元気な日には電車の中でも一仕事するのですが、寝不足だったりして、元気がない日には、何もしないで、ぼんやりと一時間座っています。そんな私の耳に意外な話が右側から聞こえてきました。
「電話が男の子の友人二人から家用の固定電話と、自分用の携帯に同時に、かかってきて、それを、当の二人の男の子、(または、男の人)自身が、どう思うかなあって、ねえ・・・・」「鬼畜だわー」とか何とか。
ちょっと驚いてしまったのは、会話を交わしている二人の女の子の、親しさの程度が、楽しすぎるぐらい弾んでいることです。日本語で、これほど、すばやい反応を交し合っている、二人組みは早々いません。アメリカの会話では、こういう間投詞が発達しているのですが、日本語の会話では、発達していないと思っていたのに、私の知らない若い人たちの間では、日本語がものすごく変わっているのです。
特に間に挟まる「鬼畜だわー」と言う間投詞が、どうも字面とは、違うらしいのです。鬼畜という言葉からは、否定するときに使うと、思いがちですが、そうではないらしい。そこに大変な興味を抱いて、聞くともなく聞いていると、内容も面白いのです。
皆さんは、源氏物語の中にある、『雨夜の品定め』というエピソードをご存知ですね。その女性版です。女性のほうが、知り合いの男性のことを、判断しているわけです。
私の右側にいる、ふたりの女性のうち、近い人をAさんと仮にして、遠いほうを、Bさんと仮に名前をつけますと、Aさんが、知人の男性である、Xさんと、Yさんについて、Bさんにあれこれ、説明しているのです。二人は高校時代の親友らしく、今同じ大学へ進学したか、または、別の大学へ入学しても、昔の友達同士で遊びに行ったというところでしょう。
Xさんが今のところ、回数としては、積極的に、電話をくれるのだそうですが、どうも、婉曲というか、回りくどいというか、自信がない話し方であるというか、で、女性としての、Aさんは、いらいらしがちらしいのです。Xさんはバイト先の上司というか、学生としての教室での付き合いではないらしい。
だから、BさんはXさんのことも、Yさんのことも知りません。で、その違いを説明するべく、Aさんは、「Yさんとなら、何かがあっても、よいんだけど、Xさんだとそういう気持ちにならないんだなあー」と説明するので、思わず内心で笑ってしまいました。男性を説明するのに、これほど、適切な言葉があるだろうか? と思って。
二人は決して下品ではなく、会話の内容はセンスがあっておもしろいのです。が、上にあげた、ひとつだけを公開してあとは、秘めます。でも、何度も「鬼畜だわー」という間投詞が入るので、それだけは強く印象に残りました。それは決して否定的な意味で、言っているのではなくて、軽くてかわいい間投詞として使われていました。では、本日も軽い話題で、恐れ入りますが、ここで、終わらせてくださいませ。 2010年5月10日 雨宮舜
「電話が男の子の友人二人から家用の固定電話と、自分用の携帯に同時に、かかってきて、それを、当の二人の男の子、(または、男の人)自身が、どう思うかなあって、ねえ・・・・」「鬼畜だわー」とか何とか。
ちょっと驚いてしまったのは、会話を交わしている二人の女の子の、親しさの程度が、楽しすぎるぐらい弾んでいることです。日本語で、これほど、すばやい反応を交し合っている、二人組みは早々いません。アメリカの会話では、こういう間投詞が発達しているのですが、日本語の会話では、発達していないと思っていたのに、私の知らない若い人たちの間では、日本語がものすごく変わっているのです。
特に間に挟まる「鬼畜だわー」と言う間投詞が、どうも字面とは、違うらしいのです。鬼畜という言葉からは、否定するときに使うと、思いがちですが、そうではないらしい。そこに大変な興味を抱いて、聞くともなく聞いていると、内容も面白いのです。
皆さんは、源氏物語の中にある、『雨夜の品定め』というエピソードをご存知ですね。その女性版です。女性のほうが、知り合いの男性のことを、判断しているわけです。
私の右側にいる、ふたりの女性のうち、近い人をAさんと仮にして、遠いほうを、Bさんと仮に名前をつけますと、Aさんが、知人の男性である、Xさんと、Yさんについて、Bさんにあれこれ、説明しているのです。二人は高校時代の親友らしく、今同じ大学へ進学したか、または、別の大学へ入学しても、昔の友達同士で遊びに行ったというところでしょう。
Xさんが今のところ、回数としては、積極的に、電話をくれるのだそうですが、どうも、婉曲というか、回りくどいというか、自信がない話し方であるというか、で、女性としての、Aさんは、いらいらしがちらしいのです。Xさんはバイト先の上司というか、学生としての教室での付き合いではないらしい。
だから、BさんはXさんのことも、Yさんのことも知りません。で、その違いを説明するべく、Aさんは、「Yさんとなら、何かがあっても、よいんだけど、Xさんだとそういう気持ちにならないんだなあー」と説明するので、思わず内心で笑ってしまいました。男性を説明するのに、これほど、適切な言葉があるだろうか? と思って。
二人は決して下品ではなく、会話の内容はセンスがあっておもしろいのです。が、上にあげた、ひとつだけを公開してあとは、秘めます。でも、何度も「鬼畜だわー」という間投詞が入るので、それだけは強く印象に残りました。それは決して否定的な意味で、言っているのではなくて、軽くてかわいい間投詞として使われていました。では、本日も軽い話題で、恐れ入りますが、ここで、終わらせてくださいませ。 2010年5月10日 雨宮舜