芝生広場の周辺には、鳥の糞から発芽したと思われるエノキの実生株がいくつか見られます。ここでは目的外の樹種なので、ある程度大きくなると伐採されてしまいます。このような伐採されたエノキから萌芽した若葉に、テングチョウの幼虫らしきものを1頭見かけました。注意してよく探したのですが、この1頭しか見つかりませんでした。
テングチョウの幼虫であることに充分な確信がもてなかったので、自宅で羽化させることにしました。6月26日、エノキの枝を取り替えようとしましたが、何度探しても幼虫が見つかりません。プラスチックのケースの中なので逃げるはずはなく、落ち着いて探そうと、この日はそのままにしておきました。翌27日、もう一度探すと、エノキの葉裏の葉脈(主脈)に腹端をつけて蛹化していました。7月1日の夕方には、蛹の内部に茶色の翅が透けて見え、翌2日の早朝には羽化して翅を伸ばしていました。やはり、テングチョウでした。結局、蛹化してから6~7日で羽化したことになります。
《萌芽したエノキの若葉を食べるテングチョウの幼虫 2014/06/19》
《大きくなって色も変わったように見えるテングチョウの終齢幼虫 2014/06/23》
《葉裏の葉脈(主脈)に腹端をつけて蛹化したテングチョウ 2014/06/27》
《羽化殻につかまり翅を伸ばす羽化直後のテングチョウ 2014/07/02》
《テングチョウの羽化殻 2014/07/02》