているようだ。

会社法
 (監査役の報酬等)
第387条 監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。
2 監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。
3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。
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2024年金商法改正の成立

2024-05-23 05:50:38 | 会社法(改正商法等)
Yahoo! ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/5a3f321c9fb445a8c0348057a1f8cc025f6406e4

 野村総合研究所研究員の解説である。司法書士の実務においては影響はないところであるが。
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株券発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の当事者間の効力

2024-05-23 05:48:24 | 会社法(改正商法等)
 昨日(5月22日)は,近司連企業法務研究会で,「株券発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の当事者間の効力」を報告。最高裁令和6年4月19日第2小法廷判決を取り上げました。

cf. 令和6年4月22日付け「株券発行前にした株券発行会社の株式の譲渡の効力」
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「改正犯収法における取引時確認の基本と司法書士業務への影響」

2024-05-23 05:28:39 | 司法書士(改正不動産登記法等)
 一昨日(5月21日),京都会の研修会で,「改正犯収法における取引時確認の基本と司法書士業務への影響」についてお話。

 通常の業務における取引時確認の基本を確認し,実質的支配者該当性の考え方を整理しました。

 実質的支配者となるべき者に関する書類が添付書面となる「代表者の住所の非表示措置」の申出についても概説。
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『虎に翼』は日本国憲法97条のドラマ化

2024-05-21 13:10:31 | いろいろ
文春オンライン
https://bunshun.jp/articles/-/70875

 なるほどなと思う分析である。
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訃報(中西敏和先生)

2024-05-20 15:39:51 | 会社法(改正商法等)
 中西敏和先生(元UFJ信託銀行常務執行役員,元同志社大学法学部教授)が,令和6年1月3日に御逝去されていたとのこと(旬刊商事法務2024年5月5日・15日合併号91頁)。

 中西先生には,近司連企業法務研究会で,平成23年から5年間にわたり会社法実務について御指導をいただき,酒席にもしばしば御一緒いただく等,一方ならぬお世話になりました。

 御冥福をお祈りします。
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京都市中京区が,北区と接している?

2024-05-17 17:00:34 | 私の京都
京都新聞記事
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1253347

 普通に考えると,北から,北区,上京区,中京区,下京区,南区という並びであるが・・。

 言われてみると,確かに,西大路通の北野白梅町と円町の間は,北区大将軍と中京区西ノ京が接している。

 北区は,昭和30年9月1日に,上京区から分区して誕生しており,区割りについては,諸々の歴史的沿革があるのであろう。
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遺言制度のデジタル化に関する調査研究報告書

2024-05-17 16:36:29 | 民法改正
遺言制度のデジタル化に関する調査研究報告書の公表について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00355.html

「遺言制度の見直しに当たっての参考資料として、諸外国における遺言制度、利用可能なデジタル技術及びニーズ等について十分に調査・研究を行うことを目的」としてまとめられたものである。

cf. 法制審議会-民法(遺言関係)部会
https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00009
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共同親権に関する改正民法が成立

2024-05-17 14:34:13 | 民法改正
日経記事
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1463U0U4A510C2000000/

 本日の参議院本会議で可決,成立した。


cf. 民法等の一部を改正する法律案
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00348.html

修正案
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g21309047.htm
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共同親権に関する民法改正案が参議院法務委員会で可決

2024-05-16 19:15:42 | 民法改正
讀賣新聞記事
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20240516-OYT1T50114/

 本日の参議院法務委員会で「衆議院の修正案どおり」で可決。明日の参議院本会議で可決,成立する見込み。
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代表取締役の住所の非表示措置に関する愛知県弁護士会会長声明

2024-05-16 18:43:59 | 会社法(改正商法等)
愛知県弁護士会「商業登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第28号)における代表取締役等住所非表示措置に関し、弁護士による職務上請求の措置等を求める会長声明」
https://www.aiben.jp/opinion-statement/news/2024/05/post-109.html

「特に、昨今、国際ロマンス詐欺やSNS投資詐欺等の詐欺商法が多数発生して社会問題化しており、被害金の振込先等で、会社名義の預金口座等が多数悪用されている状況にある。会社名義の預金口座等が悪用される等の方法により被害が発生した場合、被害者において、代表取締役等への送達や役員責任追及、保全のため、迅速に、代表取締役等の住所を把握したいというニーズは、実務上、極めて高い。」(上掲記事)

 上記のとおりであり,非表示措置を導入する必要があるとは思えないが。
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法務大臣閣議後記者会見の概要「選択的夫婦別氏制度に関する質疑について」

2024-05-14 17:36:54 | 民法改正
法務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年5月10日(金))
https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00510.html

〇 法務大臣閣議後記者会見の概要
【記者】
 選択的夫婦別姓制度についてお伺いします。
 昨日5月9日、自民党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」が総会を開きました。今年3月には夫婦別姓を認めないのは憲法違反だとして、夫婦別姓を求める訴訟が東京地裁などに起こされています。制度については国民の間に賛否あるのが現状だと思いますが、この制度に対する政府法務省の考えをお聞かせください。

【大臣】
 自民党の議連、あるいは最近の訴訟でそういった動きがあることは我々も明確に把握しており、注視しているところでもあります。
 ただ全体として申し上げれば、常々申し上げていることになりますけれども、まだ国民の間には、意見の分かれがあるというのも実情だというふうに捉えております。
 従って、国民各層の意見がある程度集約され、国会での議論も一つの方向性が見えてくるような状況を見極めた上で、対応を考えていく必要があるというふうに思います。特に国会議員の中での議論というのが大きなウエイトを占めてくると思います。そういう意味では、この議連で幅広い議論が行われ、国会、国民各層の間で、幅広い理解が進んでいくということは、望ましいことだと思います。我々もそういう議論をしっかりしていただくための情報提供をこれまでもやってまいりましたし、今後も積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。この御指摘の議連においても、御要望があれば、議論が充実したものになるように、積極的に協力していきたいというふうに思っております。
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M&A仲介の罠

2024-05-09 09:42:00 | 会社法(改正商法等)
朝日新聞記事
https://digital.asahi.com/articles/ASS4G3VPBS4GULFA00YM.html?iref=comtop_ThemeLeftS_01a

 事業承継(株式譲渡)後,新オーナーから会社の現預金を詐取されて,倒産に追い込まれたというお話である。

 特異なケースだとは思うが,新オーナーからの

「現預金は本部で預かるので、まずはA社に移してもらう。お金が必要になったら、そのつど入金するから」(上掲記事)

という話の時点で,おかしいと気付くべきだったであろう。

 仲介業者も,買主を紹介するだけで,「後は当事者の責任」と開き直っているのは,何とも・・・。
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「虎に翼」今週の解説

2024-05-06 14:17:17 | いろいろ
明治大学
https://meijinow.jp/article/toratubasa

 法律考証として作品に協力している明治大学法学部の村上一博教授による連載解説。興味深い。
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金融機関(ネット銀行)による司法書士指定に関する訴訟

2024-05-02 18:12:41 | 司法書士(改正不動産登記法等)
みのだ社労士FP事務所
https://minoda-sharosi.com/%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%A9%9F%E9%96%A2%EF%BC%88%E9%8A%80%E8%A1%8C%EF%BC%89%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%8F%B8%E6%B3%95%E6%9B%B8%E5%A3%AB%E6%8C%87%E5%AE%9A%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 社会保険労務士さんが,ネット銀行等によるローンの司法書士指定の問題を是正するための活動(民事訴訟)を行っている。

 地裁判決の判決文も掲載されている。原告敗訴(損害賠償請求は棄却)であるが,興味深い。
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