人は 良く知っている 慣れたもののなかにいると安心する
見知らぬ新しいものに触れると不安になるけれど好奇心がわく
この二つのなかを常に何か判断しながら生きている
こう考えると 面白いと思った
慣れたもの・・というのが人それぞれ
地域それぞれ 国それぞれ 時代それぞれだから
面白い
この間 絵は売る気なら小さいもの 見慣れたものを描かないと
という話が出たが
普通町の展覧会でみんなが見ているときも
見慣れた絵の方が好まれるという傾向がある
今 田舎の町では 上手ねえ というのが ふつう
だれだれ風 というのも安心の材料
こういうのが実際だ
考えてみると
読む本も 自分好みという作家がいるけれど
作家が展開する世界が
自分にとってなじみがあり 安心して読み進められる
という傾向がある
私なんか同じ作家のものを しつこく読むからね
根が 保守的なのかもしれない
いつでも新しい視点 新しいものの考え方に触れるのが
好きだ と思っていたけれど
ずいぶん 陳腐なものだ
と思い至った
だから 同じような人物画を50年も描いていたんだ
だからってね 新しい試みって
ただの 皮じゃしょうがないのだからね
凡人は 大変だよ