「FY16も埼玉県立近代美術館の展示は絶好調 (前編)」のつづきは、当然ながら埼玉県立近代美術館(MOMAS)で開催中の企画展「ジャック=アンリ・ラルティーグ 幸せの瞬間をつかまえて」のお話です。
私が初めてラルティーグという写真家を知ったのは、2008年末に千葉市美術館で開催された「国立美術館所蔵による 20世紀の写真」で観たこの作品でした。
「20世紀の写真」展のフライヤーにも使われたこの作品(Automobile Delage, grand prix de I'A.C.F., Le Tréport, 26 juin 1912)、なんてカッコイイ写真なんだろうか と感服いたしました。
傑作ぞろいの「20世紀の写真」展の中でもひときわ光を放っていたのが、ジャック=アンリ・ラルティーグのこの作品でした。
ちなみに、私が、当時は休日にしか乗っていなかった愛車を運転して、はるばるま千葉で出かけたのは、「20世紀の写真」展が一番のお目当てだったわけではありませんで、2008年12月13日に幕張で開催された「THE TOUR OF MISIA DISCOTHEQUE ASIA」の(アリーナツアーの)公開ゲネプロに出かけるついででございました
さて、こんな出会いのきっかけになったこの作品、ラルティーグの代表作の一つとして、「ジャック=アンリ・ラルティーグ 幸せの瞬間をつかまえて」展でも展示されていました。
それはいいとして、驚いたのは、ラルティーグの生年月日と、「Automobile Delage, grand prix de I'A.C.F., Le Tréport, 26 juin 1912」が撮影された日、「1912年6月26日」との関係でした。
ラルティーグが生まれたのは1894年6月13日ですから、引き算をすれば、ラルティーグが18歳になったばかりの頃に撮ったことになります
なんと早熟
と驚きますが、ラルティーグの「写真家」としてのキャリアは18歳の時点でも短くなくて、父親から「15cm×18cm 木製カメラ」を買ってもらって、写真を撮影して、現像までするようになったのは8歳の時だというのですから、驚きです。
落語の「雛鍔」の一節を借用すれば、「御八歳」ですぞ
右の写真は、1903年、ラルティーグが8~9歳の頃のもの(撮影者はラルティーグのパパ)ですが、最前列で、その木製カメラを大事そうに抱えてニコニコしているラルティーグがかわいいですなぁ~。
もう、カメラが大好きで大好きで という感じが伝わってくる笑顔です。
いい写真だなぁ~
この記事の完結は次になるのですが、とり急ぎ、印象的だったこちらの写真を載せておきましょう。
地上でアイドリングしている飛行機の右側に立っているジスー(ラルティーグのお兄さん)の姿を撮った写真(1911年)だそうですが、この写真を観て連想したのが、こちら。
MISIA「Escape」のジャケ写であります。
「MISIA星空のラジオ」の時間が近づいていることでもありますので、今夜はここまで。