Hey Baby!/The Jazz Brothers
(Riverside RLP371)
「フィール・ソー・グッド」(A&M)で優しいフリューゲルホーンを聴かせ爆発的ヒットを飛ばしたチャック・マンジョーネは60年代初頭,兄のピアニスト、ギャップ・マンジョーネと組んでジャズブラザーズの名でリバーサイドに3枚の録音を行いました。さらにチャック自身リーダーアルバムを傍系ジャズランドにも録音しています。
本日アップのアルバムはこのジャズブラザーズのリバーサイド第2弾で61年の録音です。60年代中期には,JMのトランぺッターでもあったチャックはフュージョン時代からは想像もつかないハードバッププレイを聴かせます。彼に最も影響を与えたトランぺッターはディジーであったと言います。
マンジョーネ家を訪れたディジーが専売特許ともいうべき“アップ・ドゥ”(ベルが45度上向きに曲がったトランペット)をプレゼントしたと言う事実を"The Brothers"の日本語ライナーで上條直之氏は指摘していますが,裏カバーをみるとこの“アップ・ドゥ”を吹くチャックの姿が捉えられており当時の彼の愛器であったコトが見て取れます。メンバーはチャックとギャップのマンジョーネ兄弟に、R&Bバンド出身のテナー奏者Sal Nistico, ベースにコルトレーンとの共演でも知られるSteve Davis, ドラムはRoy McCurdyという五重奏団です。A-1のタイトル曲はチャックのオリジナル,A面には"Bag's Groove"と"The Night Has A Thousand Eyes"の2つのスタンダードがB面はサルとチャックのオリジナルが各1曲と"Just You, Just Me"と"Old Folks"のスタンダードが配されバランスのとれた選曲です。やや線が細いですが、鋭い突っ込みを見せるチャックの若々しいトランペットとたくましいトーンのサルのテナーが全編にフィーチャーされています。
マイクアンドリールのホワイトリバーサイドレーベルで、記載はないのですが、プレビュー盤でしょうかねぇ?以外と掘り出しモノのアルバムと思います。