asahi.comの記事【名護市長選、稲嶺氏が再選確実 辺野古移設に反対】(http://www.asahi.com/articles/ASG1M52SPG1MTIPE01Q.html?iref=com_top6_01)、
nikkansports.comの記事【名護市長選出口調査、辺野古反対65.4%】(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20140119-1246288.html)、
gendai.netの記事【名護市長選で圧勝「辺野古移転」封じる稲嶺市長の“秘策】(http://gendai.net/articles/view/news/147386/2)。
「米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、65・4%が「反対」「どちらかといえば反対」と答え、市民の間に批判が根強いことが浮き彫りになった。積極的な「賛成」は13・3%にとどまった」のに、自公政権の下、地元の同意なしに県や国はどうするつもりなのか? 稲嶺進市長は、そんな圧力に負けないでほしい。なんとか名護市民の民意を守ってほしい。
『●2010年11月の沖縄知事選の選択はやはり誤りだった
~そうさせた「本土」の重い責任~』
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【http://www.asahi.com/articles/ASG1M52SPG1MTIPE01Q.html?iref=com_top6_01】
名護市長選、稲嶺氏が再選確実 辺野古移設に反対
2014年1月19日21時40分
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設計画への賛否が最大の争点となった沖縄県名護市長選は19日、投開票され、同市辺野古への移設に反対する現職の稲嶺進氏(68)が、移設推進を掲げた新顔の前自民県議、末松文信(ぶんしん)氏(65)=いずれも無所属=を破り、再選を確実にした。安倍政権は移設方針を堅持する考えだが、反対派の勝利で道のりは険しくなった。
当日有権者数は4万6582人。投票率は76・71%(前回76・96%)だった。
安倍政権は、反対派の現職が再選する選挙結果に関わらず、辺野古への移設計画を進める方針だ。沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事が昨年末に移設先の埋め立てを承認したため、ただちに移設手続きの頓挫につながることはない、と判断しているからだ。菅義偉官房長官は14日の記者会見で「知事が埋め立ての判断を下し、決定している」と述べ、選挙結果と移設作業を切り離して考える方針を示している。
ただ選挙結果は、振興予算などで基地の受け入れを迫った政権に明確な反対を突きつけたことを意味する。今後の移設作業が遅れる可能性もある。
移設の工期は全体で9年余りの予定で、防衛省は今年度内にも着工に向けた事前調査を始める。工事が本格化すれば、辺野古漁港に資材を置くための「作業ヤード」建設や近くの河川の護岸工事などをめぐり、市長権限が関わる側面も出てくる。工事に協力しないと公言する稲嶺氏の対応次第では、移設作業が滞るとの指摘もある。
また政権内には、反対派が工事に抵抗した場合の警備を懸念する声もある。移設に向けた作業が混乱すれば、日米関係に影響しかねない。
名護市長選は、移設先に同市が浮上した1996年以降5度目で、初めて推進・反対を明確に主張する2氏の争いとなった。
稲嶺氏は「未来の子どもたちを守るために新しい基地は造らせない」と強調。港湾や河川の管理権など移設工事に関わる市の権限があるとして、「市長の許可、同意がなければ手続きは進まない」と強調した。埋め立てを承認した仲井真知事を「観光立県を打ち出しながら、自然を潰そうとしている」と批判。安倍政権や自民党が示した振興策も「札束で県民の心を買う手法は間違い」と訴えた。
移設推進を訴えた末松氏は、国の振興策や交付金の活用を強調。自民党の石破茂幹事長や仲井真氏が応援に入ったが及ばなかった。移設推進を掲げて立候補を表明した前市長との一本化に時間がかかったうえ、公明党が事実上の自主投票になったことも響いた。
自民党幹部は19日夜、「知事の承認時期が年末ギリギリになり、知事の意向が市民に浸透しなかった」と敗因を分析。公明党の斉藤鉄夫選対委員長は19日夜、朝日新聞の取材に「結果は民意として厳粛に受け止めたい」と語った。
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【http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20140119-1246288.html】
名護市長選出口調査、辺野古反対65.4%
