gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/140710)。
文楽の時もそうですけど、こういう元〝ト〟知事を大阪市民の人たちは本当に支持しているのでしょうか? 衆院選でもそうですが、投票している人たちは支持してるんでしょうね、きっと・・・・・・、私には理解できませんけれども。こういう好き嫌いのみで判断し、物言いし、独断するるところ、私はどうも「好き」にはなれないですね・・・。氏を「大好き」な大阪市民の人たちの気持ちは分からないですが、「変な」スローガンを「職員に向け・・・毎日流し」たり「気に食わない文化を潰す」氏を日刊ゲンダイが“ヒトラー”と呼ぶ気持ちは分かります。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/140710】
今度は島倉千代子にケチ 橋下ヒトラーと同じ精神構造
2013年1月30日掲載
気に食わない文化を潰す
連日、テレビで持論を展開している大阪の橋下徹市長(43)。市立桜宮高校の問題では入試制度を改め、一部から評価を受けたが、その裏でえげつないことをやっていた。市庁舎の音楽にケチをつけ、放送中止に追い込んだのだ。
大阪市庁舎では1964年から、昼休みの合図として島倉千代子の歌「小鳥が来る街」を庁内放送している。これは同市が「大阪市緑化100年運動」を始めるに際してレコード会社からの申し出を受けて制作したもの。いわばオリジナル曲だ。
その曲について橋下が自身のツイッターに「市役所は、お昼になると変な音楽が庁舎内に流れます」と書き込み、今月18日をもって使用を取りやめた。その後、橋下は「変な」という表現を撤回したが、曲をチャイムに替えたうえに、職員に向けたスローガンを毎日流している。「職員一人一人が何をすべきか、何ができるか、自分自身で考え行動し、組織力アップに励みましょう」といった内容だ。
気に食わない文化は排除してしまえ、という態度は「人形劇なのに(人形遣いの)顔が見えるのは腑(ふ)に落ちない」と文楽の補助金カットを言い張ったときと同じ。これぞまさしく「ハシズム」である。
音楽評論家の伊藤強氏が言う。
「ひどい話です。音楽の良しあしは人それぞれの感性で決まるもの。
それをトップが自分の好悪で追放するとはあきれてしまいます。
大好きなワーグナーしか音楽として認めなかったヒトラーと同じ行為。
太平洋戦争では、軍部などが歌謡曲を“軟弱だ”と排除して軍歌を
押し付けた。あの時代を思い浮かべてしまいます」
音楽や文楽は人に癒やしや安らぎを与える重要な文化だ。橋下はそれを平然と破壊している。
社会学者で作家の岳真也氏が言う。
「ほかの自治体の保守的な首長がマネをするのではないかと心配です。
音楽をやめてスローガンを流すのを市民がズルズルと認めてしまえば、
為政者のやりたい放題になる。G・オーウェルの『1984年』
みたいな暗黒社会です」
政界では安倍の右翼政権が誕生。大阪ではハシストが暗躍。時代はますます危うくなってきた。
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CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/022184.html)とasahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20130204.html)。
「原子力規制委員会の「活断層認定」が御用学者に骨抜きにされる」と同時に、「断層直上の定義」や「断層からのズレの許容値」、そういったことに議論を落とし込んでいくつもりだろう。さらに「計算」や「調査継続」といった時間稼ぎと忘却待ち。「利益相反」もあるようだ。原子力ムラ住人に〝議論〟をリードさせ、評価させ、判断させている現状に、どうしようもない絶望を感じる。
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【http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-January/022184.html】
[CML 022348] 【紹介】週刊誌でも規制委の「利益相反」批判記事
杉原浩司(Koji Sugihara) ・・・・・・
2013年 1月 27日 (日) 23:47:34 JST
東京の杉原浩司(福島原発事故緊急会議/緑の党 Greens Japan)です。
連投すみません。[転送・転載歓迎/重複失礼]
もうご覧になった方もあるかと思いますが、発売中の★『週刊金曜日』(1/25号)の冒頭「金曜アンテナ」欄に「規制委検討チーム、電力会社などから4500万円受け取る 4人のメンバー解任を要請」と題して、「原子力規制を監視する市民の会」が1月18日に行った要請行動を写真付き記事にしていただいています。要請内容もコンパクトにまとめてありますので、よろしければご覧ください。
ちなみに、原子力規制委広聴広報課の佐藤暁課長による「電力会社などから寄付金をもらっていても、委員一人ひとりの意見を聞いて、最終的に委員会がとりまとめるので中立性を担保できると考えている」との珍回答も紹介されています。
ちょうど発売日が毎日夕刊「特集ワイド」の利益相反についての記事掲載( http://mainichi.jp/feature/news/20130125dde012010003000c.html )とタイミングよく重なりました。
また、これも発売中の★『週刊プレイボーイ』(2/4、No.5号)には、ルポライターの明石昇二郎さんによる<原発直下の活断層審査が骨抜きにされる!~前編>「自民政権復活で『原発世論操作』が息を吹き返した!?」が4ページにわたり掲載されています。ウェブ版にも一部が載っています。
週プレNews(1/22)
◆原子力規制委員会の「活断層認定」が御用学者に骨抜きにされる(明石昇二郎)
http://wpb.shueisha.co.jp/2013/01/22/16713/
ウェブ版の内容は本誌では前半に掲載され、後半には遠田晋次・東北大学教授(電力中央研究所OB)へのインタビューが詳しく載っています。以下は彼の発言の抜粋です。
「とにかく問題なのは、極端すぎる活断層変動地形の評価が
すべてを決めているということ。その点、保安院での評価は
健全だったと思いますよ」
「1mずれるのでは完全にアウトだと思いますけど、
10cmまでなら許容範囲だとか」
遠田教授は、工学的なシミュレーションによって地震による「ずれ」は予測可能だとして、たとえ原発敷地内に活断層が見つかっても、建屋以外の施設の真下にあり、ずれ予測が小さければ運転継続(や再稼働)は可能だと言うのです。
最後に、「地震・津波に関わる新安全設計基準検討チーム」会合(12/7)における谷和夫・防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センター研究員(電力中央研究所OB)の
「それ(破砕帯)が地表にどういうような影響を及ぼして、
それが施設に対してどういう影響があるのかということを
きちんと計算をして、照査をして、アウトかどうかを審査しましょう」
との発言が紹介されています。遠田教授とまったく同質のトンデモ理論です。新たな「安全神話」のねつ造とも言うべきこうした主張をまかり通らせるわけにはいきません。
1月29日(火)に原子力規制委で行われる「地震・津波に関わる新安全設計基準検討チーム」の第8回会合の行方が注目されるゆえんです。
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_taishinkijyun/data/0008_00.pdf
※なお『週刊プレイボーイ』の明石昇二郎さんの記事続編は、28日(月)発売号に掲載予定です。ぜひ、ご注目ください。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20130204.html】
2013年2月4日(月)付
日本原電―廃炉の道筋考えるとき
敦賀原発2号機(福井県)の真下を通る断層について「活断層の可能性が高い」とする報告書案を、原子力規制委員会の専門家会合がまとめた。
敦賀原発を所有する日本原子力発電は強く反発している。他の電力会社からも「委員の専門分野が偏っている」といった批判がある。
このため規制委は、別の専門家にも意見を聞いたうえで最終判断することにした。
議論を尽くすこと自体に異論はない。ただ、敦賀2号機の断層は、専門分野を問わず委員の見方が一致している。新たなデータが出てこない限り、結論は変わるまい。
そもそも、安全性に疑いがある原発は予防的な観点から動かさないことが、福島事故を踏まえた大方針のはずである。いたずらに決定をひきのばすだけの抗議なら、認められない。
報告書案が正式に認められれば、原電は廃炉を迫られる。猛反発するのは、それが経営問題に直結するからだ。
原電は電力各社が共同で設立した。ほかに休止中の原発が2基あるが、すでに運転期間が40年を超えていたり、地元が反対していたりして、再稼働のめどが立たない。
敦賀2号機が廃炉となれば、収入源が途絶える。会計上の処理次第では、債務超過になるとの試算もある。
従業員や地元の雇用・財政に与える影響はできるだけ避けたい。原電には廃炉作業中の原発も1基ある。使用済み燃料棒を含め、保守・保管がおろそかになってはならない。
東京電力や関西電力が、原電からの電力供給が止まっているのに、契約の関係から維持費相当分を原電に払い続け、電気料金に転嫁している問題もある。これも看過できない。
全国には活断層の可能性が指摘される原発が複数ある。新たな基準や知見に基づき、廃炉を余儀なくされる原発はまだ出るだろう。
一度は国が運転を認めた原発だ。政府は傍観せず、課題を整理し、必要なコストをだれがどう負担するかを含めて、早急に対策を講じるときだ。
そんなさなか、規制委の事務局である原子力規制庁の審議官が、敦賀原発の報告書案を公表前に原電に渡していたことが発覚した。あまりに緊張感に欠ける行為で、あきれるしかない。
法律でどんなに独立性・中立性をうたい、専門家たちが信頼回復へと踏ん張っても、無自覚な官僚の一つの行動がすべてを崩す。猛省を求めたい。
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『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)、「水俣を歩いた原田正純さんの世界」についてのつぶやきから、AS@ActSludge。
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■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号) / 今到着。「水俣を歩いた原田正純さんの世界」。表紙は坂本龍一教授。「坂本龍一と鈴木邦夫が語る 左右を超えた脱原発、そして君が代」。「教育再生実行会議メンバーからの適金も 塾業界と癒着する下村大臣」、教育関連企業から多額献金
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号) / 「「尖閣購入」意見広告で日本語原文にない文章が・軍事同盟を重視する東京都」、前回の矢崎泰久さんの言葉が思い出される(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/14c7b110963a2c791fd67573b7d8834f)。「原子力規制委に市民団体が緊急要請 「名雪審議官事件」の調査を」
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)/「『週刊朝日』問題で佐野氏が講演 「橋下氏をタブーにはしない」」、「佐野氏は自らの記事で差別を助長したことについて詫び・・・」。「2020年まで完成しない八ッ場ダム 猪瀬知事「答えない」」。IWA世界会議を東京でやっても意味ないょ
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)/田中優子さん「風速計 新しい芽を育てる役割」、「グローバル化が何をもたらしたか・・。新しい社会の芽を支え、助けるのはメディアの重要な役割・・」。「大藤理子の政治時評 「対テロ」を自衛隊法の改正に使う意図が見える安倍ちゃん「美談」に騙されちゃダメです・・」
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号) / 「大塚将司の経済私考 ストライキも打てない連合“労働貴族”たち 今春闘で賃上げできなければ総退陣すべき」、先日、“労働貴族”塩路氏天皇(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%CF%AB%C6%AF%B5%AE%C2%B2)が亡くなった・・・
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)/高遠菜穂子さん「イラク戦争開戦10年レポート 軍が市民に発砲、死傷者が出る惨事に」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%B1%F3%BA%DA%CA%E6%BB%D2)。古川琢也氏「アルバイトで生活費かせぐ派遣教員 私学に広がる教員派遣と偽装請負」、あ~っ、派遣教員・・・
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)/原田さんについての栗原彬×佐高信対談「「やむを得ない」とは言えない立ち位置と目の位置」。畠山理仁氏「園田前監督の暴行事件で東京都の五輪招致に吹く逆風 影響ないと言い張る猪瀬知事の鈍感力」、今更五輪招致(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B8%DE%CE%D8%BE%B7%C3%D7)?
