67camper's Blog

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巨匠の競演

2006-10-05 00:00:43 | jazz & vocal
Three Giants/Art Tatum・Benny Carter・Louis Bellson
(Verve MGV-8013)  

 グランツは本当にたくさんのジャズメンを傘下におさめ、いろいろな組み合わせでたくさんのレコーディングを行っています。グランツがどういう意図で種々の組み合わせを行ったのか、今となっては知る由もありませんが、今日すこし稀有とも感じられるメンバー構成でも確実にジャズの遺産として残り、我々を楽しませてくれます。本日アップのアルバムもそんな一枚だと思います。

 当時は、今ほど神格化されていなかったであろうアート・テイタムのピアノに、美しい太いアルトの音色のベニー・カーター(他にもテナー、クラリネット、トランペットでも有名ですよね)とアンダーレイテッドドラマーのルイ・ベルソンと言う変則トリオのアルバムです。変則に思われるのは、通常のフォーマットなら絶対いるべきベーシストがいないのです。ここではピアノ-アルト-ドラムの3人で何の違和感もないスィンギーなジャズが展開されていきます。A-1のMy Blue Heavenに始まりBlues In B Flat, そしてStreet of Dreamsと連なる演奏ではテイタムの華麗なピアノ、カーターの美しいアルトの音色を充分に楽しむ事が出来ます。B-1のS'Wondfulのカーターのソロ、それに続くテイタムのラグタイム風のソロも印象的ですね。こうやって聴いてみるとベニー・カーターと言うプレーヤーは本当に好不調の波が少なくどのアルバムでも美しいトーンで流麗なソロを聴かせてくれ、当時ジョニー・ホッジスと人気を2分したのもうなづけます。  

 Verveのクレフシリーズ、モノラル、トランぺッターレーベルです。カバーもトリオの顔写真のアップからなりますが、デザイン的には秀逸と言うわけでもないですが茶系トーンの好ましいカバーだろうと思います。