未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




実はメスだった 上野動物園のツキノワグマ、「改名」
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/K2007112602670.html

 富山市ファミリーパークから上野動物園(東京都)に、繁殖のためオスとして送られた幼いツキノワグマが、実はメスだったことがわかった。
 このクマは昨年4月、富山県南砺(なんと)市で猟友会が「タロウ」と名づけて保護。パークでもオスとして預かり、同園の求めに応じ「タロウ」を同園のオスと交換した。
 同園によると、幼いクマは性器が小さく性別の判断が難しかったが、その後成長してメスとわかった。職員らが「タロちゃん」と呼んでいたが、名前は「タロコ」と改められた。

「お座り下さい。」
「はい。どうでしょう?」
「血圧、血液検査、尿検査、レントゲン、心電図・・・。全てAランクですね。今時珍しいくらいに、健康状態は申し分ありませんね。」
「小さい頃から、体力には自信があるんです。ですが、何か引っかかる言い方ですね。」
「はっきりと、申しあげましょう。今日からは『タロコ』と名乗ることをお勧めしますよ。」
「『タロコ』?」
「上野動物園に贈られた「タロウ」と言う名のツキノワグマが、実はメスであることが解り、『タロコ』と改名された。という、ニュースをご存じありせんか?」
「いえ。知りませんわ。」
「あったんですよ。そーゆー出来事が。」
「ちょっと待って下さい!私の名前は『タロウ』ではありませんし、そもそも私は女ですよ。」
「ええ。それは、分かっていますよ。」
「仮に、『男であることが解った。』とでもおっしゃるのでしたら、『タロウ』と名乗ることを勧めるべきでは、ありませんか?」
「いえ、そうではないんです。実はあなたは、ツキノワグマであることが解りましてね。」
「・・・」
「私の言っていることは、ご理解頂けましたか?」
「・・・」
「ショックなのはお察し致します。」
「・・・」
「心理療法士をお呼び致しましょうか?」
「・・・いえ、結構です。ちょっと考え事をしていたものですから。」
「心配事があれば、なんでもご相談下さい。」
「名前は、自分で付けても良いんでしょうか。」
「ええ。もちろんです。」
「では『月野うさぎ』に改名したいんですが?」
「セーラームーンですね。」
「ええ。小さい頃からの憧れだったんです。」
「残念ながら、ツキノワグマには、名字の使用は認められていないんですよ。」
「本当ですか?」
「ええ。」
「なんで、そんなこと、ご存じなんですか?」
「最近、良くあるんですよ。手順はマニュアル化されています。」
「良くあるんですか?」
「ええ。」
「『ツキノワグマであることが解る。』なんてことが??」
「いや、ツキノワグマは、私も初めてですがね。あぁ、それから、身分証や携帯電話など、人間の名義で取得されているものは、置いて行って下さい。」
「服は着て行ってもよろしいんでしょうね?」
「ええ。ですが、なるべく早く、ツキノワグマとしての生活に慣れた方が、精神的に楽になりますよ。」
「この後、どうなるんでしょうか。まさか、サーカスに売り飛ばされたりしないでしょうね。」
「ご安心下さい。ツキノワグマは、今では絶滅危惧種に指定されていましてね。繁殖のために動物園に送られることになるでしょうね。」



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