未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




「視聴1億回:YouTube「衝撃歌手デビュー」動画の売上げは?
http://wiredvision.jp/news/200904/2009042121.html

英国の公開オーディション番組『Britain's Got Talent』にSusan Boyleさんが出演したビデオ(日本語版記事)は、視聴回数が最初の9日間で1億回近くに達し、『YouTube』史上で最も人気の高い映像になろうとしている。

最初にこのビデオを見た時には感動したが、今日改めて字幕つきバージョンを見て、激しく感動した。

何度見ても感動がやまない。

昔から良くあるタイプの「スター誕生物語」を地で行っていると言えばそれまでだが、一つのビデオとして見た場合、その完成度が異様に高い。

一から計画して作ったのでは、絶対に到達できない域に達している。

彼女の歌声の素晴らしさは絶対不可欠の要素であるが、正直に言って、あまりパッとしない風貌と服装、47歳という年齢、最初のトークで見せるちょっとおどけた感じの受け答え。 その全てから一転しての素晴らしい歌声。

このギャップの大きさが見る者に感動を与える。

そして、審査員が皆素晴らしい。中央の女の子はもの凄い美人のくせに、もの凄い良い性格を感じさせるという稀有な存在であり、彼女の感動は見る者の感動をさらに煽る。

そして、オーディエンスがまた、皆素晴らしい。

一体、何台のカメラで撮影しているのか、どれだけの人気番組なのか。それともビデオを構成する秀逸な一コマ一コマは、全くの偶然の産物なのか。


「お名前は?ダーリン?」
「アライグマ・シヨウです。」
「OK、シヨウ。どちらから?」
「ニホンのサイタマケンから来ました。」
「大きな町ですか?」
「トウキョウの隣のシティです。」
「おいくつですか?」
「47歳です。」
「・・あぁ、『わたしのほんの一面』は結構です。あなたの夢は?」
「プロの歌手になることです。」
「まだ実現していないのはなぜかな?」
「機会が与えられなかったのです。でもここで変わるかも。」
「目標の歌手は?」
「『スーザン・ボイル』です。」
 ・・・
「あー、ダメだね。もう、帰っていーよ。」
「なぜです?」
「まず、そのワンピースだ。失礼だが、性同一性障害なのかね?」
「いいえ。私は彼女に憧憬しておりまして、動画を参考にして買い求めました。」
「なぜ今まで、機会が与えられなかったと思う?」
「私が男性だからでしょう?」
「そう。はっきりと『オッサン』と言って良い風貌で、今までのオーディションの経歴が、『モー娘。』『MAX』『AKB48』『女子十二楽坊』・・・書類審査段階で撥ねられるのは、当然だとは思わないのかね。」
「夢はあきらめなければ、いつかは叶う。現にこうして、『PCD』の新規メンバーのオーディションで、見事に書類選考を通過したではありませんか。実の所、こっちの方が驚いているんですよ。なぜです?」
「私にとっても、あのビデオはバイブルなんだよ。いつかアレを超えるものを撮って、視聴10億回を達成するのが夢なんだが、『スーザン・ボイルです。』とか言われたら、ぶち壊しじゃないか。」

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「物理法則を自力で発見」した人工知能
http://wiredvision.jp/news/200904/2009041523.html

物理学者が何百年もかけて出した答えに、コンピューター・プログラムがたった1日でたどり着いた。揺れる振り子の動きから、運動の法則を導き出したのだ。
生データから規則性を見出すことは、長年、機械の知能ではなく人間の直感がつかさどる領域と考えられてきた。しかし今後は、人間の頭脳では分析しきれない複雑なデータセットの解読に、人間の科学者とコンピューター・プログラムが肩を並べて取り組む時代がやってくるかもしれない。

1957年に開発されたパーセプトロンは、シンプルなネットワークが学習能力を持つことを証明して見せ、直ぐにでも人間を超える人工知能が登場するのではないかと、人々を驚かせた。

