永子の窓

趣味の世界

枕草子を読んできて(62)

2018年06月20日 | 枕草子を読んできて
四九  あてなるもの  (62) 18.6.20

 あてなるもの 薄色に白襲の汗衫。削り氷の甘葛に入りて、あたらしき鋺に入れたる。梅の花に雪の降りたる。いみじううつくしきちごのいちご食ひたる。かりのこ割りたるも。水晶の数珠。
◆◆高貴で上品なもの 薄紫色の衵(あこめ)の上に白襲の汗衫(かざみ)を重ねたもの。削り氷が甘葛(あまずら)に入っていて、新しい金属製の碗に入れてあるの。梅の花に雪が降ってるの。とても可愛らしい幼児がいちごを食べてるの。かりの卵を割ってあるのも。水晶の数珠。◆◆


■あてなるもの=高貴なもの。上品な。
■薄色に白襲の汗衫(かざみ)=薄紫色の衵(あこめ)の上に白襲の汗衫(かざみ)を重ねたもの。初夏の童女の服装。
■甘葛(あまづら)=甘葛を煎じた汁。甘味料。
■鋺(かなまり)=金属製のわん
■かりのこ割り=「あてなるもの」の範囲では軽鴨が当たるという。