こんばんは
今日は朝からやることが多く、予定外に朝食も食べ損ねました。本当は回診してから食事をするつもりでしたが、末梢血幹細胞採取(医師サイドでやっています)を行う予定になっていたので、血液内科志望の研修医の先生に回路を組んでもらって(指導しながら)、いろいろやっているうちに時間が過ぎていきました。
採取は滞りなく終わりましたが、できることなら明日までで終わりたいところです。
さて、本日はこちらの記事を紹介します。
「さい帯血移植」世界で初めて1万例超える
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130902-00000940-yom-soci
読売新聞 9月2日(月)18時18分配信
日本さい帯血バンクネットワークは2日、白血病などの患者に対して行う「さい帯血移植」の治療数が先月、世界で初めて1万例を超えたと発表した。
さい帯血とは、へその緒(さい帯)や胎盤に含まれる血液。白血球や赤血球、血小板など様々な血液の成分を生み出す「造血幹細胞」が含まれており、白血病など重い血液の病気の治療に使われる。
国内では1997年2月に始まり、現在は年間約1000例が行われている。先月29日、移植の累計数が1万例を突破した。
同ネットワークは今月28日、東京・田町で医師や患者を交えた記念のイベントを行う。
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臍帯血移植は「すでに保存されており、すぐに使用できる」というメリットがありますが、免疫系としては若干弱く「HHV-6」などの再活性化が起きやすいといわれています。造血回復は若干遅いですし。
デメリットはありますが、本当に保存されているというメリットは大きく・・・適切なドナーが得られなかった場合や原疾患の病勢コントロールが長期的に難しい場合などで使われます。一部の施設では臍帯血の方が良いという施設もありますが、管理能力が高い施設である(自分たちのラボで、そういったウイルスも側的できるなど)などすべての施設でまねできるとは言えません。
しかし、やはり「すぐに使用できる」というメリットは本当に重要で、生着不全(運悪く移植したドナーさんの細胞が増えてこなかった)などでも使われます。僕たちもいざというときに「臍帯血を・・・」と思ったりしますので、本当に重要な造血幹細胞源です。
臍帯血移植が日本で1万例も行われたというのは素晴らしい話なのだろうと思います。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。