■『週刊金曜日』(2013年2月8日、930号)/浅野健一さん「犠牲者遺族の了解を得たのか アルジェリア事件」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C6%BF%CC%BE%CA%F3%C6%BB)。田島泰彦氏「改憲案相次ぎ提起! 憲法21条改変は表現の自由の死」。「金曜日から」に外せない二本『死刑弁護人』『ニッポンの嘘』
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111201001653.html)と社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012122502000134.html)。CMLに出ていたリンク先の前田朗さんのブログより(http://maeda-akira.blogspot.jp/2013/01/blog-post_8.html)。また、asahi.com(http://www.asahi.com/paper/editorial20130206.html)と東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020802000123.html)。
飯塚事件の久間三千年さんは、冤罪であるにもかかわらず、死刑を執行された。これは、被害者の遺族に対する、何と表現して良いのかわからないが・・・・・・遺族の方たちも複雑な感情を抱いてしまうはずだ。
どんな背景や力学が働いたのかはそれぞれの事件によって異なるが、布川事件や氷見事件、東電OL殺害事件、志布志事件、村木厚子氏冤罪事件、足利事件・・・・・・、せめて賠償で報いる以外に方法が無いのではないか。しかし、その扉は当方もなく厚い。
もちろん、徹底した冤罪の原因解明と再発防止も。「警察は、なぜ捜査を誤ったのか。検察は、なぜ捜査・公判で誤りを正せなかったのか。裁判所は、なぜ「疑わしきは罰せず」の鉄則を忘れて警察や検察に追随したのか」。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012111201001653.html】
布川事件で国家賠償請求 再審無罪の桜井さん
2012年11月12日 13時58分
1967年に茨城県利根町で男性が殺害された布川事件で、再審無罪が確定した桜井昌司さん(65)が12日、当時の捜査や公判活動で捜査当局に不法行為があったとして、国と茨城県に約1億9千万円の賠償を求める国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。
桜井さんは、冤罪が生まれた原因や責任の所在を明らかにし、取り調べの全面可視化や証拠開示を求めていく方針。刑事司法や捜査当局の改革も訴えていく。
桜井さんと杉山卓男さん(66)は強盗殺人罪などに問われ、78年に最高裁で無期懲役が確定。2010年7月に再審公判が始まり、昨年5月、水戸地裁土浦支部が無罪を言い渡した。
(共同)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012122502000134.html】
【社説】
新しい刑事司法 冤罪防止を最優先に
2012年12月25日
法制審議会の特別部会は、新時代の刑事司法制度について、年明けから中間取りまとめに入る。取り調べの可視化や全面的な証拠開示などは必須である。冤罪(えんざい)防止の観点を最優先に考えるべきだ。
「再審無罪」が相次いで起きているのは、現在の刑事司法制度が深刻な“病根”を抱えているからに他ならない。 二〇一〇年の足利事件、一一年の布川事件、今年の東京電力の女性社員殺害事件…。三年連続で無期懲役が確定した人が、やり直しの裁判で「無罪」となった。
現代社会で冤罪事件がなくならないのは、重大事態だ。
“病根”の在りかは、再審裁判の過程などではっきりしている。長時間にわたる密室の取り調べで、捜査員が自白を強要したり、自白をしない限り、身柄を拘束し続ける「人質司法」の捜査手法がまかり通っているからだ。
裁判で検察側が被告に有利な証拠を隠したりする、現行の証拠開示の在り方にも大きな問題が潜む。とくに布川事件や東電女性殺害事件で、それがはっきりした。
後者の場合は、被害者の体内に残っていた精液や爪にあった付着物をDNA型鑑定したところ、被告とは別人のものだと判明した。検察は裁判所に促されても「鑑定書はない」などと不誠実な姿勢だったのは非難に値する。
税金を使って、大勢の捜査員を動員し、集めた膨大な証拠は、すべて開示すべきである。全証拠リストも必要で、弁護側はそれを手掛かりに、無罪を訴える被告に有利な証拠を発見しやすくなる。
取り調べの全面的な録画録音(可視化)は、待ったなしに導入すべきである。しかも、逮捕時からの録画ではなくて、任意で取り調べている段階からの可視化が必要だ。捜査員が自白を強いるのは、任意段階にも起きるからだ。
四人が誤認逮捕されたパソコンの遠隔操作事件では、警察庁などが「自白の誘導や強要はなかった」とする検証結果を公表した。だが、誤認逮捕された少年は「否認したら、少年院に入ると言われた」などと説明したという。こうした水掛け論にしないためにも、可視化は不可欠なのだ。
米国の刑事裁判は、一審が無罪なら検察官は上訴できない。「疑わしきは被告人の利益に」の大原則を徹底するためにも、日本でも導入の可否を真剣に検討してはどうか。「新時代」の名にふさわしい大胆な改革を求める。
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【http://maeda-akira.blogspot.jp/2013/01/blog-post_8.html】
火曜日, 1月 08, 0025
「下からの司法改革」えん罪原因調査第三者機関設置運動
日弁連えん罪原因究明第三者機関WG編著
『えん罪原因を調査せよ――国会に第三者機関の設置を』
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b103234.html
9月に出た本を今頃ようやく読んだ。
<誤判もえん罪も昔の話ではない。警察は、なぜ捜査を誤ったのか。検察は、なぜ捜査・公判で誤りを正せなかったのか。裁判所は、なぜ「疑わしきは罰せず」の鉄則を忘れて警察や検察に追随したのか。もはや裁判所を聖域にしてはおけない。問題に正面から向き合い、えん罪原因を究明する独立した第三者機関の必要性を多面的に訴える。>
志布志事件、足利事件、東電OL事件などあいつぐ冤罪、大阪地検特捜部の証拠改竄事件などで、日本の捜査の在り方がひどいことが一般の人にも理解され始めた。冤罪原因の検証は日本ではまったく行われてこなかった。東京地検や最高検がおざなりの調査をしただけである。これではダメということで、福島原発事故と同様に、国会に冤罪原因究明の機関を設置しようという運動と理論の書である。
著者はみな知り合いなので推奨するのも気が引けるが、重要な本だ。
これまで代用監獄廃止、取調べの可視化、取調べへの弁護人立ち会いなどを求めてきた運動の次の課題として、ぜひ実現したいものだ。
「上からの司法改革」ばかり先行する現状に対する、「下からの司法改革」の提起としても重要だ。
目次
はしがき[西嶋勝彦]
特別インタビュー 周防正行監督に聞く
「僕があまりにもショックを受けた日本の刑事裁判の現状を皆さんに知ってもらいたい」
第1章 “えん罪原因究明第三者機関”を考える――その必要性と要件をめぐって[指宿信]
第2章 えん罪原因の解明から刑事司法の根本的改革へ[小池振一郎]
第3章 日本版「えん罪原因究明第三者機関」はどうあるべきか[泉澤章]
第4章 えん罪原因究明第三者機関設置をめぐる憲法問題[木下和朗]
第5章 米イノセンス・プロジェクトの発展から見た日本の課題[伊藤和子]
第6章 えん罪委員会の役割――誤判の発見、組織的改革またはその両方?