沖縄県名護市長選で共同通信社が19日に実施した出口調査によると、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、65・4%が「反対」「どちらかといえば反対」と答え、市民の間に批判が根強いことが浮き彫りになった。積極的な「賛成」は13・3%にとどまった。
移設に「反対」「どちらかといえば反対」のうち、91・5%が現職の稲嶺進氏に投票した。移設を容認する新人の末松文信氏は「賛成」「どちらかといえば賛成」から91・3%の支持を得た。移設への賛否が、候補者を選ぶ重要な判断材料となっていた。
政府による振興策に関しては「期待しない」「どちらかといえば期待しない」が52・7%に上った。振興策で名護市民から理解を得ようとする政府の思惑への拒否感がうかがえた。
稲嶺氏は年齢別で30代の76・5%を筆頭に、全世代で6割超の幅広い支持を獲得。男女別では女性の71・9%が稲嶺氏に投票した。
調査は名護市内の12投票所で実施し、投票を終えた有権者1204人から回答を得た。(共同)
[2014年1月19日23時31分]
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【http://gendai.net/articles/view/news/147386】
名護市長選で圧勝 「辺野古移転」封じる稲嶺市長の“秘策”
2014年1月21日 掲載
辺野古移転反対の稲嶺進市長が圧勝した名護市長選。これで埋め立ては頓挫かと思いきや、菅官房長官は「仲井真知事からは承認を頂いている。支障は生じない。法的手続きに基づいて、淡々と移設を進める」と言い切った。ならば、市長はどうする? 基地移転絶対阻止の覚悟と具体的戦略をこう話した。
まず、稲嶺に聞きたいのは、具体的にどうやって、政府の埋め立てを阻止するかだ。民意を無視するなんて、朝飯前の安倍政権は21日、辺野古への基地移転を前提に代替施設の設計などの受注を募る入札公告を出す。どんどん勝手にコトを進める腹だ。それに対して、稲嶺はこう言った。
「これから調査であったり、工事の手続きであったり、いろいろ出てくる
と思います。その中で、ひとつひとつ対応していくことになってくると思います。
一番、建設予定地に近い辺野古などの漁港は、名護市長の管理下に
あります。そこを利用して調査をする場合には、市の許可や同意を得る
必要がある。その場合には、市長の権限を行使していくことになると思います」
確かに、埋め立てを進めるための調査、資材置き場などで市の協力が必要になる場面はたくさん出てくる。しかし、稲嶺は埋め立てを前提にした話し合いには一切、応じない腹だ。
市の協力が得られなければ、工事はできない。埋め立ては阻止できるという論法なのだが、そこは安倍官邸もシタタカだ。イザとなれば、法律を改正しても、市長の抵抗を排除しようとするだろう。その場合、どうするのか。
「日本は民主主義国家です。これだけの反対の意見があるのを無視して、
強硬に進めるというのは、地方自治の侵害、名護市民の人権にもかかわる。
これから、移設計画がスムーズにいくとは思いません」
さらに稲嶺には秘策があった。米国の協力を取り付ける気だ。米国は基本的に地元の反対を押し切ってまで、基地を移転する気はない。そこを稲嶺は突くという。日刊ゲンダイ本紙が「米国に行って訴えるつもりはあるか」と聞くと、こう答えた。
「以前にもアメリカに行きました。議員にお会いをしたのですが、辺野古の
移設について(沖縄の実情を)知らない人が多かった。日本政府は
アメリカの方にきちんとした情報を提供していないのです。だから、私が行って、
直接、民意を伝える。話をすることで、理解者が増えると思いますので、
機会があれば、ぜひ、アメリカに行きたいと思います」
なにしろ、稲嶺には2万票の民意がある。4000票差で辺野古埋め立て賛成派を蹴散らした実績がある。これが武器だ。
「1996年の返還合意以来、市長選が行われてきましたが、今回ほど争点が
はっきりした選挙はなかったと思います。自民党や政府からの強い圧力で、
県出身の自民党国会議員や自民党県連が県外の公約を翻して、
辺野古へということになった。そして、埋め立てを承認した知事の
『いい正月が迎えられる』という発言もありました。さらに新しく計画されている
V字滑走路案は100年以上使用可能だということがうたわれています。
沖縄は68年間、基地の負担、重圧によって、人権を否定されるようなことが
続いてきた。それが、あと100年も続くことになると、子や孫に顔向けが
出来ないのではないか。そういうことが市民、有権者の判断の大きなポイント
だったのではないかと思います。4000票差についても、国の進め方、
権力による恫喝への反発として表れてきた結果ではないかと思います。
辺野古の海にも陸にも基地を造らせない。その信念をしっかり
貫いていく覚悟であります」
さあ、安倍政権はそれでも埋め立てを強行できるのか。やれるものならやってみろで強行すれば、本当に流血の事態になる。その瞬間、米国も「安倍には任せておけない」ことを思い知ることになる。
(取材協力・横田一)
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