The High And The Mighty/Lionel Hampton Quintet
(Verve MGV-8228)
(Verve MGV-8228)
1957年ナット・ヘントフはライオネル・ハンプトンと言うアーチストについて、ジャズミュージシャンを集めたサマースクールでその印象を尋ねた事があるらしいのですが,そのときに聴かれた印象は”Vitality"と"Time"という言葉に集約されていたという論評を読んだ事があります。確かに言い得て妙と言う感じで,彼のプレイを聴くと,そのタイム感覚、スウィング感、次から次へと勢力的にアルバムを制作していく姿勢など何となくそう言った感じは伝わってきます。
このセッションもそんな感じを充分に味わえるアルバムの仕上がりです。メンバーは当時のOPのトリオ(OP, Ray Brown, Herb Ellis)にバディ・リッチと御大ハンプトンからなるクインテットです。このメンバーで悪い訳がないですよね。A-1のタイトル曲はハンプトン-OP-ブラウンのトリオ演奏で他はこの5重奏団からなります。A-2の"Sweethearts On Paradise"ではハンプトンの短いですが粋なボーカルも聴くことができますよ。Aラスの"But Beautiful", B-1の"Love Is Here To Stay"のバラードでのリラックスしたプレイも良いですが,B-2の"It's Only a Paper Moon"の十八番の唸りをいれたバイブソロはいつ聴いても気持ちがいいですね。同じようなテンポでダイナミックに弾くOPのピアノも素晴らしく,Bラスの"Date with Oscar"とともに強烈なスィング感が味わえます。
アルプスでしょうかそれともヒマラヤ?、美しい雪山の写真を使ったカバーも印象的で,当時の登山スタイルが垣間見えます。Verveのクレフシリーズ,トランペッターロゴのモノラル盤です。ハンプトン,やっぱりいいや!