ピカソが終生持っていたルソーの女の肖像って
どれだろう
と思っていたら
これらしい↑
この絵は古道具屋にあって
貧乏な絵かきたちが上に絵を描くために買っていく
古キャンバスとして山積みなっていたのを
ピカソが見つけったんだって
5フランだかで買ったの
のちに何千フランも出すから売ってくれと言われても
ピカソは売らないでずっと持ち続けていたそうだ
このえを元に洗濯船でルソー礼賛の宴が持たれたというの
有名なエピソードらしい
女の肖像
私はこっちの方が好きだ
ルソーはデッサンができない
という風に言われているけれど
これらの絵は
そんなに破たんは感じない
このえのイヴはあり得ない形
上の宴で
ピカソはたぶん本当に礼賛したのだと思うけれど
当時の空気は結構ルソーを揶揄し馬鹿にしている風があったらしい
ルソーの描く人物は正面から描くものが多いけれど
そうしか描けないのではなく
それでないと 気がすまなくなってきたのだろうと思う
このえの女性なんか
微妙なポーズだもの
このえはかなり早い時期の絵だ
それで
考えたんだけれど
ルネサンス以降の遠近法とか明暗とか
そういうたぐいのものって
あたかも科学的みたいな 視覚的にとらえる正しい筋道みたいな
思い込み
これって幻想だ
人間がものを見るとき
もっと多様な見え方をしている
写真みたいな正確さは 写真やらせればいいのだ
でも 写真では写しきれないものが現実にはある
透視図法からの脱却 みたいなことは
ピカソの愛人フランソワーズ・ジローの日記にもしばしば出てくる
KINU洋画会でみんなが描いている絵を見ても
一見 そういうデッサン力がありそうに見える絵と
摩訶不思議な世界に行っちゃう人の絵とある
そうだな 人間の目には何種類も タイプがあるんだな
という風にこの頃思う
ルソーはルソーの遠近法で絵を描いているのは確かだし
人物画へんてこなのはそれで 絵の中では一体化しているものな
ルソーは 天才だと思うよ
ポスト印象派展で ルソーの絵を前にして
本当に不思議だったから
天才って 多分 常人では計り知れないほどのこだわりを持ち続ける才能
これが必須に違いない
言ってみりゃ ほとんどキチガイだ
そういったら Y さん 自信持っちゃったかも
でも逆が真とは限らないし
ハハハ