『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観て来た。
予告を見て、「これ、タランティーノっぽくないんだけど、期待して大丈夫なの?」と思った方。
大丈夫です。
自分もそう思っていた。
いや、途中までそういう映画だった。
耐えきれずに、途中退席している人が何人かいたが、我慢して観てみよう。
途中というか、2/3位までは、見事にそういう映画だった。
古き良き時代のハリウッドを、郷愁に塗れながらも、丁寧に描いている。
レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットのW主演でありながら、2人の友情や対立などが描かれているわけではないので、ストーリーとしては物足りない。
正直、「タランティーノ、ボケたのか?」「なんか、自分もちゃんとした映画が撮れるってことを示せるような映画を、一度撮ってみたかったのか?」
?が沢山並びながら観ていた。
普通の映画であったしても、ストーリーが散逸的でありながらも、その一つ一つに冗長感があり、
「一体、何が撮りたいのか?」
「ただ、古き良きハリウッドの思い出を、ファミリームービーがごとく映像に残したかっただけなのか?」
「これ、タランティーノの映画と思って、観て良いのか?」
「タランティーノが撮ったということは、忘れて観ないといけないのか?」
?は続く。
車で移動するシーンがちょいちょいある。当時を再現するために、かなりの台数のクラッシックカーを集めて撮影しているようだ。
これだけでも、結構金がかかっているように感じられる。
観ていて、感じられてしまうんだよ。なんか、どーでもいーとこに、金かかってんなー。って。
自分も、途中退席したくなった。
でも、まさかタランティーノがそんな映画撮るはずないよね?
ないよね?
ないよね?
?を続けながら、必死に堪えた。
いつものタランティーノ節というのか、本題とはずれた小ネタを長々と引き延ばすような演出すら、観られない。
そう、オープニングの書体と、ゾーイ・ベル以外、全くタランティーノ色が感じられない。
俺はさ、タランティーノの新作を観に来たんだけど。。。
・・・
結局は、タランティーノの映画として終わる。
これはね、もう、拍手喝采ものなんだけど、日本人にはピンと来ないのが残念だ。
自分は事前に関連記事で、「シャロン・テート事件」は押さえておいた方が良い。
との一文を読んでいた(事件の内容はなんとなく知っていた)ので、エンドロールの直前ぐらいに、「あー、そういうことだったのね。」と、初めて気付いた。
やはり、これは史実でもあるので、wikiのシャロン・テートぐらいは読んでおいた方が良いかもしれない。
多分、これ知ってると、拍手の度合いが2倍になると思う。
■ちょっとネタバレ
「本題とはずれた小ネタを長々と引き延ばすような演出」がない。と、書いたが、ある意味この映画は、その究極形態(アルティメットフォーム)だったのかも知れない。
エンディングの「バットマン」が、それを示唆しているように思う。
テレビシリーズのバットマンって、バットマンとロビンを捕まえた悪者が、殺すためにわざわざ手の込んだ仕掛けを作って、「さぁ、どうなる?どなる?・・・次週に続く!!」と、これでもかとばかりに視聴者をじらせる技に長けていた。
P.S.
これ観て、三池崇史の『DEAD OR ALIVE 犯罪者』を思い出した。
こちらは、何の先入観もなしに観るのがお勧めだ。
観ようと思った方、『DEAD OR ALIVE』は3作品あるので、一番最初のやつなので注意。
また、R-15指定だが、バリバリのVシネで、結構エグい表現もあるので、誰かと一緒に観るなら注意が必要。
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