新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

看護師不足:現場の状況は深刻です

2010-05-16 14:26:35 | 医療

さて、今度のは本当に大きな問題です。

 

医師も不足していますが、看護師も不足しています

 

少なくともうちの病棟では「医師」は「死ぬ覚悟で頑張れ!」という感じで頑張っていますが、「看護師さん」もすごく頑張っています。

 

先程帰ってきたときに昨日の21時から勤務が始まった夜勤(看護師不足で2交代制になった)の看護師さんが残っていました

 

すでに21時前から来ていたでしょうから・・・おそらく16時間くらいの連続勤務になっているのではないでしょうか?

 

 

とんでもない話ですが…こういうのが続いて、どんどん看護師さんが辞めていき…病棟全体が厳しくなっていくのですよ。

 

上が辞めて…新卒が補充され…それは全体に大きな歪を生んで…そのうち解消不能な状況になると思います。

 

これがたまたま今日の状況。いつも12時間以上の勤務になっていますね・・・。

 

これが現場の状況だと思って、次の記事をご覧ください。

 

 

看護師アンケ:「辞めたい」8割超 背景に深刻な人手不足 /静岡

5月14日10時34分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100514-00000002-mailo-l22  

◇「やりがい」感じるが…  

県内の看護師に「仕事を辞めたいと思うことがあるか」を尋ねたところ、「いつも思う」「ときどき思う」を合わせて8割超に上ることが県看護連絡会がまとめたアンケートで分かった。一方で、7割超が「仕事にやりがいを感じている」と答えており、同会は、看護現場の深刻な人手不足が背景にあるとみている。 

 

アンケートは昨年末から今年1月、県内の看護師不足の実情を把握するため13年ぶりに実施した。規模の大きい16病院(計5110床)で働く看護師を対象に質問し、約半数にあたる1206人が回答。このうち女性が95・6%を占めた。 看護の仕事について聞いたところ、75・3%は「やりがいを感じている」と答えたものの、「辞めたいと思わない」は12・0%にとどまった。 

 

逆に、22・7%は「辞めたいといつも思う」と回答。「辞めたいとときどき思う」が61・5%おり、8割以上が辞めたい気持ちを抱いたことがあると回答した。 

 

その理由を複数回答で尋ねたところ、割合が高かった順に▽賃金が安い(51・5%)▽人手不足で仕事がきつい(49・1%)▽思うような看護ができず、達成感がない(29・7%)▽夜勤がつらい(28・1%)--などと続いた。また妊娠を経験した看護師の31・3%が切迫流産になり、流産したとの回答も9・5%に上った。 

 

また、同会が3月、県内で実施した別のアンケートで看護師4257人から寄せられた回答をまとめたところ、夜勤の1カ月の平均回数は8・3回。「9回以上」との回答も51・2%に上った。 

同会の下村昌子代表(63)は「1年以内に辞める看護師が1割に上っている。医療機関の経営者はこうした実態を踏まえて対応してほしい」と話した。【平林由梨】

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看護師アンケ:75%が「辞めたい」 人手不足、過酷な勤務背景に /青森

5月15日10時40分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100515-00000017-mailo-l02  

県内医療機関で働く看護師や助産師など看護職員の75・9%が仕事を「辞めたい」と考えていることが、県医労連(山本公行委員長)の調査で分かった。慢性的な人手不足や過酷な勤務実態が理由で、ミスの経験も8割以上が訴えるなど、影響が患者に及びかねない厳しい状況。県医労連は15日、JR青森駅前広場で調査結果を市民に報告し、増員を求める集会を開く。 昨年11月~今年1月、県内の組合員約1600人にアンケート用紙を配布し、428人から回答を得た。 

 

仕事を辞めたいと思うかとの問いに、15・9%が「いつも思う」、60%が「ときどき思う」と答えた。辞めたい理由は、「賃金が安い」が39・7%で最も多く、「人手不足できつい」が38・2%、「思うような看護ができず達成感がない」が35・7%で続いた。 

1年前と比べた業務量では、「大幅に増えた」が25・7%、「若干増えた」は42・2%。さらに、過去3年間のミス・ニアミス経験については、82・2%が「起こしたことがある」と回答、原因として81・8%が「人手不足による忙しさ」を挙げた。 