[ケント・ローチ/倉新喜訳・菊地裕子協力]
第7章 科学的証拠の強化が刑事司法の発展を促す[ピーター・ニューフェルド、
サラ・チュー/徳永 光訳・菊地裕子協力]
[資料]
1 えん罪原因調査究明委員会の設置を求める意見書
2 えん罪事件一覧表(解説・西嶋勝彦)
執筆者・訳者紹介
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20130206.html】
2013年2月6日(水)付
DNA型管理―法律にもとづき厳格に
この姿勢は腑(ふ)に落ちない。すみやかに見直す必要がある。
犯罪の捜査や裁判で、きわめて大きな意味をもつDNA型資料の取りあつかいをめぐる警察当局の対応である。
採取、保管、利用、抹消などに関する法律をさだめ、捜査に役立てつつ、人権侵害がおきない仕組みをつくるべきだ。そんな声に対し、警察庁は「国家公安委員会規則にしたがって適正に運用しており、法制化の必要はない」と反論している。
新しい時代の刑事司法のあり方を議論する法制審議会の特別部会でも取りあげられた。
しかし意見が対立したまま方向性を見いだせず、先日まとまった基本構想では、別途検討すべき課題と仕分けられた。「別途」の場が、いつ、どこにできるのかははっきりしない。
社会の治安と個人のプライバシーという、一人ひとりにかかわる大切な問題だ。
国民の代表でつくる国会で議論し、その結論を「法律」という形で内外に明らかにして、民主的コントロールの下におく。
それが当然のことわりではないか。役所の意向でいかようにもなる「規則」で処理し続けるのは、筋がちがう。
警察も立法に前向きだというのが、つい最近までのおおかたの受けとめだった。
国家公安委員長が識者を集めてつくった研究会は、昨年2月に報告書を公表している。そこには「法制化をめぐる議論を踏まえ、DNA型データベースの抜本的な拡充をめざすべきだ」とある。席上、どんな法律が考えられるか、警察側がイメージを例示したこともあった。
それがなぜ変わったのか。
考えられるのは、法制化によって手足をしばられるのを避けたいという思いだ。
いざ議論になれば、採取に裁判所の令状を必要とするか▽データベースに登録する容疑者の範囲をどうするか▽冤罪(えんざい)を証明するため弁護側が利用することを認めるようにするか――などの論点が持ちあがるだろう。
ほとんどの容疑者が任意で採取に応じている現状のほうが、当局には好都合かもしれない。登録件数は先月末の時点で34万件を超え、規則のもとで順調に「拡充」している。
だが、外国では法律にもとづく運用が当たり前だ。国を超えた捜査協力がますます必要になる時代に、国際標準に届かないやり方が通用するのか。よくよく考えるべきだろう。
人々の理解と支持があってこその捜査である。「信じよ。任せよ」では立ちゆかない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020802000123.html】
【社説】
刑事司法改革 冤罪防止策を固めて
2013年2月8日
新しい刑事司法制度の基本構想が、八日の法制審議会に報告される。冤罪(えんざい)は深刻な人権侵害だ。この反省に立つはずの改革案に、古い発想がにじんでいる。これで冤罪をなくせますかと問いたい。
法制審の特別部会がまとめた基本構想は取り調べの可視化について、二つの案を出した。
一つは原則として、被疑者取り調べの全過程録画を義務づけるとした。ただし、対象事件は「裁判員裁判対象事件を念頭に置き、さらに範囲のあり方を検討する」という内容だ。
もう一つは、可視化の範囲を「取調官の一定の裁量に委ねる」という案だ。
裁判員対象事件に限ってしまえば、起訴事件の3%にとどまる。厚生労働省の局長・村木厚子さんが巻き込まれた郵便不正事件や、パソコンの遠隔操作事件などは対象外となってしまう。対象は基本的にすべての事件に広げられるべきだ。可視化は捜査の基本だと発想を大逆転してほしい。
また、録音・録画を取調官の裁量に任せては、違法・不当な取り調べを抑制することは到底、できまい。「裁量」の文字を入れること自体が、捜査機関側の古い体質が読み取れる。論外だ。
身柄拘束前の任意段階でも、自白の強要などが行われる捜査実態を考えれば、逮捕時からの録画でも遅いほどである。可視化は最重点テーマだけに、捜査側の都合ではなく、冤罪防止の観点に立って考えられるべきである。
証拠開示については、「検察官が保管する証拠の標目を記載した一覧表を交付する」案が出た。実現すれば前進になるが、「採否も含めた具体的な検討を行う」とのあいまいな表現が付いた。過去の冤罪事件でも、検察による証拠隠しが問題になった。全証拠のリスト開示は不可欠で、さらに全証拠開示に向かってほしい。
見逃せないのが、共犯者らの情報提供と引き換えに刑を減免する「司法取引」の導入や通信傍受の拡大、さらに盗聴器を仕掛ける会話傍受の導入などの検討である。これらは警察・検察の捜査力を強化させる“道具”である。
そもそも特別部会は、自白偏重の捜査が冤罪を生んだ経緯から設けられた。基本構想には、この反省が感じられない。仮に可視化などが中途半端な形で終わり、捜査側が新たな“武器”を得ては、本末転倒になる。今後、分科会で具体案が検討されるが、まず冤罪防止策をしっかり固めるべきだ。
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山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年12月29日)で、和歌山毒カレー事件の林眞須美(林真須美)氏について。魚住昭さんの『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた守大助氏の冤罪に関する一連の記事(http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2677、http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2692、http://uonome.jp/category/article/uozumi-wakimichi)で、こちらはまだ継続中。
和歌山毒カレー事件の林眞須美(林真須美)氏にしろ、仙台の筋弛緩剤混入事件の守大助氏にしろ、なぜ有罪が確定しているのか、理解できない。真面目に裁判官は審議しているのか? 妙な力学か、妙な思い込みか? 分析を委託された大阪府警の科捜研の酷さ? 守大助氏についての冤罪の背景は魚住昭さんの記事で、今後、明らかになってくると思う。
『●『週刊金曜日』(2012年10月19日、916号)についてのつぶやき』
『●冤罪: 筋弛緩剤事件の守大助氏』
『●兵庫県警調書捏造など諸々についてのつぶやき』
和歌山毒カレー事件事件の無茶苦茶ぶりは以下の通り。
『●和歌山県警科学捜査研究所の鑑定結果捏造事件と
和歌山毒カレー冤罪事件、そして死刑制度』
『●『創(2009年7月号)』』
『●『創(2009年6月号)』(2/2)』
『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』』
「日本の司法の歴史は、絶え間ない冤罪の歴史」であり、それをそれを修正する力があまりに弱い。
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【http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、2012年12月29日】
2012/12/29
<記事紹介>「和歌山カレー事件に新展開!? 鑑定担当者が『証拠捏造』で退職」(『週刊朝日』1月4・11合併号)
執筆者: Yamaoka (6:40 pm)
自治会の夏祭りに出されたカレーを食べた住民4名が死去したこの事件、林眞須美(51)の死刑が確定している(再審請求中)が、未だ謎が多いのも事実。
林死刑囚は一貫して無罪を主張しているが、その最大の証拠とされるヒ素の鑑定を担当した科学捜査研究所の主任男性研究員が12月17日、証拠品の鑑定結果を捏造したとして書類送検されると共に、懲戒3カ月の停職処分を受け、同時に、依願退職したと『週刊朝日』が報じている。
誤解のないように断っておくが、書類送検などの対象になったのは2010年5月以降の7件で、和歌山カレー事件のものは含まれていない。
しかし『週刊朝日』は、この研究員は一連の捜査で、カレー事件の捜査時期に当たる98年から03年にかけての19件でも捏造があったことが発覚しているとして疑義を呈している。
・・・・・・。
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【http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2677】
わき道をゆく第11回
2013 年 1 月 10 日 魚住 昭
仙台の筋弛緩剤混入事件を読者は覚えておられるだろうか。
00年ごろ、仙台市の北陵クリニックで点滴溶液に筋弛緩剤が混入され、入院患者ら十数人の容体が相次いで急変したとされる事件である。
宮城県警は01年1月初め、北陵クリニックにひと月前まで准看護師として勤務していた守大助氏(41)を逮捕。仙台地検は5人の患者(うち1人死亡・1人意識不明の重体)に対する殺人・殺人未遂罪で守氏を起訴した。
この間、テレビはもちろん新聞も「背筋凍る“恐怖の点滴”」「20人近く容体急変 うち10人が死亡」などと大々的な報道を繰り返し、前代未聞の病院内無差別殺人に日本中が騒然となった。
守氏は逮捕当日、犯行を認める調書に署名し、「待遇に不満があった 」「副院長を困らせたかった」と動機も供述したとされるが、3日後から全面否認に転じた。
彼は裁判で一貫して「僕はやってない」と訴えたが、1審の仙台地裁、2審の仙台高裁ともに有罪を認定。08年2月、最高裁の上告棄却で無期懲役が確定した。
それから4年後の今年2月、守氏の弁護団は新証拠を携えて仙台地裁に再審請求した。弁護団長の阿部泰雄さん(仙台弁護士会)は「この再審は勝てる。私たちが新たに出した科学的データで守君の無実を証明できる」と語る。
もともとこの事件には不審な点が多かった。犯行の目撃者がいない。動機もはっきりしない。そして何より、患者の血液や点滴液から筋弛緩剤を検出したとする鑑定に重大な疑問があった。
私は再審請求書を読んで 強い説得力を感じた。新証拠には有罪判決を揺るがす力がある。日本の司法の歴史は、絶え間ない冤罪の歴史だ。今も獄中で身に覚えのない罪科に呻吟する人が数多いはずだ。筋弛緩剤事件の真相を問い直す作業も無意味ではないだろう。
何はともあれ新証拠の内容をご説明したい。が、その前に裁判で浮上した鑑定の疑問点を2つ挙げておこう。1つは筋弛緩剤を点滴ボトルに混入させるやりかたで果たして人を死に至らしめることができるのかという疑問だ。
筋弛緩剤(マスキュラックス)は手術時などに静脈注射するもので点滴投与を想定していない。そのうえすぐに血中から排泄される(半減期11分)から、点滴でゆっくり投与した場合に効くかどうか、実際にはわからない。仮に効くとしても、膨大な量が必要だと専門家は指摘する。
