越智麗川氏「鎮魂」
「あゝ 長く悲しい夢をみているようだ
大切な人々を亡くした慟哭の街
心の闇は深く暗いけれど生かされていることの有難さを思う」
昨日21日まで開催されていた第20回書展 グループ墨花にお邪魔して。
いつどの作品を拝見しても、やっぱりいいなぁ・・と心に響く越智氏の作品。
やわらかい印象の淡墨で書かれているのに、特にまわりに書かれた文字の
独特の線と造形からは、悼みとそれを乗り越えようとする強さのようなものを感じ
文字を書いているのに、何て言うか・・それはただの文字ではなく、
そこに作家の強い思いが滲み出ている「生身の作品」という印象を受けたなり
そして、こちらは屏風作品の「王鐸 唐詩六首手巻」
右は作品のアップ画像。
半切額作品の良寛の作品で有名な句「天上大風」 これも好き
そして、今回が20回展とのことで「二十歩」
一二三四・・・二十。
まだまだこれからも続くという意味で、最後の二十を書かれたそう。
単純な直線ばかりなのに、なんともドラマチック。
越智氏はこの他に「慟哭」と案内はがきにもあった「願」の計6点。
「慟哭」はうまく撮影できてなくて、残念ながら・・。
そして、こちらは守谷秀翠氏。
「しばらくは滝に籠もるや夏の始」
福嶋翡舟氏の「単刀直入」
毎年楽しみなのが、この根付の作家さんでもいらっしゃる向田湖蝶氏。
左のルーペで見るほどの極小の左はうさぎ、右は亀の印と、右はその拡大画像。
その向田さんの書は、細かい仕事の根付とは正反対のような
どこかつきぬけた生命力のようなものと、大らかで飄々としたものを感じるなり。
↑は「天地人」と、↓は「座って半畳 寝て一畳」
山頭火?と思ったら、自作とのこと。
絵も楽しくてつい、何度も声に出して読んでしまう
今回は、合計34点と、賛助出品として城所湖舟先生の作品、計35点。
3日間で500名を超える方がいらしたそうで、大盛会だったそうです。
今年は12月に、新潟市で『書TEN 2012』が開催予定、
そろそろ作品制作を意識して、日々過ごさねば
書って・・? 自分が書きたいものって・・?とかとか、改めて。
でもね、つべこべ考え過ぎずに、そのまんまの自分を表現できたらと
越智さま 今年も益々、直球で心に響く作品を拝見できて、
たくさん刺激や反省を頂きました。ありがとうございました
ということで、昨年の模様はこちらから