13日に県庁で記者会見した「あおもり協立病院」(青森市)に10年勤務する八戸久美子さん(32)は「妊娠しても忙しくて病院に行けず、流産する同僚もいる」。藤代健生病院(弘前市)に5年勤務する工藤愛美さん(25)は「健康で働いている人は少ない。このままでは質の高い看護を提供できなくなる」と訴えた。

【高橋真志】

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数年前に「立ち去り型サボタージュ」という言葉がはやりました。

僕個人はむしろ大学病院などで最後まで頑張りたいと思っていますが、なかなかそういうわけにもいかない職場に勤務していますが・・・・(先日、お声をかけていただきました某先生。冗談でも「うちに来ないか」と言っていただけたこと嬉しく存じます)。

医者も看護師も「常識のある人間」です

 

肉体的・精神的限界も個人差はあるとしても・・ありますし、家族などの他の人間関係もあります

 

肉体を限界まで酷使して、精神的にも疲れ果て…帰ってきたら寝て・・起きたら病院に行く。その生活をずっと続けることは普通は難しいのです。

 

看護師さんが大変なのは…医者よりも直接患者さんに接する機会が多いからだと思います。確かに医療行為、特に投薬だとか治療方針などは医師が決めることでしょう。

 

しかし、入院患者さんなどと直接接する機会が多いのは看護師さんです。

 

僕もお一人だけ、言われないようなことを言われてがっくりきたことがありましたが・・・やはり限界ぎりぎりを頑張っている人間(医師も人間、看護師も人間)はちょっとしたことでも「バランス」を保てなくなると思います。

 

やりがいは多くの人があると思っています。それはアンケート結果からも明らかです。

 

しかし、その現場が明らかにストレスが多く、ストレスを解除するものも少ない状況では…ちょっとしたことでバランスは崩れます

 

例えば、今入院中の方でも看護師と医師に対する態度が違いすぎる人もいます。それは日本の風習なのかもしれませんが・・・看護師さんのほうが直接的に面倒を見てくれています。

例えば・・・・

点滴が逆流した!どうするんだ、この野郎

みたいなことを叫んでいた患者さんがいましたが、看護師さんも慣れたもので卒なく対応していました。

 

ただ・・・僕だったら

「しゃがんでください。それだけで大丈夫だと思いますよ」

くらいですませたかもしれません。僕には絶対言わないでしょうけど・・・。

 

ほとんどの患者さんは

「逆流しました。見てください」

というだけですね・・・。

 

やはり、患者さんの変わった人の印象のほうが強いんだな・・・。気をつけないと・・・変なイメージを作ってしまいかねませんね。

 

 

ともかく、現場はかなり疲弊しています。特に地方の大病院、地方の大学病院では看護師不足に悩まされているのではないかと思います。

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なかのひと 

それはさらに悪循環を作っていってしまいます。

 

それは医療従事者にとっても患者さんにとってもよくないことです。

 

これを改善できるような体制を作ってほしいと切に願います

それでは、また。

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ど~でもいい話:僕と無駄な正義感?(そのうち刺されそう・・汗)

2010-05-16 13:46:53 | ど~でもいい話

さて、続きます。

 

この記事は大した記事ではありません。

昨夜・・・食事に行った帰りですが、コンビニで酔っぱらったおっちゃんがすごい勢いで暴れていまして、店員2人(どっちも小柄な若い女性)はもう完全に無視状態

確かに手に負えないだろうし・・・。けど食ってかかっているのは店員二人に対してなんですけどね。

 

 

で、自分の買い物をした後…あまりにもひどいので(他の人の迷惑になるので)

「うるさい!」

といったところ、突っかかってきたので・・・思わず胸倉つかんで持ち上げて、床に

「ぽいっ」

てやって(・・・というか床に投げ捨てかしら…汗)、そのままATMへ・・・。

 

そしたらATMにまで突っかかってきたので、そのまま店の外まで投げてから帰りました

 

一応、本人を殴ったりはしていません。怪我をさせないように気をつけて(もう少し突っかかってきたら殴りそうでしたけど)、店の外に放り出しました

 

浪人中も札幌市内で修学旅行中の中学生をからんでいた二人組をドツキ倒したことがありましたが(これは若気の至りということで・・・)、こういう抵抗できない相手にいろいろやっている人見ると腹が立つんですよね。