だが、裁判所は東北大名誉教授の「効くと思います」の証言だけで効果を認定した。本来なら効果が出るのに必要な量と時間の科学的立証がなされるべきだろう。
もう1つの疑問点は鑑定のやり方そのものだ。宮城県警の依頼を受けた大阪府警の科学捜査研究所は「患者の血液や点滴液からマスキュラックスの成分・ベクロニウムが検出された」と鑑定した。
その根拠はベクロニウムの標品(標準サンプル)と、血液・点滴液を比較分析した結果、どちらからも同じm/z258イオンが検出されたからだという。
だが、専門家たちはベクロニウムからm/z258イオンが検出されるはずがないと断言する。科捜研の鑑定は科学の常識からかけ離れたも のだというのである。
そんな時は血液や点滴液の残りを再鑑定すればシロクロがはっきりする。だが、科捜研は鑑定で全量を使い切って再鑑定をできなくしていた。血液や点滴液は鑑定に必要な量の何十倍、何百倍とあったにもかかわらずである。捜査の常識では考えられないことだ。
弁護団は2審でベクロニウム標品の鑑定を求めた。m/z258イオンが検出されないことを立証するためだ。だが、裁判長はそれを却下し、わずか4回の公判を開いただけで結審させてしまった。
今回の再審請求で弁護団が出した新証拠の柱の1つが、そのベクロニウム標品の鑑定結果である。
志田保夫・前東京薬科大薬学部中央分析センター教授に依頼して実験してもらったところ、どういう条件下でもベク ロニウムからm/z258イオンが検出されることはあり得ないという結論が出た。
つまり守氏の犯行の決定的証拠とされた鑑定結果が誤っていることが明らかになったのである。
新証拠の2つ目は、00年10月末、北陵クリニックで点滴後に意識不明になった小学6年の女児についての長崎大医歯薬学総合研究科・池田正行教授の意見書だ。
池田教授は女児のカルテや母親の供述などを詳しく分析した結果「容体急変の原因は筋弛緩剤の投与ではなく、ミトコンドリア病メラスである」と診断した。
ミトコンドリア病は、細胞中のDNAの異変によって起きる急性脳症で、中でもメラスは脳卒中のような症状などを伴う。ただこの病気が知られるようになったのは90年代以降のことで、01年当時はまだ北陵クリニックや、女児が転送された仙台市立病院では知られてなかったという。
女児は腹痛を訴え、嘔吐を繰り返したため北陵クリニックで受診した。その後、「物が二重に見える」と言って目をパチパチさせ、ろれつの回らないしゃべり方をするようになった。そして頭を左右に振り、手足の痙攣を起こし、脈が遅くなって心肺停止状態になった。
これらの症状を全部説明できるのはミトコンドリア病メラスしかなく、目のパチパチや痙攣、心肺停止などはマスキュラックスの薬効と明らかに矛盾するという。
池田教授はこの女児の症状について医師1000人にアンケート調査した。その結果、7割近くがメラスと答え、筋弛緩剤と回答したのはわずか3人だったという。
阿部弁護団長は「北陵クリニックは当時、赤字穴埋めのため高齢者や重症患者を次々と受け入れていた。そのうえ救命措置ができる医師が辞めたので、容体が急変する患者が増えたのは当然のこと。その責任をすべて守君にかぶせた」と指摘し「この事件は、事件性のない冤罪なんです」と言った。
私は千葉刑務所で服役中の守氏に会おうと思った。「無実の守大助さんを支援する首都圏の会」事務局長の藤沢顕卯さん(39)に頼み込んで手配してもらった。
当日朝、JR千葉駅に国民救援会千葉県本部の岸田郁さん(42)が車で迎えに来てくれた。約10分で千葉刑務所に着き、古い煉瓦造りの門をくぐって中に入った。守氏との面会の模様は次号でお伝えしたい。(了)
(編集者注・これは週刊現代連載「わき道をゆく」の再録です。
参照文献・「人権と報道 連絡会ニュース第280号」「無実の守さんを支援する首都圏の会」サイト)
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【http://uonome.jp/article/uozumi-wakimichi/2692】
わき道をゆく第12回
北陵クリニック残影
2013 年 1 月 18 日 魚住 昭
千葉刑務所の面会室はとても狭かった。縦横1・5㍍前後のスペースしかない。
そこに日本国民救援会千葉県本部の岸田郁さん(42)と岡山県本部の中元輝夫さん(75)と私が入るとすぐ、透明なアクリル板の向こうに元准看護師の守大助氏(41)が姿を見せた。
緑色のズボンに灰緑色の作業服。頭髪は黒々としたスポーツ刈りで、顎の線がやや尖っている。
十数年前の写真と比べると、痩せて引き締まったようだ。
「どう、元気?」と、岸田さんがまず声をかけた。
「ええ、元気です」。彼は椅子に腰を降ろしながら笑顔で答えた。
顔は青白いが、声には張りがある。笑うと目尻に皺が何本か寄る。
彼が仙台筋弛緩剤事件で逮捕されたのは01年のことだ。法廷で無 実を訴えたが、08年に無期懲役判決が確定した。現在、新証拠をもとに再審請求中である。
許された面会時間は20分。しかも今回の面会の主役は岡山から来た中元さんだから、私は邪魔にならぬよう、彼らの会話に耳を傾け、守氏を観察することにした。
中元さんが「いま一番やってほしいことは何ですか」と聞いた。
「全国の人たちに真実を広めてほしいんです。僕はやっていない。やっていないからこうして皆さんに会えるんです。やっていたら(後ろめたくて)会えませんよ」
守氏は少し早口で言った。だが、声に刺々しさや苛立ちは感じられない。滑らかで落ち着きがあった。
中元さんは「(新証拠で)冤罪が明白になったのに、日弁連はまだ守君の再審支援を決定していない。 対応が遅すぎる」と憤った。
日弁連の支援は再審の成否にも影響する。いつになったら決まるのかと、守氏も気が気ではないだろうと思っていたら、違った。
「日弁連もたくさん冤罪事件を抱えて大変なんでしょう。それに日弁連の支援なしで再審開始決定が出た事件もありますから。もちろん僕は早くここから出たい。だけど、焦らず、ゆっくりやろうと自分に言い聞かせているんです」
と、中元さんをなだめるように言った。優しげな笑顔を時折浮かべながら、相手の目をまっすぐに見る。これが、あの「恐怖の点滴男」だろうか?
事件当時の集中豪雨のようなマスコミ報道でつくられたイメージと、目の前に座っている生身の人間との落差が大きすぎて、どうにも1つに重ならない。
制 限時間が終わりに近づいたころ、彼は私の方を見て、
「いちばん悔しいのは、検察が証拠隠しをしていることです」
と言い、こうつづけた。
「東電OL殺害事件では被害者の爪のDNA鑑定をして最終的にマイナリさんの無実が証明され、検察もようやく無罪主張せざるを得なくなったでしょう。僕の事件でも検察が証拠を全部開示するよう裁判所が命令してほしい。そうすれば真実が明らかになる」
確かにこの事件には「証拠隠し」と疑いたくなることがいくつもある。
その1つは、守氏が犯行に使ったとされる筋弛緩剤の空アンプル(検察は19本あると主張)の開示を検察が拒んだことだ。替わりに出してきたのは8本、6本、5本に分けて撮った写真で、しかもロット番号が見えない角度から撮影されている。これでは本当に19本あるかどうかも分からない。
そもそも裁判で犯行に使われた凶器(空アンプル)を開示しないことが許されていいはずがない。
もっとひどいのは鑑定である。北陵クリニックで容体が急変した患者5人の血液や尿、点滴液の鑑定は、宮城県警の依頼で大阪府警の科学捜査研究所が行った。
科捜研は筋弛緩剤の成分・ベクロニウムの標準サンプルと、患者の点滴液や血液などを比較分析した結果、双方から同じm/z258イオンが検出されたから、点滴液に筋弛緩剤が混入されたのは間違いないと結論づけた。
だが、法廷に証拠として提出されたのは、結論だけを書いた鑑定書のみだ。通常ならその結論に至るまでの様々な分析データを記録している はずの実験ノートは「作ってない」(科捜研)の一言で提出されずに終わってしまった。
本当にまっとうな鑑定が行われたのか。意識不明の重体になった小学6年生(当時)女児から1週間後に採取した尿の例を見てみよう。科捜研は尿から1㍉㍑あたり20・8ナノグラムの高濃度でベクロニウムが検出されたと言う。
しかしベクロニウムは投与後24時間以内に尿中に排泄されるから、7日後に20・8ナノグラムもの高濃度で尿中から検出されることは科学的にあり得ない。それだけで鑑定の信用性は瓦解する。
しかも科捜研は患者らの血液など全量を使い切って再鑑定を不能にしていた。これは「犯罪捜査規範」186条の「鑑識に当たっては、なるべくその全部を用いることなく一部をもって行い、残部は保存しておく等再鑑識のための考慮を払わなければならない」という規定を無視した行為である。
さらに今回の再審請求で、ベクロニウムの標準サンプルからm/z258イオンが検出されたという科捜研鑑定の前提そのものが誤っていたことが立証された。
なぜ、こんなデタラメな鑑定が行われたのか。弁護側の意見書を書いた長崎大の池田正行教授は「司法事故を考える」という自らのサイトでこう指摘している。
いま世界標準となっているベクロニウム検出法は事件当時、確立されておらず、まともな鑑定は不可能だった。そのうえ試料の保存条件の悪さなど悪条件が重なり、「結局彼ら(=科捜研)はそれまでに自分たちで手探りで組み立てた『独自の方法』(略)しかなく、自分たちの方法でも実験条件を検討する十分な時間さえ与えられずに、とにかく結果を出さざるを得ない立場に追い込まれて、パニックになり、後でどうにも説明できない報告を出してしまった」
池田教授は5人の患者の症状から見て「ベクロニウム中毒」は誤診だとはっきり言い切っている。
だとしたら、北陵クリニックで患者の容体急変が多発したのはなぜか。あるいは裁判所がそれほど明白な欠陥鑑定を根拠に守氏に有罪を言い渡したのはなぜか。その理由をきちんと示してくれと、読者は言われるだろう。
守氏に面会して数日後、私は仙台市郊外の北陵クリニック(01年3月閉鎖)の元敷地に立った。
JR仙台駅から北北西に約10㎞。閑静な住宅街の外れで、周囲に林や田畑が広がっ ている。
ここに91年、ベッド数19床の北陵クリニックが開業した。その経緯まで遡ると、事件の謎を解くカギが1つ見えてくる。(了)
(編集者注・これは週刊現代の連載「わき道をゆく」の再録です)
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わき道をゆく第13回
Back to 91
2013 年 2 月 6 日魚住 昭
仙台・筋弛緩剤事件の真相を探る旅をつづけている。
今回は、事件の舞台となった北陵クリニック(仙台市泉区)の生い立ちをたどってみたい。
クリニックの生みの親は、FES(機能的電気刺激)療法の権威として知られた東北大医学部のH教授(当時)である。
FESは、脳卒中や脊髄損傷で動かなくなった手足に細い針金状の電極を埋め込み、そこにコンピューター制御の電気刺激を与えることで手足が再び動くようになるという“夢の治療法”だった。
H教授はそのFES研究・開発の母体となる世界初の医療機関として91年、北陵クリニックを開設した。地域医療にも応じられるよう小児科、内科、整形外科などの診療科目も設けた。教授は国家公務員なので表には出ず、代わりに妻のI子医師(小児科)を副院長に据えて経営にあたった。
