電力需要抑制、総量規制が有効=サマータイム、効果は限定的―野村総研(時事通信) - goo ニュース
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野村総合研究所は30日、今年夏の電力需給対策として、最大使用電力に上限を課す総量規制などが有効だとする提言を発表した。サマータイム(夏時間)の導入に関しては、電力需要の抑制効果は限定的とみている。
夏の電力消費量を抑えるための一つの方策として、サマータイム制の導入が検討されている。
だが、果たしてそれは、本当に有効な手段なのであろうか。
サマータイム
本来の目的は、冬の日照時間が短い地域で、「せめて夏の間だけでも太陽を浴びる時間を増やしたい。」との要望を解決するための手段として発足した制度であろう。
決して、エネルギー消費量を減らそうとして始まった制度ではない。
省エネのため。と謳ってサマータイムを導入した地域もあるようだが、それは飽くまでも後付けの理由だ。
「もっと太陽を浴びたい!」
「時間をずらして早くから仕事すれば、仕事の後でも日光浴が出来るんじゃね?」
「仕事終わった!さぁ、日光浴しよう!」
「太陽がいっぱいだ。サマータイム最高ー!」
てな感じだ。
夏に長いバカンスを取って、ビーチで日光浴をする。というのと、同じ欲求の現れであろう。
「省エネがしたい!」
「時間をずらして早くから仕事しれば、家帰ってからも、電気点けなくていんじゃね?」
「仕事終わった!さぁ、省エネしよう!」
「まだ、明るいぞ!電気点けなくいい!サマータイム最高!」
とは、絶対にならない。
前者のように、自分が直接喜びを感じられることであれば、人は進んで実行するであろうが、「省エネをした方が良い。」という、倫理観に訴えるような理由からは、なかなか実行できるものではない。
それにだ。
現在の日本のオフィスでは、朝来てから夜帰るまで、同じ照明のまま。という所が大半だと思う。
「そろそろ暗くなって来たから、電気点けようか?」な、オフィスなど、まず、ない。
「そろそろ暗くなって来たから、仕事やめて帰ろうか?」とか、「まだ明るいから、屋外で有意義に過ごそう。」などもあり得ないであろう。
都市部では、特にオフィスワークをする者は、一年中、外の明るさなど何も考慮せずに過ごしている。
ただ、時計が告げる時刻に従って生活しているに過ぎない。
『サマータイム』制を導入しても、ほとんど何の効果も得られない。
では、なぜ、震災前から既に、サマータイム制の導入が検討されて来たのか。
それは、地球温暖化という大きな問題に対処するために、「国政として、何か省エネルギーに繋がるようなことをしなければならないのではないか?」と、考える者がいて、実際にそれを検討する部署が出来、人員が付き、会議が行われる。
なんらかの予算が使われているので、結果を出さなければならない。
サマータイム制は、省エネとしての効果も理屈付けられそうだし、それに民間では実行できないので、国政としてやるには、適当ではないのか?
そんな感じで推進される、あまり効果のない制度の、いかに多いことか。
時間を1・2時間ずらした所で、省エネには何も貢献しない。
では、思い切って、12時間のシフトを行い、昼と夜とを逆転させたらどうか?
勤務時間中のオフィスでの冷房に必要な電力は減るであろうが、家庭で就寝中の冷房に必要な電力は増す。
基本的には、一日に消費される電力の総量は、ほとんど変わらないと思われる。
計画停電が必要無くなるとされる5・6月と、未曾有の電力不足が予測されている夏場との間で、電力消費量に大きな差をもたらしている要因は、単純に外気温の暑さの違いのみである。
そもそも省エネとは、無駄に使われているエネルギーの消費を抑えよう。という発想だ。
今年の夏、我々が直面しなければならないのは、そんなささやかな試練ではない。
必要な電力でも、バンバンと切り捨てて行かなければ、到底克服できない。
日本でも数年前より、クールビズが浸透しており、オフィスでの冷房の設定温度の目標値などが定められている。以前に比べれば、実行率が高まっているが、まだまだ「省エネ」の域を出ていない。
オフィスでの冷房の強さを決めるている基準は、温度計の数値ではない。
ずばり、「そこで一番暑がりな者でも、一滴も汗をかかない温度。」であろう。
この夏を乗り切るには、「夏場に汗をかかない生活。」を捨て去る覚悟が必要だ。
災害ともなれば、実務に関係なくとも、官僚が作業着を着るお国柄だ。
それは、被災地では、スーツなど着て仕事は出来ない。災害時には、災害に対処し易い格好で任務に付かなければならない。との、発想であるはずだ。
関東圏での電力不足は、もはや災害である。
では、この災害に対処するべき格好とは、何であろうか?
「Tシャツ」や「アロハシャツ」など、夏場の屋外で生活するために発達して来た服装でOKであろう。
いや、むしろこの緊急時に「クールビズ」などと、お目出度いことを言っている場合ではないのは、明らかだ。
この夏は日本全国のオフィスで、カジュアルな格好で、熱中症にならない程度の室温で、文字通り、「汗をかいて」復興に向けて頑張って欲しい。
もう一つ、国が主導を握って実施できる政策がある。
「昼の電気料金を2倍にし、夜の電気料金を無料にする。」
このぐらいのインパクトがあれば、企業も個人も、様々なアイデアに、真剣に取り組めるであろう。
そしてそのアイデアを実現に移すのに必要な時間を確保するために、明日にでも早急な意思決定と「国民が一丸となってこの災害に取り組んで行くんだ。」との意気込みが感じられる政府発表が必要だ。
そして、発電設備の増築を行うことなく、この夏を乗り切ることが出来れば、その時始めて、我々は、原発不要の社会を目指して、自信を持って踏み出して行くことが出来るのだ。
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