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都市鉱山

2010年10月29日 | 経済情報
数年前までは、レアメタルやレアアースが一般的な話題になることは少なかったと思いますが、このところメディアでも頻繁に取り上げられるようになりました。

特に、レアアースの大半を中国に依存している日本は、資源の安定的な確保に向けた多角的な取り組みが不可欠だという認識が高まりつつあります。

ところで、「都市鉱山」という用語をご存じでしょうか。
東北大学の教授だった南條道夫氏らが提唱した造語で、「家電製品や小型電子機器などの都市空間を占める工業製品をリサイクルに回せば、立派な鉱床になる」という概念です。

独立行政法人物質・材料研究機構が平成20年1月に、「日本の都市鉱山の埋蔵量は、金は世界の埋蔵量の約16%、銀は22%、他にもインジウムで61%、錫11%、タンタル10%で世界有数の資源国に匹敵する規模である。」という試算を発表しています。

電子回路などに使用されている貴金属は、個々の製品に含まれる量は僅かでも、それを集積することができれば大きな量になります。中でも、携帯電話はネオジウム、ジルコニウム、インシジウム、タンタル、リチウム、アンチモン、ガリウムなどが含まれていますのでレアメタルの宝庫です。

携帯電話に関しては、通信事業者や販売会社、製造メーカーが参加する「モバイル・リサイクル・ネットワーク」という組織が回収とリサイクルに取り組んでいますが、平成20年度の回収率は数値目標が30%で実績は35.5%ということです。

この数値を知ると、「リュース(抑制)、リデュース(再使用)、リサイクル(再資源化)」を徹底しなければいけないと改めて思いますね。
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