FES治療の研究は98年、科学技術庁(当時)が進めていた「地域結集型共同研究事業」に認定され、国と県から巨額の補助金を得た。事業が成果を挙げれば、新産業が創出されるというので地元銀行・電力会社・医師会などの名士たちが病院理事に名を連ねた。
ところが、地元の期待を集めたFES療法の開発はうまくいかなかった。保険が効かないので患者は1人200万円もの治療費を負担し、全身麻酔の手術にも耐えなければならない。
そのうえ電極を埋め込んだ患部の衛生管理が難しく、治療効果もあまり思わしくなかった。このため電極の抜去を希望する患者が相次ぎ、当初は年間50例ほどあった手術数も年々減っていった。
それに加えてFES以外の一般患者の数も多くなかったので、クリニックの経営は悪化した。97年8月に薬剤師がリストラされて不在となり、98年末には勤務条件などをめぐる経営側との対立で多数の看護婦が辞めた。99年度には、開設時の設備投資から累積した負債が13億円余に達した。
後に患者5人の点滴に筋弛緩剤を混入させたとして殺人罪などに問われる元准看護師の守大助氏(41歳、無期懲役が確定。再審請求中)がH教授にスカウトされて北陵クリニックで働くようになったのは、ちょうどこの時期の99年2月のことである。
翌00年4月、北陵クリニックで患者の生命に影響する重大事が起きる。常勤医のなかではただ1人、救命処置に熟達していた整形外科のT医師が退職したことだ。そのきっかけもFESである。北陵クリニックの看護師だったFさん(49歳)が語る。
「当時はもう(FESの電極を)埋め込む手術をする人は年間3~4人ぐらいしかいなかった。あとは患部が化膿したので(電極を)抜きたいとか、機械の動作が不良になったとかいう患者さんの方が多かった。そんな時にFESの手術を希望する(下半身麻痺の)女性が入院してきたんです」
その女性はカヌーが好きだった。だが、手術を受けると電極が身体から露出した状態になる。そこに川の水が触れると、化膿する恐れがあった。T医師は「手術するとカヌーができなくなるよ」と彼女に言い、FさんもFESのリスクをきちんと説明した。女性は結局、手術を取りやめた。
「それ以前からFESの手術をあえてする必要があるのかと疑問に思うケースがあったんです。T先生も私も、患者から訊ねられると正直にリスクを話したので手術をやめる人が何人か出た。最終的にはカヌー好きの女性の件で厳しく詰問されたあげく、私は解雇通知を受け、T先生は解雇はされなかったが、退職せざるを得なくなった」とFさんが言う。
救命処置に長けたT医師がいなくなり、北陵クリニックの医療態勢は急激に弱体化した。残った小児科のI子副院長は、ぜん息が重症化したときなどに気道を確保する気管内挿官ができなかった。
T医師の退職直後の00年5月から容体急変で仙台市立病院に搬送される小児患者が相次ぐようになり、同年9月にはぜん息の5歳男児が死亡した。北陵クリニックの総婦長(当時)はその後、市立病院の小児科医からこんな電話を受けた、と後の公判で証言した。
「北陵クリニックから小児患者で突然に呼吸停止を来すような急変患者が続いているけれども、北陵クリニックの状況はどうなんだろうか」
これに対し総婦長が「救急蘇生の上手な先生が辞めてしまったので」と答えると、その小児科医は「訴訟になったらクリニックとしても大変な状態になるんじゃないか。救急患者はあまりひどくならないうちに連絡をくれれば市立病院でいつでも診るから」と言った。
その際、総婦長は「市立病院の救急外来辺りで研修という形で(I子副院長に気管内)挿官の方法を教えてほしい」と相談したと法廷で証言している。
T医師とともにクリニックを去ったF看護師は5歳男児の死亡後、守氏から電話で「ついに死んじゃった子が出ちゃったんだよ」と聞かされた。I子副院長の日ごろの治療ぶりから推測して「ぜん息でしょ」とFさんが言うと、守氏は「エッ、もう誰かから聞いてるの?」と驚いたという。
一方、北陵クリニックではその前年の99年7月から高齢者の容体急変・死亡例が増え始めていた。しかし、それにはまた別の理由があった。もともとクリニックは複数の特別養護老人ホームと提携し、医師が訪問して治療に当たっていたが、高齢の重症患者の入院は受け入れていなかった。
だが、経営改善のため19床のベッドを極力満床にもっていきたいというH教授の指示もあって、高齢の重症患者も受け入れるようになった。親族の同意のもとに容体が悪くなっても転院させず、延命治療せずに最期を看取る方針に変わった。その結果、高齢患者の急変や死亡が増大した。
看護師のFさんが言う。
「(北陵クリニックの非常勤の)院長先生と、(老人ホームを担当していた)内科の先生が2人とも立派な人格者だったので、『先生に最期を看取ってもらいたい』と言う高齢の患者さんがいたほどだったんです。そこにきて(経営方針の転換で)重篤な患者さんを多く受け入れるようになったから当然そうなっただけで、誰もおかしいとは思っていなかった」
こうしてFESという金看板の下で経営難にあえぐ北陵クリニックの実情を知ると、守氏が患者たちの点滴に次々と筋弛緩剤混入したという事件は、やはり幻だったのではないかという根本的な疑問が湧く。彼はなぜ犯人として断罪されなければならなかったのか?その謎をさらに追いかける。(了)
(編集者注・これは週刊現代連載『わき道をゆく』の再録です。)
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gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/140743)。
選挙前からわかっていたわけで、それでも選んだのだから仕方ないのでしょうが、腹が立って仕方ない。
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
さんざん原発を推進してきた自民党が何の反省もせずに、再び原発推進しようというのだから、尚更だ。原発推進派の自民党議員に投票した人たちの多くが、どうもその辺に何の痛みも感じていないのではないかと疑われるのだけれども・・・・・・残念ながら根拠を持ち合わせていない。「「原発再稼働について」は賛成35%、反対49%、「原発を段階的に減らし、将来はやめることについて」は賛成75%、反対16%と、国民の圧倒的多数は依然、原発ゼロを望んでいるのに」、自民党が大勝できたのだから、やはり選挙制度の問題か。
『●小選挙区制という幻想: 「死票が7割も出る制度」』
『●小選挙区制という選挙制度もデタラメならば、政治家選びも未熟』
『●「原発事故は終わっていない」』
『●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党』
『●石川真澄さんを思い出す: 小選挙区制、そして、低投票率』
原発推進派の自民党議員に投票した人たちの多くは、少なくとも、以下のような「フザ」けて「あまりにムチャクチャ」な「原発再稼働の理由」を気にもしないだろうし、何も感じないでしょうね・・・・・・これも推測。しっかし、酷い理由だな、「フクシマ」のフの字もない。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/140743】
自民党「原発推進」のフザケた理由
2013年1月31日掲載
「円安」だから「再稼働」
案の定、日本は「原発推進」に逆戻りしそうだ。
30日の衆院代表質問で、安倍首相は「2030年代に原発ゼロ」という民主党政権時代のエネルギー政策について「ゼロベースで見直す」と断言したのだ。さらに、茂木経産相は30日、電力会社の業界団体「電事連」との意見交換会を再開。民主党政権では原発事故後、一度も開かれていなかったのに、アッサリ元通りである。都内のホテル宴会場には、電力10社と電源開発(Jパワー)、日本原子力発電、日本原燃の計13社の首脳が顔を揃え、茂木は「安全性を確認した原発については、国の責任で再稼働をしっかり進める」と応じてみせた。
今月22日の朝日新聞の世論調査では、「原発再稼働について」は賛成35%、反対49%、「原発を段階的に減らし、将来はやめることについて」は賛成75%、反対16%と、国民の圧倒的多数は依然、原発ゼロを望んでいるのに、選挙で圧勝したのをいいことに、一気に原発を再稼働させるつもりだ。
フザケているのは、「円安」を理由にして原発を再稼働させようとしていることだ。
「いま、財界や原子力村が訴えているのは、『このまま円安が続いたら、
輸入している燃料費が上がり電気代が高騰する』『早く原発を稼働させるべきだ』
というキャンペーンです。しかし、日銀を恫喝して円安にしたのは、安倍政権です。
自分たちで円安を“誘導”しておきながら、燃料費が上がるとワーワー騒ぐ。
こんなマッチポンプで原発再稼働が正当化されるなんて、
あまりにムチャクチャすぎます」(民間シンクタンク研究員)
やはり、衆院選で自民党を勝たせすぎたのではないか。
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核のゴミ・死の灰とオンカロについてのasahi.comの記事(http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201301230452.html?ref=top)と、東京新聞の一連の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000149.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012902000119.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013002000130.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000123.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020102000123.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020202000119.html)。
東京新聞の社説が珍しいことに1週間通してのシリーズでした。内容もフィンランドのオンカロについてで、大変に興味深いもの。本当に10万年もオンカロでさへもお守りできるのかという疑問と同時に、我国に100,0000年どころか10,0000年さへも死の灰を貯蔵する施設など存在し得ないことを理解させられます。少しでもその絶対量を減らす努力をする時であり、もうこれ以上一刻も原発を稼働しちゃぁならんと、改めて、思いました。
『●100万年間核のゴミを管理するなんて言うことはおこがましい』
『●リラッキングとオンカロ』
『●まずは第一歩目かな・・・??』
『●10万年という数字に慄く』
「多くの専門家にインタビューを試みた。その中の一人に「オンカロを掘ってはいけない国がありますか」と尋ねると、即座に「日本」と答えたという。地震国だから」と答えた専門家って誰だろう??
