ニイニイゼミ、アブラゼミの鳴いている様子を紹介しましたので、3番手はツクツクボウシです。富山市の平野部で聞くことができるセミの鳴き声は、ほかにはヒグラシくらいです。(このセンターでも、数年前にはクマゼミの鳴き声を聞きましたが、それ以来、聞いていません。)
鳴いているツクツクボウシを写そうと、鳴き声のする方を探していると、低い位置でナツツバキの幹にとまって鳴いているツクツクボウシを見つけました。一通り鳴くと、同じ木の別の場所に移りまた一通り鳴きます。何度か鳴き移りをしたあと、別の木に飛んでいきました。
『森の合唱団ーセミの世界をたずねてー』では、ツクツクボウシが鳴くときの腹の動かし方について次のように説明されています。「……腹部をのばして動かす…腹を上下に動かす変化…それに前後の運動が加わって、非常に複雑な動きになります。…鳴いているときの姿勢…それほどふんばらず、鳴きながら歩きまわります。はねも…開きます…」
まとめると、ツクツクボウシは、鳴いているとき、翅を開いて腹部をのばし、腹を上下に動かし、前後の運動を加えて非常に複雑な動きをし、それほどふんばらずに鳴きながら歩きまわるようなのです。下の写真でも、鳴かずにとまっているアブラゼミは、翅を合わせて腹部がほとんど見えないのに対して、鳴いているアブラゼミは、翅を少し広げているため腹端まで腹部が見え、腹部を反らしていることがわかります。でも、写真では、鳴いている状態がうまく伝わりません。
《ナツツバキにとまって鳴いているツクツクボウシ 2016/08/04》
《ナツツバキにとまって鳴いているツクツクボウシ 2016/08/04》
《同じナツツバキに鳴き移り(その1)するツクツクボウシ 2016/08/04》
《同じナツツバキに鳴き移り(その2)するツクツクボウシ 2016/08/04》
《同じナツツバキに鳴き移り(その3)するツクツクボウシ 2016/08/04》
《クルミの枝で腹を反らして鳴くツクツクボウシ 2016/08/04》