インプット系の講義では、当然重要度に応じたページ配分、説明配分を行います。しかし、この「重要度」と言うのは2つあり、一つは、学問的な意味での重要度。もう一つは、論文試験との兼ね合いでの重要度です。
「学問的には重要でも、論文では出ないだろう」、という箇所は意外にあります。例えば、財産権の箇所で出てくる、国家補償の谷間の問題も、実務的・学問的には重要なのでしょうが、論文試験に出る素材ではありません。投票価値の平等もそうでしょう(短答の判例問題としてはメジャー)。民訴の文書提出命令の要件論あたりもそうです。これらは、事例としてのアレンジが効かないので、出題した場合に単なる知識問題になってしまうため、短答向きではあっても論文向きではありません。分かりやすく言えば、「Aランクだけど論文との兼ね合いではCランク」、と言う感じになります。にもかかわらず、ベターっと講義をすると受験生には負担にしかなりません。
4期の講義・テキストは、メリハリ付けをするという意味で(受験生の負担の軽減になる)、「論文におけるランク付け」を主たる基準として講義を構成しています。もちろん、「学問的ランク付け」も指摘していますし、説明もしていますが、あくまでも「従たる基準」として考えています。一般的にはこれらは短答プロパーではエース級の扱いになりますね。
30分単位でスピーディーに講義していますので、細切れ時間もうまく活用できると思います。