親せき筋に教育熱心で、生徒に対してはある種情熱と愛情を以て教育に
励んでいる高校の先生人がいました。 「荒れる学園」の時代でした。
悩める同氏に当時若僧だった私がこう言いました。 「先生の教育方針
は間違いではなくて、むしろ立派でしょう」でも「今の 世の中そんなもの
は通用しません。 グの音も出ないように「力」で抑え込まなければ生
徒になめられる。 今の世の中残念ながら「力が正義」でしょう。
(なんと生意気な奴だと思ったことでしょう) 彼は私の意見を全面的に
拒否し話はそれで終わったのですが、それから一週間もしないうちに、彼
は情熱を注いでいたある生徒に殴られたのです。
ショックのあまり1ケ月ほど寝込んでしまいました。その後はそういうこと
についての意見交換はありませんでしたが、私自身「力が正義」なんて思っ
てもいません。 でも、裏付けのない思想・理論・愛情なんて、つまりは絵
に描いた夢物語でしかありません。 今もそう思っています。