Idle Moments/Grant Green
(Blue Note BST84154)
(Blue Note BST84154)
ジャズファンの方なら、一度は、いや何度となく耳にしておられ、各自がこのアルバムに対してご意見をお持ちの事と思います。グリーンのアルバムの中でも最も人気ある盤でしょうかねぇ。自分も最も好きな盤です。
なんといってもA-1タイトル曲の怪しいムードに尽きると思います。ピアソンのピアノにはじまり、ハッチャーソンがユニゾンで合わせてくる、さらにグリーンがユニゾンでかぶせる。そこへすかさずピアソンがオブリガートを付ける。そしてグリーン入魂のブルージーなソロがはじまります。グリーンのソロはシングルトーンを中心としたホーンライクなギタープレイが特徴と言いますが効果的にコード奏法が配され彼のベストパフォーマンスと言えると思います。ピアソンの”俺が作曲者だぞ!”と言わんばかりの自信に満ちたプレイも完璧です。そしてジョーヘンのサブトーンでせまる押さえたプレイが効果的です。続くハッチャーソンも出だしから甘いメタリックサウンドで前のジョーヘンのプレイの対極を行くようなソロを演じており最後のテーマにもどるという、トータルでの完成度も極めて高いテイクだと思います。他の演奏も悪くないですが、A-1のタイトル曲のみで十分、所有する価値があると思いますよ。
ジャズを聴き始めて初期に手に入れたアルバムで、初めて聞かせてもらったのは新潟のジャズフラッシュだったと思います。すぐに石丸電気に買いにいきました。当時は、国内盤は廃盤状態で、米盤の新品を購入したと思います。1680円でした。当然のブルーソリッドの♪レーベルです。