ゴールデンウィークが明けて “五月病” が聞かれる時節になりました。入学や就職、異動、一人暮らしなど、4月から新しい環境に変わって5月になり、やる気があってもその環境に適応できずに “抑うつ状態” になることをこう言うそうです。
せっかく新しい環境に馴染み始めた時期なのに、ゴールデンウィークの長い休みで調子を狂わされたというのが一番の誘因ではないでしょうか。夏休みや春休みの後、乱れた生活リズムのまま長期欠席から不登校になるのとよく似ています。
“抑うつ状態” のときは、一人で引き籠もりになるのが一番危険です。精々、周りの人々が気を遣うべきは、何とか外に連れ出すよう色々工夫してみることではないでしょうか。また、本物の “うつ病” なら「がんばれ!」などとは決して言ってはいけないそうです。
今回は、『アルコールと “うつ” 症状』(2016.2.05投稿)から題材を二つ取ってみました。この記事では、私がアルコール浸りで “抑うつ状態” になっていた頃、経験した諸症状の詳細も具体的に述べてあります。
なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
***************************************************************
【事例49】
「単なる “抑うつ状態” とは、別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となることだそうです。本物の “うつ病” では、単なる “抑うつ状態” とは異なり、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に相当の時間的隔たりがあるのが普通だといいます。」
↓
「単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いは、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に時間的隔たりがあったか否かだと言います。別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となったのは単なる “抑うつ状態” で、本物の “うつ病” では両者の間に因果関係を問えないほどの時間的隔たりがあるのだそうです。」
この文章は、単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いを述べようとしている部分なのですが、各々の状態を順に述べているだけで工夫がありません。これではグダグダ遠回りしている印象が強く要領を得ません。
このように遠回りしがちな論調も、恐らく思考プロセス障害のせいではないかと私は考えています。この段落では先ず結論を述べる方が理解されやすいと思い、ご覧のように手直ししてみました。
【事例50】
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいで留めるべきだそうです。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
↓
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。
アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいに留めるべきだそうです。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
ひとつの段落では、内容を一つに絞ることが鉄則です。ここでは一つの段落内に、患者に対してやってはいけないことと、やるよう勧めるべきことの二つの内容が混在して述べられています。
先に、やってはいけないことを述べ、そこで段落を変えて次に、やるよう勧めるべき助言という内容の順にしてみました。
また、下線部のように助詞の使い方に混乱も見て取れます。以上を踏まえ手直ししてみました。いかがでしょうか?
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
因果関係を理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化
(おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
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せっかく新しい環境に馴染み始めた時期なのに、ゴールデンウィークの長い休みで調子を狂わされたというのが一番の誘因ではないでしょうか。夏休みや春休みの後、乱れた生活リズムのまま長期欠席から不登校になるのとよく似ています。
“抑うつ状態” のときは、一人で引き籠もりになるのが一番危険です。精々、周りの人々が気を遣うべきは、何とか外に連れ出すよう色々工夫してみることではないでしょうか。また、本物の “うつ病” なら「がんばれ!」などとは決して言ってはいけないそうです。
今回は、『アルコールと “うつ” 症状』(2016.2.05投稿)から題材を二つ取ってみました。この記事では、私がアルコール浸りで “抑うつ状態” になっていた頃、経験した諸症状の詳細も具体的に述べてあります。
なお、現在掲載中のものはいずれも手直しした後の改訂版です。
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【事例49】
「単なる “抑うつ状態” とは、別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となることだそうです。本物の “うつ病” では、単なる “抑うつ状態” とは異なり、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に相当の時間的隔たりがあるのが普通だといいます。」
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「単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いは、キッカケと思しき出来事と症状発現との間に時間的隔たりがあったか否かだと言います。別離や失敗、喪失などの心理的ストレスをキッカケに、その直後から落ち込んだ気分となったのは単なる “抑うつ状態” で、本物の “うつ病” では両者の間に因果関係を問えないほどの時間的隔たりがあるのだそうです。」
この文章は、単なる “抑うつ状態” と本物の “うつ病” との違いを述べようとしている部分なのですが、各々の状態を順に述べているだけで工夫がありません。これではグダグダ遠回りしている印象が強く要領を得ません。
このように遠回りしがちな論調も、恐らく思考プロセス障害のせいではないかと私は考えています。この段落では先ず結論を述べる方が理解されやすいと思い、ご覧のように手直ししてみました。
【事例50】
「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいで留めるべきだそうです。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
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「 最後に、“うつ” の人にどう向き合うべきかについてです。『がんばれ!』などと決して言ってはいけない、・・・(中略)・・・本人は精一杯頑張っている状態といいます。下手に励ますことは、一層追い詰めてしまうことになるのだそうです。・・・(中略)・・・実に難しい課題です。
アルコールが “うつ” の症状を悪化させるということには誰も異論がありません。ですから、せいぜい酒を断つように励まし、ゆっくり休むよう勧めるぐらいに留めるべきだそうです。耳寄りなのは、もしも患者に退屈そうな気配が見えてきたようなら、気持ちに余裕が出て来た兆し・・・(以下略)・・・。」
ひとつの段落では、内容を一つに絞ることが鉄則です。ここでは一つの段落内に、患者に対してやってはいけないことと、やるよう勧めるべきことの二つの内容が混在して述べられています。
先に、やってはいけないことを述べ、そこで段落を変えて次に、やるよう勧めるべき助言という内容の順にしてみました。
また、下線部のように助詞の使い方に混乱も見て取れます。以上を踏まえ手直ししてみました。いかがでしょうか?
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【急性離脱後症候群(PAWS)】
症状は、断酒開始後3~6ヵ月目で最も強くなり、6ヵ月~2年で回復する。
○ 思考プロセス障害(脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、
因果関係を理解できない)
○ 情動障害(情動の揺れ)
○ 記憶障害(短期記憶の障害)
○ 睡眠障害
○ 身体的協働性に問題
○ ストレス感受性に変化
(おそらく認知障害 “認知のゆがみ” に気づいた意味:筆者追記)
(アルコール依存症専門クリニック教育資料より)
その障害の一つ “思考プロセス障害” では、脳の働きにムラがある、頑なで諄(くど)い思考、因果関係を理解できないなどが知られています。
私の経験から言えば、次の3点に言い換えできるでしょうか。
● 脳が混乱して疲れやすく、よくストライキを起こすこと
● まとまった文章を書こうとすると、なかなか考えがまとまらないこと
● 使うべき助詞、所謂 “てにをは” の適切な使い方に迷うこと
さらにより具体的に挙げれば、“遠回りする思考”、“助詞の使い方の混乱”、“修飾語の語順の誤り”、“時制の混乱” などとなり、大概が “慣用的な言葉の使い方(言い回し)の失念” ということに要約できます。
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