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【http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201301230452.html?ref=top】
2013年1月24日10時13分
原発ゴミ最終処分、実現へ 世界初、フィンランドの施設
【オルキルオト=編集委員・服部尚】北欧フィンランドで、高レベル放射性廃棄物である原発の使用済み燃料を400メートル以深の地下に埋める民間最終処分場計画が大詰めの段階を迎えた。昨年末に建設許可が申請され、同国の審査が順調に進めば来年6月に建設を始める。2020年操業が目標だ。「トイレなきマンション」という原発の課題を世界で初めて乗り越えることになる。
■地下400メートルに9000トン埋設
処分場の予定地はフィンランドの首都ヘルシンキから北西へ250キロのバルト海に浮かぶオルキルオト島にある。車で約4時間、雪に覆われた景色を見続けながら現地に入った。
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012802000149.html】
【社説】
どうする核のゴミ<1> 危険とは知らなかった
2013年1月28日
とび色の瞳に、不安がよぎる。
「それは、知らなかった」
首都ヘルシンキから北西へ約二百五十キロ。ボスニア湾へ突き出るように、短い橋で本土と結ばれた、オルキルオトは原発の島。隣接するラウマ市で専門学校に通うエウラ・ニエミネンさん(17)は、ふとその目を伏せた。もし島で原発事故が起きたらどうなるか。ほとんど何も知らされず、だから考えることもなく、これまで過ごしてきたという。
フクシマの事故は知っていた。だが、自分の人生とは無関係だと信じ込んでいた。
島のオルキルオト原発は、一九七九年に運転を開始した。エウラさんが生まれるずっと前から、風景の一部になっていた。完成すれば、最新鋭の欧州加圧水型炉(EPR)の初号機となる3号機の増設も、4号機の計画も。そして世界初の高レベル放射性廃棄物の最終処分場の建設も、抵抗なく受け入れてきた。深さ約五百メートル。「オンカロ(隠れ家)」という名の巨大な洞窟だ。
ラウマ市のホテルに勤めるマリカ・キウルさん(60)は、割り切っていた。「仕事さえ与えてくれれば、それでいい」
原発やオンカロは、人口六千人の地元エウラヨキ町を中心に、一万人の雇用を生み出した。フィンランドには、日本の電源立地交付金のような制度はない。ただし、自治体には不動産税が直接入る。
原発を動かすTVO社も、オンカロを造るポシバ社も、それらがいかにいいものであるかは、教えてくれた。工期の遅れも知らせてくれた。ところが、それが抱える深刻な危険については、十分に伝えていなかったと、二人は言う。
古い強固な岩盤に守られて、足もとの揺れることなど想像さえできない人たちに、フクシマは文字通り、別の世界の出来事だった。
世界中が頭を悩ます核廃棄物の処分地を、フィンランドは、なぜ見つけられたのか。日本はどうするか。読者の皆さんとともに考えたい。 (論説委員・飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013012902000119.html】
【社説】
どうする核のゴミ<2> “共存の歴史”が決めた
2013年1月29日
オンカロは、なぜオルキルオト島にあるのだろうか。
「それは長い物語」と、オンカロを建設するポシバ社コミュニケーション・マネジャーのティモ・セッパラさんは話し始めた。
一九七九年、オルキルオト原発が運転を開始した。実はこの時、フィンランド政府は、五年間しか運転許可を出していない。その間に使用済み核燃料の最終処分計画を立てなさい。でなければ、許可は更新しない。つまり、運転の継続を認めないという強いメッセージを、電力会社に発していた。
八三年、処分場選定までの行程表を政府が提示した。二〇一〇年までに、処分場を決めて、建設許可を取るように、と。
電力会社は当初、核のごみは、海外で処分してもらえばいいと考えていた。もう一つのロビーサ原発は、十年にわたってロシアへ持ち込んだ。
だが、九四年の原子力法改正で、その道を封じてしまう。使用済み核燃料の輸出入を禁止したのだ。背景には、長い間支配を受けた隣の大国ロシアに対する根強い不信があった。
原発を運営する二つの電力会社はその翌年、ポシバ社を設立し、処分場建設の体制を整えた。
電力会社による処分場の候補地探しは、八三年に始まっていた。フィンランド全土を五~十平方キロのブロックに分け、文献などから地質や周辺環境を考慮して百二カ所の調査エリアを決めた。
ポシバ社が、そのうち五カ所でボーリング調査などを実施して四カ所に。その中で住民が受け入れに好意的だったのがハーシュトホルメンとオルキルオト、つまり原発のある自治体だった。
九九年、最終的にオルキルオトが残った理由の一つは、オルキルオト原発の方が、廃棄物の排出量が多く、移送費用がかからないから、だったという。
「原発との共存。それが決め手でした」と、セッパラさんは振り返った。本当にそれでよかったのだろうか。(論説委員・飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013002000130.html】
【社説】
どうする核のゴミ<3> 権威が言えば信頼する
2013年1月30日
核処分場オンカロのあるエウラヨキ町のハッリ・ヒーティオ町長は、口元に笑みを浮かべて言った。「オンカロを受け入れた最大の理由は、責任です」
エウラヨキには、国内四基の原発のうち二基がある。三基目はすでに原子炉建屋が出来上がり、四基目の計画も進んでいる。町内から出るごみだから、その処理も町内でという姿勢は、一見潔い。
処分場の候補地として文献調査に応じただけで、莫大(ばくだい)な補償が受けられる日本とは違い、直接の見返りは高率の不動産税だけしかない。それでも、雇用創出効果は高く、エウラヨキは税収の四分の一を原発関連に依存する。
オンカロを引き受けたから4号機が誘致できたと、町長も認めている。オルキルオトにも原発マネーはめぐっている。やはり、きれいごとではすまされない。
フィンランドには「原則決定」という制度がある。
オンカロなど重要な原子力施設を造る時には、事業者からの申請で、政府がまずその計画の是非を判断し、国会の承認を仰ぐ。大筋は、先に決まってしまうのだ。
自治体には拒否権がある。だが現実には政府の関与で比較的スムーズに事業は進むという。
原則決定をする時は、独立した規制機関の放射線・原子力安全センター(STUK)が、事業の安全性を判断する。
一九五八年設立のSTUKは「警察以上に信頼されている」(雇用経済省幹部)という。テロ・バルヨランタ所長は「隠し事がないからです」と言う。
「STUKが安全だといえば、それを信頼するしかない。一番の権威ですから」と、ヒーティオ町長は笑顔を消して話した。
信頼できる規制機関があるのはいい。でもどこか、日本とよく似た空気が流れていないか。
(論説委員・飯尾歩)
◆ご意見、ご感想をお寄せください。〒460 8511(住所不要)中日新聞論説室、ファクス052(221)0582へ。
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013013102000123.html】
【社説】
どうする核のゴミ<4> 日本でまねできるのか
2013年1月31日
核のごみを埋めるオンカロ、正しくは「地下特性調査施設」の構造は、単純素朴。オンカロという名前の通り、巨大な洞穴、隠れ家というしかない。
フィンランドでは使用済み核燃料を再処理せずにキャニスターと呼ばれる筒状の容器に入れて、地下約四百メートルの結晶質岩中に閉じ込める。キャニスターは腐食にも荷重にも強いよう、銅と鋳鉄の二重構造になっている。
洞穴の坑道をバスで斜めに下っていくと、地下四百二十メートル地点に試掘の横穴がある。そこに五メートル間隔で、深さ八メートルの竪穴が並んでいる。キャニスターを差し込み、粘土で封をするための穴だ。
洞穴の中には、岩盤に生じた亀裂を示す黄色い線が縦横に引かれている。驚くことに、地下水がしたたり落ちているところもある。
竪穴は三種類。亀裂がなく、乾いた穴、多少水が染み出ていても何とか埋められそうな穴、水たまりができて使い物にならない穴=写真。水の出方は随分違う。水たまりができるようなところは、実際には使わない。
地質は古い。十六億年前からほとんど動いていない。オンカロを運営するポシバ社の地質学者、ユルキ・リーマタイネンさんは「この岩盤ができたあとで、欧州とアメリカ大陸が二度くっついて二度離れたよ」と笑っていた。
大地震の原因になるプレートの境界からもはるかに遠い。フィンランドの住人は、地面の揺れをほとんど感じた記憶がない。
穴の視察には世界中からやって来る。日本人が最も多いそうだ。だがオンカロを守っているのは、特別な技術というよりも、フィンランド固有の地質である。世界有数の地震国日本では、まねのできないやり方だ。
日本では二〇〇二年から、地層処分場を引き受ける自治体を公募しているが、適地は恐らく見つからない。
その国の自然や社会に見合う処分技術、管理手法を工夫すべきだとオンカロは教えているようだ。
(論説委員・飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020102000123.html】
【社説】
どうする核のゴミ<5> オンカロは原発7基分
2013年2月1日
核のごみ最終処分施設のオンカロがあるオルキルオト島では、仏アレバ社が開発した最新鋭の原発(EPR)オルキルオト3号機(百六十万キロワット)の完成が近い。欧州では二十年ぶりの増設となる世界最大級の原子炉だ。
