睡眠薬で夢遊病?! 車運転・過食…記憶なし 米で報告
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/offbeat/m20070317007.html
FDAによると、異常行動は、睡眠時遊行症(夢遊病)の一種とみられ、非常にまれだが、睡眠中に起きあがって車を運転する▽夜中に過食する▽電話をかける▽インターネットで買い物する-などの内容の報告があった。いずれも本人には全く記憶がなかった。
夢遊病。
映画やテレビドラマで、夢遊病患者を演出する場合に、いつも決まった一つのパターンがある。目を閉じて、両手を前に上げて、ゆっくりと歩く。と言うものだ。
それは多分、実際に夢遊病の患者を見たことがない演出家が「寝ているから、目は閉じているんだよな。」「ちょと、目を閉じて、歩いてみてくれる?」「そうそう、そんな感じで...」
大抵の人は、目を閉じて歩けば、手を前に出して探りながら歩く。
夢遊病患者の動作と、目の見えない状態の人の動作を混同しているようだ。
だが、このケースの場合、車を運転したりネットで買い物したりなど、目ははっきりと見えているし、パスワードもちゃんと覚えている。
実際のその動作は「寝ぼけて」いたり「目を閉じて」いたりする時のそれとは、明らかに異なっているようである。
夢遊病状態の自分には、ものを食べたり、車で出かけたりなど、はっきりとした目的意識があり、それに必要な動作を的確に遂行することが可能なようだ。
起きている時の自分からは、それが一切思い出せないだけであって、寝ている間の自分には、また異なった人格があるのかもしれない。
夢遊病と言うよりは、二重人格に近い症例なのかもしれない。
恐らく、睡眠中の人格が何かしてる姿を何も知らない第三者が見ても、寝ているなどとは夢にも思わないのではないだろうか。
「どうされました?」
「睡眠薬を飲み始めてから、どうも調子が悪くて。。。」
「夜、良く眠れないのですか?」
「私は夜勤なもので、日中はどうしても、良く眠れないことが多いんです。」
「起きている間にボーっとするとか?」
「いえ、状況はもっと深刻です。」
「お話し頂けますか?」
「はい。始めは、冷蔵庫の中の食料品が、知らない間に無くなっていることが何度かあったんです。」
「食料品ですか?」
「ええ。最初は気のせいだと思っていたのですが、ある日、私が寝ている間に、大量の食料品が消えていたことがあり、思い切って警察に相談してみたんです。」
「盗まれたと思われたのですね?」
「調べに来たお巡りさんから、容器や包装紙はゴミ箱に捨てられており、盗んだのではなく、家の中で誰かが食べたのがハッキリとしていること。玄関や窓などから、侵入した形跡が全くないこと。また最近、似たような報告が数件あること。から、自分がやってる可能性が高いので、もうしばらく様子を見るようにと薦められたんです。」
「心当たりは、あったんですか?」
「いえ、直ぐには信じられませんでした。ですが不思議なことに、誰かが侵入しているという感じも、全くしなかったのです。」
「それで?どうなさいました?」
「手始めに、冷蔵庫に鍵を取りつけました。」
「それは、ご自分で取りつけたのですか?」
「いえ、鍵屋さんに来てもらって、ダイヤル式の錠を取りつけてもらったんですが、すぐに開けられてしまいました。どうやら、暗証番号などの記憶は、引き継がれるようです。」
「まぁ、自分が犯人であれば、当然かもしれませんね。」
「次の手として、家に食料品を一切置かないようにしてみたんですが、目覚めてみると、コンビニで買って来た食料品が食べ散らかしてありました。」
「自分が寝ている間に、もう一つの人格が、買い物に行ったわけですね。」
「はい。仕方がないので、現金をおかず、クレジットカード類も全て解約してみたのですが、今度は24時間営業の消費者ローンから、勝手に3万円ほど契約して来たようです。
このままでは、何をするか解りません。流石に心配になって、思い切ってこちらをお訪ねしてみたんです。」
「何もそこまでなさらなくとも、食料品程度であれば、余り気にされずに食べさせればよろしいのではないでしょうか?」
「実は私はダイエットしておりまして、痩せるために食べたいのを我慢しているんです。それなのに寝ている間に別の人格が好きなように食べているので、太る一方なんですよ。」
「それは、さぞ腹立たしいことでしょうね。」
「やはり、起きている間に食べたいのを我慢しているために、その抑圧された願望が、もう一人の私を生み出した。ということなのでしょうか?」
「あなたの場合、状況はもう少し複雑なようですね。」
「と、おっしゃいますと?」
「体重が増えていることを気にしているものの、なかなかダイエットに踏み切れない表の人格の漠然とした不安が、睡眠中の別の人格を生み出し、食べることを邪魔しようとしているようですね。」
「・・・良く解りませんが。」
「つまり、日中のあなたの方が本来の人格で、今ここにいる夜間のあなたの人格の方が、作られた第2の人格だと思われます。」
「つまり先生は、本当の私は今は寝ていて、ここでこうして話している私は、単なる夢遊病が生み出した別の人格だと言うのですか?」
「ええ。」
「そんなはず、ないじゃないですか。」
「では、どうして、パジャマを着ているんですか?」
「パジャマ?パジャマですって?だって、夜は誰でもパジャマを着るでしょう?」
「ええ。ですが大抵の人は、夜でも、外出する時や人に会う時には、他の服に着替えるものでしょう。」
「でも、先生だって、パジャマ姿じゃありませんか?」
「えっ?・・・。ほんとうですね。。。」
「それに、お巡りさんだって鍵屋さんだって、夜には皆、パジャマ姿で仕事しているのをご存知ないんですか?」
「それは、知りませんでした。。。いや、ひょっとすると、そうなのかも知れませんね。」
「『そう』って?」
「いや、でしたら、皆さんに、これを渡して頂けますか?」
「何ですか、これ?」
「このクリニックのパンフレットです。皆さんに、一度、相談に来るように薦めて下さい。」
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