ヒゲジイのアル中よもやま話

断酒を始めて早7年目。このブログは回復プロセスの記録と脳のリハビリを兼ねて綴っています。やはり、まだチョット変ですかネ?

断酒しぃ~てよかったぁ~♪(その1)

2014-09-22 08:51:04 | 病状
 高血圧、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)、喫煙。この4つを死の四重奏といいます。私はこれらすべてを備えています。狭心症にもなりました。私は運が悪いのでしょうか?

 アルコール依存症専門クリニックを初めて受診したとき、院長から断酒するよう通告されました。事務的な口調でした。朦朧としてドンヨリした頭でも断酒という言葉は衝撃的でした。とっさに頭に浮かんできたのは、節酒ではダメなのか(節酒が可能か)を訊ねてみることでした。でも、質問をこらえました。妻も同席しており、質問できるような雰囲気ではなかったのです。

 このクリニックではアルコール依存症患者を外来診療だけで治療することを一大看板として揚げています。それで当然のように毎日通院するように言われました。何よりも患者に正常な生活リズムを取り戻させることを治療の主眼に置いているのです。院長からはこうも言われました。

 「アルコール依存症にはビタミンB群欠乏症が必ず伴います。お酒で消化管がダメになっているのでビタミンB群の補給は点滴でするしかありません。経口のサプリメントなどでは全く効きません。生きる意欲がなくなっているようですが、ビタミンB群の点滴補給で必ず意欲を取り戻せます。毎日通院はあなたの努力次第ですが、この病気から必ず回復できますよ。」

 頭はボンヤリしたままでしたが、院長の言葉は経験に裏付けられ自信に満ちたものでした。正直、これでやっと救われるかもしれないと思いました。ずっと後になって、ビデオで院長のアルコール依存症についてのまとまった話を聞く機会がありました。初診の日に説明されたのはこのことだったんだと記憶のない部分が補われ、やっと合点がいきました。

 クリニックでは通常の診療よりもアルコール依存症の教育プログラムに重点を置いています。アルコール依存症患者のリハビリテーション施設の色合いが強いのです。相談員と呼ばれるソーシャルワーカーが教育プログラムを担当しています。教育プログラムではアルコール依存症に伴う様々な障害が講義されます。対人関係(社会的)障害、精神心理的(心の)障害、断酒後の回復期に見舞われる実生活上の障害など、身体的障害ばかりでないアルコール依存症の手に負えない側面が詳しく解説されます。

 教育プログラムを受講していくにつれ、アルコール依存症からの回復には断酒しかないことがしっかりと頭に叩きこまれ、完全に納得できるようになりました。納得できたのは1ヵ月ぐらい経ってからだったと思います。アルコール依存症には回復はあるものの、一生涯治癒がないことも認めざるを得ませんでした。再飲酒すれば元の木阿弥なのです。

 さて、日曜・祝日を除き毎日通院が始まりました。朝8時15分には家を出ることにしました。定年退職前の通勤が戻ってきたようで、すぐに快い生活リズムが蘇ってきました。診察を受けること、点滴を受けること、教育プログラムを受講すること、これらが一日の時間の過ごし方に一定の秩序とリズムをもたらしてくれました。決まった時間に起床・就寝し、決まった時間に3度の食事を摂り、決まった時間に入浴し、決まった時間にクリニックへ出かけるようになりました。部屋の中も布団を上げ、レジ袋を片付けゴミ屋敷状態にしないよう気を付けました。

 断酒11ヵ月後の今から振り返ってみると、これらの生活の秩序と規則正しいリズムが身体的にも精神的にも何よりも好ましい効果を発揮してくれたようです。このクリニックが毎日の外来通院と教育プログラムに重点をおいているのは、患者に生活の秩序と規則正しいリズムを植え付けるのが目的と後になって悟りました。


断酒後3ヵ月までの変化については・・・
断酒しぃ~てよかったぁ~♪(その2)につづく

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1 コメント

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読者の皆様へ (ヒゲジイ)
2015-04-06 06:56:02
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
ご参考までに、受診直後から受けた薬物療法をお知らせします。
・抗酒剤シアナマイド(お酒を飲むと死ぬかと思わせる症状が出て、飲酒欲求を踏み止めます)
・精神安定剤
・眠剤
・ビタミンB群の点滴
以上、最も標準的な簡単な治療でした。
やはり大切なのは、毎日の布団の上げ下げなど生活の秩序を維持することと、規則正しい生活リズムだと思います。
ありがとうございます。
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