LOHASな感じ!

日頃、仕事やプライベートで感じた事をLOHASな感覚で書いています。

雨・蒸気・スピード - グレートウェスタン鉄道

2006-07-09 | 美の壺的解釈
この季節、突然の土砂降りに見舞われることがある。
この間も、高速道路を走っていたら、土砂降りの轟音と共にワイパーが必死に動いている姿があった。
そう言えば、こんな感じの絵があったなぁと思いながらも家路を急いでいた。

ターナーの「雨・蒸気・スピード - グレートウェスタン鉄道」は、ひたすら激しい天候の中、猛スピードで走る蒸気機関車を描いたものだ。
風景画としては、あまりにも斬新的だ。
通常、風景画は、静的な描写が多い。
モネ等の印象派の作品も好きだが、こんなにスピード感を絵画の中で感じられるものはおそらくないだろう。
また、一瞬では見ただけでは分からない、野ウサギや川岸の人物描写も興味をそそる。

ターナーは、秘密のベールに包まれた画家だ。
偽名や住所不定で生活していたりと謎めいているらしい。
イギリスでは、ターナーを風景画の巨匠として位置付けられており、現在残されている多くの作品も風景画だそうだ。
しかし、ターナーは生涯に渡り、女性をかなり描いていたそうだ。
残念ながら、誰かの手によってそのほとんどを焼却されてしまったらしいのだ。

うーん。当時の社会では、ターナーの描く女性像は受け入れ難いものだったのだろう。
価値観・考え方は、当然人それぞれ異なるものだ。
しかし、その価値観を受け入れる時代背景や政治的背景によっては、周囲と同調してしまうことがあるようだ。
個性を貫くということは以外に難しいかもしれない。