さらに巨大な4号機も、三年前に政府の承認(原則決定)を受け、着工を待っている。
ヤン・バパーブオリ雇用経済相は「フクシマの事故後も、フィンランドの原発政策は変わりません」と力を込めた。
緑の党から入閣したビレ・ニーニスト環境相は「現政府では、これ以上の新増設は認めません」と、自然エネルギーへの転換を図っている。だが中部で計画中の別の一基も含め、人口五百万余の国に将来的には原発七基。フィンランドはすでに十分原発立国だ。
オンカロの容量は九千トン。今運転中の四基を六十年動かすとして、使用済み核燃料はすべて受け入れ可能という。オンカロがあるから新しい原発ができるのか。
運営するポシバ社幹部は「七基までなら大丈夫」と話していた。
世界初。その陰の部分を海の向こうのデンマークから見つめ続けて、映画にした人がいる。
「100、000年後の安全」を監督したマイケル・マドセンさんだ。コペンハーゲン近郊で、マドセンさんの話を聞いた。
「オンカロの是非は、ちゃんとした議論になりませんでした」と振り返る。フィンランドの上映会で「あれが何かを初めて知った」と憤る地元の人もいた。立地には、政府や電力事業者の意向が強く働いていたと、マドセンさんは感じている。
七年前に映画のための調査を始め、多くの専門家にインタビューを試みた。
その中の一人に「オンカロを掘ってはいけない国がありますか」と尋ねると、即座に「日本」と答えたという。地震国だから。
「議論のない社会は危険です」と、マドセンさんは日本に向かって訴える。 (論説委員・飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013020202000119.html】
【社説】
どうする核のゴミ<6> 増やさず、管理下保管
2013年2月2日
使用済み核燃料を埋設するフィンランドのオンカロは、日本に何を教えてくれるのか。
最大のメッセージは、日本にはまねが難しいということだ。
オンカロは自然の地下要塞(ようさい)だった。技術の粋ではない。国土を覆う厚さ数十キロの巨大な岩盤が、危険な使用済み核燃料を地上の営みから隔て、万一の放射能漏れからも守ってくれる。
オンカロを運営するポシバ社は二一〇〇年に核のごみの搬入を終えたあと、入り口を固く閉ざして、そこに何があるのかを忘れ去る方針という。その後の管理は“国土”が引き継ぐことになる。
フィンランドは地震を知らない国である。オンカロのあるオルキルオト島の住民は何事もなく原発と共存し、原発の恩恵を受けながら、町を発展させてきた。
繰り返すが、日本は世界有数の地震国である。地層処分の適地は見つかりそうもない。
このような両国の違いを踏まえて提言したい。使用済み核燃料の「最終処分」という看板を、今は掲げるべきではない、と。
日本学術会議は昨年九月、核のごみの「暫定保管」と「総量管理」を提案した。
核のごみを数十年から数百年、いつでも取り出せる状態で、処分ではなく保管する。その間に最終処分の研究を進め、新技術が確立すれば保管したごみを取り出して、やり直す。
一方で、核のごみの排出総量を規制する。つまり原発の稼働を減らす。原発ゼロなら、当然ごみも一切でない。
オンカロを見た目で、これらの提案はもっともだ。
保管場所は、民主的手続きを経て決めるしかない。保管には、止めた原発のプールの活用や冷却水の不要な乾式キャスクを用いたり、さまざまある。
核のごみの存在を消費者が意識することも大切だ。これ以上増やさないような工夫なら、私たちにもできる。
日本では、核のごみを“国土”に引き受けてはもらえそうもない。新技術が確立されない限り、その時代を生きる人間が面倒を見続けていくしかない。
十万年先への責任を負うのは、むろん私たち自身なのである。 (論説委員・飯尾歩)
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asahi.comに出ていた書評(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list)。
反対派による原発裁判はこれまで2件の勝訴しかない。それも上位審でひっくり返されている。連戦連敗。松下竜一さん流に云えば、「負けた負けた」の連続である。
どうも、その根源は「裁判所と法務省の人事交流」にあるようだ。「法務官僚(訟務検事)に任用された裁判官が、原発訴訟で国側代理人を務めて「原発は安全だ」と主張する。そうした人物が元の裁判官に戻った後、原発の安全性を公正、公平に判断できるのか。人事交流が原発訴訟に「深刻な影を投げかけてきた」」そうだ。
『●忘れられた最高裁国民審査』
『●最高裁「原発安全性」研究会、過去の反省なくして意味をなさず』
『●〝犬〟になれなかった裁判官』
『●『美談の男』読了』
『●マスコミと癒着する「司法・最高裁」の堕落ぶり』
『●原発裁判はどれも完敗: 井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話』
『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな』
『●東京電力、「お前のモノだろう!」』
『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に』
『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官』
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【http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list】
書評
司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸
[評者]上丸洋一(本社編集委員) [掲載]2013年01月20日
■人事交流が投げかける影
原発の安全性をめぐっては1973年に始まった伊方原発(愛媛県)訴訟以来、建設中止などを求める住民らによって、数々の裁判が提起されてきた。しかし、住民側の勝訴は2例しかない。ほとんどの訴訟で裁判所は、行政の判断を支持してきた。
なぜ司法は原発をチェックできなかったのか。本書は、行政側勝訴の判決に共通する論理構造を解き明かし、司法の責任を追及する。
著者が着目した問題点の一つに、裁判所と法務省の人事交流がある。これによって法務官僚(訟務検事)に任用された裁判官が、原発訴訟で国側代理人を務めて「原発は安全だ」と主張する。そうした人物が元の裁判官に戻った後、原発の安全性を公正、公平に判断できるのか。人事交流が原発訴訟に「深刻な影を投げかけてきた」と著者は実名をあげて指摘する。
裁判所は誰のために存在するのか。原発事故は根本的な問いを突きつけた。裁判所は本書にどう応えるだろうか。
◇
講談社・1470円
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『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
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■『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200)/森田実さん「日本政治の極右への転換・憲法九条の改正を目指す政権誕生」、「最良の預言者は過去なり(バイロン)」「憲法改正派のしたい放題になる可能性」「平和主義の戦後日本は終わった」「・・・コントロールされ、米国の利益のため・・」
■『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200)/中村ゆうき氏「JCO新事業の波紋と臨界事故の記憶」。鎌倉孝夫氏「労働者に犠牲を強いる「アベノミクス」の正体」、「なぜ、企業の内部留保が増えても、労働者の賃金は上がらないのか」「デフレさえ利用して大企業は儲ける」「搾取と収奪」
■『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200) / 村田くみ氏「自殺者を激減させた東京都・足立区の挑戦」。梁次邦夫氏「不当弾圧から10年! 俺たちは無実、無罪だ!」、「JR東日本の労働組合つぶし・・公安警察がしかけたJR浦和電車区事件」「ウソが善で、ウソを正すのが悪なのか」
■『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200)/大谷昭宏氏「強い日本、豊かな日本を演じ続ける安倍首相 政権を担える党の不在 自民党の長期政権になるのか」・・・最悪やね。「カネをばらまくだけのアベノミクス」「参院選結果次第で一気に改憲に突き進むか」「自民党の暴走を監視し続けよう」
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY201301300195.html)。
裁判官の論理や如何に? 「「反省の態度が見られない」として懲役1年10カ月の実刑判決を言い渡した」そうだが、無茶苦茶すぎないか? 罪を認めた上で、「反省の態度が見られない」と云うのであれば、分かる。でも、この場合、一貫して冤罪を訴えているのに、なんで「反省の態度を見せる」必要があるのか? 裁判官は、頭から犯罪者と決めつけて裁判を進行しているとしか思えないではないか!? 訴えた者、訴えられた者のそれぞれの声を公平に聞こうという気が裁判官にはあるのか。第一、「疑わしきは被告人の利益に」、ではないのか? 刑事裁判の鉄則ではないのか? 高裁も、最高裁も、裁判官の目は節穴か!
