こんばんは
研究(実験+臨床データ解析)をしながら、体調を整えている最近です。
先週の土曜日にアザシチジン関連(MDS関連といった方が良いでしょうか)の研究会に参加し、終了後に以前よりご指導いただいていた先生と飲みに行きました。
いろいろ話をしたおかげで、若干ストレスが解消しました。なんとなく体調も上向きで(寝不足ではありますが)、いつもの20%くらいには改善しているような気がします。
まぁ、改善仕掛けに頑張るのはよくないので、じっくり改善させていくつもりです。3月上旬までは学会発表はありませんし、学会の抄録作る段階で仮のスライドを作成することにしているので、学会直前に推敲することにしようと思います。
さて、最近ノバルティス社がいろいろなところでたたかれていますね。いい薬なんですけどね
ノバルティス、白血病薬不正の隠せぬ証拠
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140128-00029225-toyo-bus_all&p=1
東洋経済オンライン 1月28日(火)9時45分配信
世界第2位の製薬会社であるノバルティスファーマの日本法人を舞台にしたスキャンダルが大きな拡がりを見せている。臨床研究データの改ざんの疑いが持たれている高血圧症治療薬ディオバンだけでなく、慢性骨髄性白血病治療薬を用いた医師主導臨床研究でも、新たな問題が判明したのだ。
【詳細画像または表】
ノバルティスは1月23日に二之宮義泰社長らによる記者会見を開催。東京大学医学部附属病院の血液・腫瘍内科(黒川峰夫教授)が中心になって実施してきた医師主導臨床研究「SIGN研究」で、同社の医薬情報担当者(MR)が不適切な形で関与していた事実があったと明らかにした。
東大病院など22の医療施設が参加した同研究では、医師が慢性骨髄性白血病治療薬の副作用に関する患者へのアンケート調査を実施。副作用の軽減につながるなど医師が必要と判断した場合に、ノバルティスの従来薬グリベック(一般名イマチニブ)などから、薬価が3割近く高い同社の白血病新薬タシグナ(一般名ニロチニブ)に切り替える手順になっていた。
■ アンケート回収にMRが関与
ノバルティスによれば、患者に実施したアンケート内容が記載された書類を、ルールを逸脱してMRが医療施設から預かり、研究事務局を務める東大病院に運んでいた。研究参加施設を担当していたMR18人のうち8人がこうした不適切な行為に関与していたことが判明。東大病院の説明では「255例中の125例で(MRによる)関与の可能性がある」という。
加えてノバルティスの東日本営業部内において、担当する医療施設でのアンケート記載枚数を競わせる「インセンティブプログラム」が実施されており、2つのチームのうちでより多くの枚数を達成したチームに上司との会食やスターバックスコーヒーで使える無料チケットを配るなどの報償を与えていたことも同社が明らかにした。二之宮社長は「医師主導臨床研究にインセンティブプログラムを関わらせたことはいかなる形であっても絶対に認められない」と述べる一方、「社内審査をすり抜けて現場で行われていた」(同氏)としている。
■ ノバルティスが研究をお膳立て
ただ、「現場による不祥事」を強調するノバルティスの発表で疑惑が晴れたわけではない。担当の淺川一雄・常務取締役オンコロジー事業部長が記者会見で「事実関係については調査中」と繰り返したように、ノバルティスは多くの疑惑をベールに包み込んだままにしている。「実態はノバルティス主導の臨床研究だったのではないか」(東京大学医科学研究所の上昌広特任教授)と見られていながら、同社は、「3月をメドにした専門家による調査の終了を待ちたい」(二之宮社長)などと、時間稼ぎと受け取られかねない発言をしている。
こうした中、臨床研究に参加した医療施設関係者への取材から、疑惑の全容解明につながりうる驚くべき事実が明らかになってきた。
この医療施設が報道をきっかけに調べたところ、「臨床研究申請書」や「実施計画書」など多くの文書がノバルティスのMRから直接、医療施設宛てに電子メールで送られてきていたことがわかった。また、実施計画書や患者への説明文書、アンケート同意書のひな型などおびただしい数の文書がノバルティスの社内で作成されていた形跡があることも、東大病院の担当者から送られてきた電子メールに残された記録から明らかになっている。具体的にはワードやエクセル文書のプロパティ(作成者などの情報)欄に「Novartis」の記載があった。
