31.01.07 盗 み NO.2111
包丁一代という歌があります。 味の一文字 背中にしょって 包丁に賭け
る男意気・・・見て盗る・聞き盗る味捌き、包丁一代磨くこの腕 板修業。
先輩の料理人は後輩に仕事を教えないのです。
腕をあげるには技術を盗まないとならないのです。
わたしたちが就職した昭和32年当時もそうでした。 稟議書を書いて上司の
ところに持って行くと、無言で書類を放り投げるのです。
鼻で笑っているのです。 侮辱・イジメ・パワハラ、そういうことは誰も言わな
い。 それが、新人を「育てる?」テクニックでした。
そういう苦い体験があったから、自分が少しはベテランになった時には、知って
ることはなんでも、気軽に教えるようにしましたが、もうその頃は、教えてもら
うのは当たり前、新人が仕事ができないのは先輩の教え方が悪いのだ・・という
時代になっていた。
どちらが良いかよくないかとは一概に言えませんが、近年職人さんが育たないのは、
職人を目指す人がすくなったことと、そもそも習う気がない・・と親方衆は嘆いて
います。