こんばんは
先週末は日本血液学会に参加してきました。
かなり有意義な時間を過ごすことができ、勉強になりました。また、3日とも楽しい飲み会をして、旧友や後輩、先輩ドクターや上司と過ごすことができました。
その代り、風邪をひいて昨日は職場で診察などを終えた後、早退して家で一日寝ていましたが(汗
医師も風邪をひきますので、許してください。
さて、先日より近藤誠医師の話題が出ている。
川島なお美さんの話で、治療を受けなかったら延命できたとか、私のところに来たとかそういう話についてです。
守秘義務違反かどうかということについては、法律でどうであっても、自分が死んだあとでそんな話を言いふらされたくはないと思う。医師とかどうだとか言う前に人としてどうかとは思います。
また、医療現場でいつも言うことがあります。基本的には標準治療とされているものだったり、こういわれているが効くか効かないかはやってみないとわからない(必ず言います)。
医療に「たら、れば」はないという話である。
ある患者さんには有効だったとしても、ある患者さんには無効であることもある。過去の話がすべての患者さんに当てはまるわけではない。
5年生存率90%であっても10%のグループに入ったら、患者さんにとっては同じである。
いつも近藤医師の話は「たら、れば」でできており、仮定を繰り返しているだけのようなもので何を言っているのかと思ったりします。
治療を受けなかったら…という話はないし、川島さんは治療を受けたのであって、それ以上もそれ以下もないです。
僕は悪性リンパ腫とか白血病であっても「標準治療」が適応で、統計学的なことを知っても治療方針に変更がない場合
「もし、○○さんがどのくらい治るのか知りたいとおっしゃられれば、統計学的な話はできます。しかし、それを知ったから何かが変わるわけでもなく、まずはこの治療で治そうという話でよいのではないかと思います。治せるようにまずは頑張る。運悪く治らないようなことがあった場合は、その時に次の手を考えるのは我々医師がその時の最良の手を考えますので、まずは今の治療で治るつもりで頑張ってください」
と、言ってしまっている。だからかよくわかりませんが、僕の担当した患者さんは完治率が多分高いです(医師ごとに統計はとっていませんが、一般的な統計学的な確率よりは高いです)
もちろん、リスクなどは言っています。
そのうえで治療を受けないとおっしゃられた場合は、そのほかの方法を提示したりもしています
実際に「たら、れば」はなく、標準的な方法を選ばれなかった患者さんたちにも
「自分がこう選んだ以上は、これが最良の選択肢だったのだと信じてください」
と言っています。「たら、れば」が入るところはないと思っています。
・・・標準的な方法を選ばなかった再発患者さんたちが、寛解に入ったりした人もいるんですよね、何人か。数がもう少し増えたら統計学的に解析してみてもいいのですが・・・。
それ故、近藤医師だけは僕も不快に思ってしまいます。役に立っているとは思えないので。
治療をしないのも選択肢、治療を受けるのも選択肢。ただ、それが結果としてどうだったかは誰もわからないし、逆の手段をとった人を批判しても医療不信の種をまいているだけだと
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。