ノバルティスは記者会見で、「(東大病院が中心となった)研究組織に対して、アンケート用複写用紙の印刷の手伝い、プロトコル委員会への弊社東京事務所会議室の貸し出し、医師に対する試験の案内、アンケート用複写用紙の提供等の手伝いを実施していたことが判明している」などと説明しているが、実際の関与ははるかに深いことがわかる。
本誌が入手したSIGN研究の「実施計画書」では、「利益相反と研究資金源」の項目に次のような記載がある。
「本研究の計画、実施、発表に関して可能性のある利益相反(conflict of interest)はない。利益相反とは研究に影響するような利害関係を指し、金銭および個人の関係を含む」
だが、臨床研究が製薬会社の協力にどっぷり依存していた実態はこの記述から大きくかけ離れており、実施計画に記されている研究実施のルールにも違反していることは明確だ。
■ 中間解析結果を販促にも使用
看過できないのは、ノバルティスが、臨床研究の中間解析結果をセールスプロモーション(販売促進)にも活用していたことだ。この事実は記者会見で二之宮社長が認めた。
2013年10月に札幌市内で開催された日本血液学会学術集会での発表スライドを元に、ノバルティスは販促資料を作成。2カ月にわたって医療関係者などに配付していた。さらにこの発表スライド作成にもノバルティス社員が関与していた形跡が、前出の医療施設が調べた電子メールでの通信記録から見つかっている。
「医師主導臨床研究の名を借りた企業によるバックアップ研究ではなかったのか」との記者会見での質問に対して淺川常務は「事実関係について調査中」と答えるにとどめている。しかしながら、ノバルティスがここまで深く研究に関与していた以上、「医師主導臨床研究」という謳い文句そのものが虚偽だった可能性が高い。
東洋経済の取材に応じた参加医療施設の関係者は「東大病院の黒川教授から誘いを受けたとはいえ、深く考えずに研究に参画したのは軽率だった。黒川教授には事実関係について説明を求めているが、何の返事もない。研究責任者としてきちんと経緯を明らかにしてほしい」などと語っている。
なお、東大病院からは、「調査に時間を要する」ことを理由に疑惑を晴らすことにつながるような回答は得られなかった。
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うーん、臨床研究ではないですが、うちの解析データでも確かに「ニロチニブ」に変更することでイマチニブで問題になっていた「血球減少」や「筋肉のつり(こむらがえり)」が減少しました(2012年までのデータの解析はやりましたので)。
代わりに検査値上の異常が出たりしますが、患者さん本人はあまり実害を感じられないので良いかなと思いますし、効果は間違いなく高いですからね。
ただ、こうなってくると研究が中止になるでしょうし、別の臨床研究が必要になるのでしょうね。
患者さんがこのような報道があったからといって「ニロチニブ」からの変更を希望する必要はないと思います。効果がはっきりと出ていて経過が良いならば継続するべきだと思います。
記事には「薬価が3割近く高い同社の白血病新薬タシグナ(一般名ニロチニブ)に切り替える手順」となっていますが、イマチニブの薬価改定後に内服を始めた人だと「高額療養費」に引っかからない人もいると思います。その場合、患者負担は恐らくニロチニブの方が安くなると思います。
ノバルティス社の関与が高いとすれば問題ですが(まだ3月まではわからないということのようですし)、効果には疑いがあるわけではないですので、患者さんがこの報道に影響されて薬剤の変更と言いださないように願うところです。
僕が使っている感触ではニロチニブが一番使いやすいですよ。ダサチニブが好きな先生もいると思いますけど、昨年末に開始した人も糖尿病などの関係でニロチニブを止めてダサチニブにしましたが、休薬繰り返しています。まぁ、効果はすごくよかったのですけど。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また
P.S
先日来たご高齢の患者さんに血液疾患の治療と並行して「補中益気湯」を開始したところ、体調も良くなったらしくすこぶる元気に外来を受診されました。食欲も改善して、体重が2週間で3kg増加したそうです。
ちなみに僕も今は虚証と判断して、補中益気湯を内服中です。
こんな感じで1か月くらいは体調改善に努めたいところです。