『●『冤罪File(No.06、2009年6月号)』』
『●『冤罪File(2009年12月号)』読了(2/2)』
『●『美談の男』読了』
『●『冤罪法廷 ~特捜検察の落日~』読了』
『●それは、職業裁判官の怠慢にすぎない』
『●何度書いても書き足りない裁判員制度』
『●日刊ゲンダイへの嫌がらせ ~宮崎学氏の「推認」~』
『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・』
『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、冤罪15年間への償いはできるのか?』
『●忘れられた最高裁国民審査』
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【http://www.asahi.com/national/update/0130/TKY201301300195.html】
痴漢冤罪訴え再審請求 異例の本人質問へ 東京地裁
2013年1月30日19時12分
【田村剛】痴漢事件で実刑判決を受けた東京都練馬区の男性(70)が冤罪(えんざい)を訴える再審請求審で、東京地裁(細田啓介裁判長)が31日、男性から事情を直接聴くことになった。書面のやりとりが中心の再審請求審で、裁判所がこうした手続きをとるのは異例。弁護団は「救済の道が開かれるかも知れない」と期待する。
男性は30年以上、小学校の教師だったが、1999年ごろから指の痛みでチョークが持てなくなり、2001年に退職した。教育施設の嘱託職員として働いていた05年3月、西武池袋線の満員電車内で当時19歳の女性のスカートに右手を入れ、約4分間にわたって下半身を触ったとして逮捕され、強制わいせつ罪で起訴された。62歳の時だった。
男性は一貫して否認し、「指の痛みで犯行はできなかった」と訴えたが、一審・東京地裁は事件直後に警察が撮った写真から「人さし指が曲げられなくても中指は動かせた」と指摘。男性を取り押さえた乗客と女性の証言を重視し、「反省の態度が見られない」として懲役1年10カ月の実刑判決を言い渡した。高裁、最高裁もこの判断を維持し、有罪が確定。男性は服役中の11年2月に再審を申し立てた。
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『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)、「右向け右。安倍首相のタカ派教育路線」についてのつぶやきから、AS@ActSludge。
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■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号) / 今到着。「右向け右。安倍首相のタカ派教育路線」。斎藤貴男さん「改憲見すえて教育を地ならし」。古川琢也氏「第一次安倍政権〝教育改革〟の爪あと」。阪上武氏「電力会社の利益優先の規制委検討チーム 問題だらけの「新安全基準」」
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号) / 赤岩友香氏「「原発と人権」ネットワーク発足 「ジャンルを超えた連携を」」、鎌田慧さん、海渡雄一さんら。林克明氏「「より多くの人がヤギになればいい」」、ヤギか羊か、「差別・排外主義に反対する連絡会」主催の森達也さん講演会
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/粟野仁雄さん「高知白バイ事故捏造事件 内部告発警官が続々」、片岡晴彦さん、タイヤスリップ痕捏造、「小松氏は会見で「白バイ事故のでっち上げ事件は高知県民の恥です」と訴えたが、各新聞は全く報道しなかった」、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B9%E2%C3%CE%C7%F2%A5%D0%A5%A4
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/三宅勝久さん「原発フィクサー訴訟で白川氏 接待ゴルフ認める」、原発スラップ訴訟(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B8%B6%C8%AF%A5%B9%A5%E9%A5%C3%A5%D7)。片岡伸行氏「「フィンランドに原発を売らないで!」日本政府と東芝に抗議の来日」、「原発事故と戦争は似ている」
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号) / 中島岳志さん「風速計 体罰問題は橋下市長にこそ責任がある」。木村聡氏「「食べる」に当てる放射線」、「野外で生育中の作物に照射できるガンマフィールドは「原子力の平和利用のシンボル」と言われた」そうだ・・・正気だろうか?
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/伊田浩之氏「オスプレイ配備撤回要求!! 沖縄〝一揆〟」。「アンドリュー・デウィットの経済私考 地域熱供給・地域冷暖房というビジネスチャンス 安倍首相は「安全保障」の本質を理解せよ」。斎藤貴男さん、「「教育再生実行会議」の危うい面々」
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号) / 矢崎泰久さん「発言2013」、「・・・石原と共に、尖閣を購入する寄付金を募っただけでも、世界戦争の引き金になっている。戦争はささいなキッカケさえあればいつどこで起きても不思議ではない。生き残るのが困難な時代になった」
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/本多勝一さん「貧困なる精神(540) 脱原発ーードイツと日本(中) 事故時の被害資産を闇に葬った岸内閣」、「安全神話の虚構性」。辛・清武・大谷・佐高氏の座談「読売新聞社がスラップ訴訟を七つ森書館に連発 裁判所が認めなくても・・・」
■『週刊金曜日』(2013年2月1日、929号)/中嶋啓明さん「マルクス経済学を〝排除〟する一橋大学 蓼沼宏一・経済学部長の運営に不信と提訴」。山口正紀さん「なぜ被害者顔写真が必要なのか 尼崎事件写真誤報」。編集長後記、「「私たちは非暴力で民主的手続きでできることはすべて・・」」
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『DAYS JAPAN』(http://www.daysjapan.net/)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
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■『DAYS JAPAN』(2013,FEB,Vol.10,No.2)/「本紙購読料の一部は原発被災地の子供たちの健康支援に使われます」「一枚の写真が国家を動かすこともある」。「ToPICs日本 追悼東松照明ーーー追い続けた戦争と核の傷跡」。伊原美代子氏「おばあちゃんと猫24」
■『DAYS JAPAN』(2013,FEB,Vol.10,No.2)/斎藤美奈子さん「勝てば官軍で浮かれるゾンビ内閣」。フェルナンド・モレレス氏「シェラレオネ、劣悪刑務所の少年たち 正義を待ちわびて」。特集「チェルノブイリ原発事故後の実践例に学ぶ 子供を守る方法」広河隆一さんら
■『DAYS JAPAN』(2013,FEB,Vol.10,No.2) / 舩橋淳氏「双葉町長不信任によせて ---町民のための未来の選択とは」。福島菊次郎さん「孤高のフォトジャーナリスト●福島菊次郎 この国の未来へ」、DAYS JAPANから写真集出版、「証言と遺言(仮題)」
■『DAYS JAPAN』(2013,FEB,Vol.10,No.2) / 丹羽理氏「再生 自殺未遂からの生還。そしてその後ーーー」。「「沖縄・球美の里」、お母さんたちの写真館」、「DAYS JAPAN購読による利益の10%が、「沖縄・球美の里」へ支援金として送られます」
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「原発と司法」、「大阪イジメ問題」、「小出裕章・佐高信対談本」などについての最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
・・・もうひとつ、「騙された側の責任」に関して、伊丹万作の「戦争責任者の問題」」については、以下もどうぞ。
『●戦争と原発: 伊丹万作さん「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」』
『●『戦争の世紀を超えて』読了』
『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)』
『●『だまされることの責任』読了(1/3)』
『●『だまされることの責任』読了(2/3)』
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■『体罰教師 刑事告訴に食らいついた橋下市長と大阪地検』(http://gendai.net/articles/view/syakai/140637 …)/「かつては体罰容認の姿勢を見せながら、この問題をきっかけに支持率をアップさせようという魂胆がミエミエの橋下徹市長はさっそく、反応・・大阪市のトップや検察が利用しようとしている・・」
■今頃何やってるのか。しかも原子力ムラの住人を委員に任命するのだから、ほとぼり冷めて、今頃やっている 『原子力規制委の人事案、国会承認へ 田中委員長ら5人』(http://www.asahi.com/politics/update/0127/TKY201301260333.html …)/「・・事後承認が得られる見通・・・民主党内からも「原子力ムラ出身」との批判・・」
■橋下元大阪「ト」知事がやってることは自分を目立たせるための、教員たちに対する「見せしめ指導」じゃないのか?? 『「見せしめの指導は体罰」 義家弘介政務官に聞く』(http://www.asahi.com/national/update/0126/OSK201301260062.html …)/「・・他の生徒への見せしめ・・「指導だ」と言い張っても体罰だと思います」
■『書評/司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸』(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list …)/「■人事交流が投げかける影 原発の安全性・・伊方原発(愛媛県)訴訟以来・・住民側の勝訴は2例しかない。ほとんどの訴訟で裁判所は、行政の判断を支持・・」
■伊方原発訴訟(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B0%CB%CA%FD%B8%B6%C8%AF%C1%CA%BE%D9 …)。放射能「無主物」判決(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A5%B4%A5%EB%A5%D5%BE%EC …)『書評/司法よ! おまえにも罪がある [著]新藤宗幸』(http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2013012000018.html?ref=comtop_list …)/「原発をチェックできなかった・・裁判所と法務省の人事交流」
■泊原発の場合、規制委の定義で言うとこれは原子炉など重要な施設の「直上」(『●原発施設と断層、驚きを通り越して呆れる』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C4%BE%BE%E5 …)なのか、それとも違うのか? 『泊原発にも活断層か 規制委 年代定義拡大受け』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013012702000087.html …)
■無節操すぎないだろうか? なにか小泉時代と変わった? 『郵便局長会、参院選で自民回帰 民営化以来8年ぶり』(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%C4%BE%BE%E5 …)/「小泉純一郎首相の郵政民営化方針に反発して自民党支持から離反した「郵政」団体が、夏の参院選で8年ぶりに自民党支持に回帰する方針」
■前田朗Blog『小出裕章・佐高信『原発と日本人――自分を売らない思想』』(http://maeda-akira.blogspot.jp/2013/01/blog-post_25.html …)/「佐高は、彼らは反省しない、と断言する。東電が原発をあきらめることはない、と。それでも、反原発をあきらめずに闘い続け、一つひとつ廃炉を勝ち取っていかなければ・・」
■前田朗Blog『小出裕章・佐高信『原発と日本人――自分を売らない思想』』(http://maeda-akira.blogspot.jp/2013/01/blog-post_25.html …)/「・・小出の闘いは、これからも続く。岡部伊都子、高木仁三郎、熊取六人組、田中正造、松下竜一らに関心のある人にもお勧め。・・・」
■前田朗Blog『小出裕章・佐高信『原発と日本人――自分を売らない思想』』(http://maeda-akira.blogspot.jp/2013/01/blog-post_25.html …)/「・・・もうひとつ、「騙された側の責任」に関して、伊丹万作の「戦争責任者の問題」『映画春秋』1946年8月、が全文紹介されているのが重要。」
■どっちもどっち 『「橋下徹は損得勘定が発達している人間」“行列仲間”丸山和也氏が書いた暴露本の中身』(http://www.cyzo.com/2013/01/post_12427.html)/「ひと段落すると、橋下市長は自身のTwitterに見解やメディア批判を何度も書き連ねている・・堂々と物申したのが・・丸山和也参院議員」
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