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なかのひと 

けど・・・こういうことしているうちに刺されそうな気がしてきて・・・(汗

 

見て見ぬふりもできないことはないんですけど、昨日の場合・・・どういう理由があっても・・・・(というか見ず知らずの人間に突っかかってくる酩酊状態の酔っぱらいに理屈があるのかは知りませんが・・・。ついでに叫んでいる内容を聞いている限り言いがかり以外の何もんでもないんですけど)

「こいつは酔っぱらって絡んでいるだけ。しかも悪質・・・」

と判断して思わず介入してしまいました。

 

一人くらい若い男の店員がいたら、スルーしたんですけどね・・・

 

そろそろ気をつけないとな~と思ったりしました。

 

もう一個真面目な記事書きます。

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対ATL:国を挙げて対策へ・・・

2010-05-16 13:26:14 | 医療

こんにちは

 

先程、帰ってきました。今週は…ちょっと荒れた病棟でしたが、ようやく少しずつ改善の方向へ向かっています。新病棟初移植の患者さんも、いい感じで進んでいます。 このままうまくいってほしいです。

次の移植も始まり、もうすぐ3番目、4番目と続いていきますので…全員うまくいってほしいところです。

 

 

さて、先程コメントのところで紹介していただいた記事を改めて紹介したいと思います。

 

ATL 総合対策へ前進 有識者会議 公的組織に 民主が要望へ

2010年05月14日 10:04 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/feature/article4/20100514/20100514_0001.shtml  

九州に患者が多い成人T細胞白血病(ATL)などの原因ウイルスHTLV1について、民主党の青木愛副幹事長は13日、感染予防や患者支援などの総合対策に向けた公的協議会の設置を厚生労働省に求める意向を表明した。研究者や患者代表などでつくる任意団体「HTLV1感染総合対策等に関する有識者会議」(座長=渡辺俊樹・東大大学院教授)を来年度から同省の公的組織に“昇格”させる考えを示したもので、患者団体は「国の本格的な対策が前進する」と期待している。  

 

昨年度に発足した有識者会議の山野嘉久・聖マリアンナ医科大准教授や、NPO法人「日本からHTLVウイルスをなくす会」の菅付加代子代表理事が13日、有識者会議の公的会議への格上げを求める要望書を青木氏に提出。青木氏は「有識者会議は格上げしなくてはならない。党として厚労省に申し上げておく」と述べ、来年度予算に関連経費を盛り込むよう求める考えを示した。  

 

有識者会議は(1)全国一律の妊婦抗体検査(2)診療体制や感染者の相談窓口の整備(3)発症予防法や治療薬の研究開発-などの総合対策を国に提言しており、公的組織への昇格で、今後の対策や政策立案に中心的な役割を担うことが見込まれる。  

 

エイズや肝炎並みの総合対策を国に求めてきた菅付代表理事は「努力が実る時が近づいています、との党側の言葉を信じたい」と期待。渡辺教授は「総合対策への大きな一歩。公的組織になれば、決めたことを厚労省の政策に反映させることができる」と評価した。

 

=2010/05/14付 西日本新聞朝刊=

◆ATL問題に関する質問や意見をお寄せください。住所、氏名、連絡先を明記の上、あて先は〒810-8721(住所不要)、西日本新聞報道センター「ATL問題」取材班。 ファクス=092(711)6246

メール=syakai@nishinippon.co.jp

◆ATL患者や家族からの相談は

NPO法人「日本からHTLVウイルスをなくす会」=http://www.minc.ne.jp/~nakusukai/index.html

NPO法人はむるの会=http://htlv1toukyou.kuronowish.com/

◆ATLのことを詳しく知りたい時は JSPFAD(HTLV1感染者疫学共同研究班)=http://www.htlv1.org/

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ATLは予防可能なものだと思います。

 

全てが予防可能かどうかはわかりません。それはウイルス陰性のATLがごく稀に報告されているからですが、99%ウイルスがらみだと思えば予防のための処置を行うことは多くの国民の利益につながりますし、将来的には必ず医療費にも良い影響を与えると思います。

http://blog.with2.net/link.php?602868

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なかのひと 

ぜひ、国として進めていってほしい事業だと思います

 

それでは、次の記事に移ります。

コメント (3)
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