新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

STAP Conditionなんだけどなぁ:話している内容が違うと思う

2016-05-15 16:44:43 | 医学系

こんにちは

 

GW明けからは毎日病院にいるので休んでいる気はしない(まぁ、休んでいると違和感を感じるところもありますが)日々が続いております。

 

今日はバックアップだったのですが、娘や嫁さんがいないときは書き仕事をやっております。少し落ち着いて来たら、いろいろなものを書いていきますので、よろしくお願いいたします。

 

さて、たぶん気になった人は気になったと思うのですが、こんな記事が出ていました。

 

STAP現象の確認に成功、独有力大学が…責任逃れした理研と早稲田大学の責任、問われる

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160514-00010004-bjournal-soci

Business Journal 5月14日(土)6時1分配信

 今年3月10日、ドイツの名門大学、ハイデルベルク大学の研究グループがSTAP関連の論文を発表した。論文タイトルは『Modified STAP conditions facilitate bivalent fate decision between pluripotency and apoptosis in Jurkat T-lymphocytes(邦訳:修正STAP条件によって、JurkatT細胞の運命が多能性と細胞死の間で二極分化する)』である。

 海外の一流大学が、いわゆる「STAP現象」の再現実験を行ったということで話題となっている。以下に同論文の概要を紹介する。

<(1)序論:STAP論文は撤回されたが、低pHの刺激による万能性獲得の可能性は、がん、または、がん幹細胞の分野においては魅力的な課題である。

(2)実験:そこで、理化学研究所と米ハーバード大学から発表されたプロトコルを改変して、セルライン化されたT細胞に刺激を与える実験を行った。

(3)結果:当グループが見つけたpH3.3の条件では、酸処理後、多能性マーカーの一種であるAP染色陽性細胞の割合が増加した。AP陽性の多能性細胞は酸処理ストレス下を生き延びて優位に増加

(4)考察:小保方晴子氏【編注:一連のSTAP細胞論文問題をめぐり2014年12月に理研を退職】が英科学誌「ネイチャー」で発表したプロトコルでは成功しなかった。それは、使用している緩衝液の緩衝能が適していないことが理由として考えられたので、それも変更した。

 一番の発見は、このような瀕死のストレス条件では、Acute T-cell leukemia(ヒト急性T細胞白血病)の細胞株である JurkatT細胞が、万能性を獲得するか、もしくは死ぬかの間で揺らいでいることである。何がそれを左右するのかを探るのが今後の課題だ>

 わかりやすく解説すると、以下のようになる。

<小保方氏が発見したSTAP現象を、がん細胞の一種であるJurkatT細胞を用いて再現実験を試みた。同細胞に対しては、小保方氏がネイチャーで発表した細胞に酸性ストレスをかける方法ではうまくいかなかったため、独自に修正した酸性ストレスをかける方法を試してみたところ、細胞が多能性(体のどんな細胞になれる能力)を示す反応を確認した。それと同時に細胞が死んでしまう現象も確認されたので、何が細胞の運命を分けているのかを探っていきたい>

●がん細胞の分野で研究の価値大

(中略)


 日本国内では、マスコミによる異常な偏向報道によって、完全に葬り去られたように印象づけられたSTAP現象だが、そのような先入観もない海外の大学によって再現実験が試みられた事実は大きい。

●日本の専門家たちの間違い

 一部の専門家は、小保方氏がSTAP細胞のレシピ(詳細な作製手順)を公表するサイト「STAP HOPE PAGE」を開設した際にも、「STAPを今さら研究する研究者は世界にどこにもいない」と批判していたが、それが完全な間違いであったことが証明された。

 ネイチャーのSTAP論文が撤回された理由は、小保方氏が発見した「STAP現象」の否定ではなかったことは前回記事で述べた通りである。

 小保方氏の人権を蹂躙するかのようなマスコミがつくり上げた世論に同調し、常識を逸脱した禁じ手まで使って論文をなきものとして責任逃れをした理研や早稲田大学と比べ、真摯に生物学的現象を追究するハイデルベルク大学のニュートラルな姿勢は、科学に向き合う本来のあり方を教えてくれる。

 ハイデルベルク大学が発表した今回の論文によって、STAP現象に対する世界的な関心が再び高まっていくかもしれない。
(文=大宅健一郎/ジャーナリスト)

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論文そのもの(自宅では引けませんでした)を確認していませんので、あまり書きませんが書かれていることだけで判断できることを。

 

(1)STAPとは話が違う

これはただ同じような酸性環境を用いたというだけで分化した細胞が多能性幹細胞を持つようになったという話ではないと思われる

(2)どちらかというと「がん幹細胞」を見つけるのに役立つかもしれないということ

「がん幹細胞」を見つけ出すことができれば、それをターゲットに様々な研究ができるかもしれないので非常に面白いような気がする。

 

ですので、記事の終わりあたりの書き方はわざわざこんな書き方をしなくてもよさそうだけど・・・と思ったりしております。

 

個人的に思っただけですが。

 

今から夕食の買い物に行くので(書いてる途中にも病棟から電話があったので、近場にしかいけませんが)、この辺で。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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それでは、また。

 

 

 

コメント (2)
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