だが当時のハードウェアの限界から、オモチャ以上の効果を発揮することは出来ず、世間一般の興味は失われて行った。

だが、ハードウェアの進歩を待つ間に、ソフトウェアエンジニア達もまた、その理論に磨きを掛けて来た。

そして今日、圧倒的なハードウェアの進歩により、コンピュータによる演繹にて、人間の知能をシミュレートすることが現実的になってきた。

その一方で、その能力には、おのずと限界も予測される。

今のところ彼らには、与えられたデータ列という現実の中に埋没している「法則性」を見つけ出す。という限られた働きしかできない。

だが、それはそれで重要であり、今のコンピュータが人間の能力の一部を大きく肩代わりしているように、今はまだ不向きとされている、パターン認識のような領域で、人間の能力を凌駕する日がくるのも、そう遠くないのかもしれない。

自分で科学知識を発見するロボ「Adam」(英)
http://www.gizmodo.jp/2009/04/adam.html

その名は「アダム(Adam)」。
人の手を借りず自力で研究をこなし、科学的な新知識を発見する史上初のロボットです。
アダム君は自分の人工知能(AI)でイースト菌のゲノミクスに関する仮説を立て、それを裏付ける実証テストを考案、ラボのロボたちを使って実験を行い、結果を分析し、それを反復したそうですよ。

その一方で、多くの科学者は、人間の全ての思考能力を超えるコンピュータを作成することは不可能であろう。という確信を持っている。だが、その根拠を明白に説明できる者は少ない。

また一方で、いわゆる人間の『魂』の存在を信じている科学者も少ない。人間の思考は、数億年をかけて発達してきた『脳』という機械の物理化学的な動きによって生じる、なんらかのソフトウェア的な副産物に過ぎないと。

そうであれば、シナプスがシリコン素子に置き換わっただけで、いずれは人間の脳と同じような働きをする機械が開発され、いつかは人間を越えてしまうことになるのではないか?

全く新しい発見を行った人が「発見の機会は、全くの偶然だった。」と語るのを良く聞く。最近では、緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見した下村博士の例が記憶に新しい。

今のコンピュータには、同じことをやらせれば、全く同じ結果が返ることが期待されている。そこには、偶然の失敗から、新たな発見をするという可能性が入り込む余地は、全く無い。

機械に新たな発見を行わせるためには、「アダム」のように、彼らの管理外の世界に潜む、未知のファクターと接触し、それを観察する能力を与えることが、必要不可欠なのではないだろうか。


「まず、プロジェクトの概要から説明してもらおうか?」
「はい。『セレンディピティ・プロジェクト』では、一般の人から『研究サポーター』を募集し、週に一通ずつ、コンピュータが計画した指令書をメールで送ります。それに従って実験を行い、その結果を報告して頂きます。」
「実験?ちゃんとした科学実験のようなものか?」
「ええ。」
「普通の人は、試験管程度の実験器具すら、持っていないだろう?」
「適当でいいんです。指定された試料がなければ、似たような別の材料を使って頂いて結構ですし、手順や時間・温度など、全てにおいて、厳格に行う必要はありません。」
「それで、科学的な実験になるのかね?子供向けのSFにあるように、家にある薬や調味料をデタラメに混ぜて飲んだら、透明人間になった。とか言うのと同じような発想ではないのかね?」
「あぁ、ありましたね。そーゆーのって、何故か決まって透明人間になるんですよね。することは、基本的には同じです。実は科学的な大発見には、偶然的な要因によるものが、非常に多いのです。緑色蛍光タンパク質を発見した下村博士の場合は、実験後の溶液を捨てたところ、偶然そこに付着していた海水に含まれるカリウムと溶液が反応して青く輝いたことから、ブレークスルーが生まれています。このような幸運を勝ち取るためには、実験に不確定要素が入り込む余地を残しておかなければならないのです。」
「だがそれは、常に研究のことを考えながら日常生活を送っている科学者の直感的な働きに負う所が大きいだろう?今の例であっても、青く輝く溶液を見ても、普通の人であれば『あぁ、なんか、きれい。』で終わってしまうのではないかね?もっと微妙な現象であれば、未知の事象が発生しているこに、気づきさえしないだろう?」
「ええ。ですから、実験の様子は複数のカメラで撮影し、結果については、生成物などを含めて、プロの科学者が厳格な調査を行います。サポーターについては、ワークシェアで持て余した時間でアルバイト感覚で出来るので、低賃金でいくらでも集まりますよ。試してみる価値は、あると思います。」
「いいだろう。試験的に6ヵ月の予定で実施してみたまえ。」
「ありがとうございます。」

