29.05.11 シルバーポスト NO.1522
高齢者には何もさせないから、ボケるのだという見解があります。
なにかに夢中になっていれば、簡単にはボケないのではないかと思います。
ボランテイアの一人としてかかわっています介護予防活動施設「なごみの家」には
100歳のお誕生日を済ませた人が元気に来所して、歌としゃべりの会では博学を面
白く披歴していただいていますし、麻雀だってほとんどの人が点数の勘定出来ができ
ないのに、彼はてきぱきと答えるなど指導的な立場にいます。
折り紙の先生をしていた知人の奥さんが、認知症と認定されて自宅で静養していま
す。 平素の生活のことについては認知障害があって油断できないのですが、かつて
の生徒達が見舞に来た時など、質問にてきぱきと答えるとともに実際に技術指導をす
るなど、はた目にはこの人が認知症だって判らないほどだといいます。
澤田ふじ子の作品でこんなのがありました。
邪者扱いにされていた爺さんが家出をして、ある和菓子屋さんの店の前にたたずんで
いたところ、店主に助けられて何日かはその店のお世話になった。
ある日爺さんが「あんこ」を作らせてほしいというから作らせたところ、これが抜群
の味で、店の売り物に採用したところその饅頭が人気を博し、行列ができて飛ぶよう
に売れて、いくら作っても品切れになるほどで店は繁盛して大儲け、話を伝え聞いた
息子が爺さん迎えに行くと、爺さんは息子の顔をじっと見つめて「あんさんどなたさん?」と言った。
そこの店主も爺さんが作るアンコで店は繁盛したこともあって、末永くその爺さんを
大事にした・・・というお話でした。