 ・・・

「その後、進んでいるかね?」
「ええ。実は先週、早速第一例の成果が上がったばかりです。」
「それは凄いじゃないか。機械が人間の能力を超える日が来るのも、そう、遠くはないようだね。」
「得られた結果には私も驚きましたが、残念ながら、こんな調子では機械が人間の持つ『直感』とか『洞察力』などの能力の片鱗ですら持つ日が来るのは、まだまだ、到底先に思われて来ました。」
「いったい、どんな結果だったのかね?」
「今回の結果を出したサポーターは最もズボラな奴で、指定した薬品を一切使わずに、全て家庭にあるもので代用したようです。しかも規定に反して、出来上がった薬品を一口飲んでしまったんですよ。」
「なんとなく、予想が付くんだが、いったいどうなったんだね。」
「昔からの洞察力の高い人々が未知なる直観力で指摘して来た通り、『透明人間』になったんですよ。」


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仮面の裏側が見える人・見えない人:「ホロウマスク錯視」研究
http://wiredvision.jp/news/200904/2009040923.html

お面の裏側に存在する凹んだ顔を、普通の凸面の顔として知覚する、「ホロウマスク錯視」と呼ばれる錯視がある[Hollow face錯視、凹面顔錯視とも呼ばれる]。
下の動画でこの錯視を経験することができるが、それが目の錯覚だと分かっていても、凹面の顔を凹面と見ることができず、脳が凹面を凸面ととらえてしまう。

人には現実にはあり得ない物を見ると、それを自分の知っているものに無意識のうちに変換して知覚してしまうという機能(?)があるらしい。

その一方で、お札など普段見慣れているものについては、厚みやインクの色がほんの僅かに異なっているだけで、「あれ?何かおかしい。」と気付くという能力も持っている。

一見、正反対の能力に思える。どんな時に見慣れたものに置き換え、どんな時に微妙な差を感知するのか?

恐らくは、その差が微妙な(だが、それほどあり得ないという程のものではない)時には、「!」と警告を感じるが、現実を正しく認識している。

その反面、現実には(少なくとも自分の常識の範囲では)あり得ないものを見ると、常識の範囲に抑えようとする力が働き、その結果、現実とは異なるものを認識してしまうようである。

ひょっとすると、幽霊など、常識ではありえないものを否定してしまう人が多いのは、人智よりももっと下位レベルの、脳の認識というメカニズムに、その原因があるのかもしれない。


「幽霊の存在を証明する、科学的な根拠を発見されたそうですね?」
「ええ。『ホロウマスク錯視』という現象を御存じでしょうか?」
「お面の裏側を、普通の凸面の顔と認識してしまうという、アレですね?」
「はい。実は私は長年、コンピューター合成された画像の真贋を判定するソフトウェアの開発に携わって来ました。」
「ええ、知っています。テレビの心霊番組などでは、フォトショで加工された合成写真を、次々と看破されていましたね。」
「はい。撮影されている物体の陰や輝点の位置などから、その物体に当たっている光の方向が割り出せます。うまく合成しているようでも、それぞれの対象物の光源の方向に線を引くと、一発で合成したものが分かるんですよ。」
「結構、人間の目がごまかされやすいのに、驚かされましたよ。それがまた何で急に、心霊写真を擁護する立場に変わったのですか?」
「長年この仕事をやって来て、ある事実に気付いたんです。」
「幽霊に当たっている光の光源が、正常な部分と一致するんですか?」
「なかなか、するどいですね。」
「あなたの番組がヒットしてから、偽造する側も技術が向上しただけでしょう?」
「正確に言うと、逆なんですよ。」
「逆?」
「ええ。『本物の可能性が高い。』と言われる写真に限って、正確に180度逆の方向から光が当たっているんです。」
「そんなの、直ぐに分かるでしょう。」
「そこで、冒頭の『ホロウマスク錯視』です。実は私を含めて殆どの人は、なんとなく違和感があるものの、正常なものとして認識してしまうんですよ。」
「それもやはり、なんらかの作為的な技法の表れでしょう?」
「いえ、フィルム時代のネガが残っているものについても、自分でスキャナで取り込んで、膨大な量の写真を調査した結果なんです。間違いありません。メカニズムは未だに不明なんですが、本物の幽霊は、逆光源で写真に写るようです。」
「幽霊は、裏返しの存在だとでも?」
「どちらかというと、鏡象が現実世界を前後に反転させるように、あの世のものが3次元世界に投影されると、あたかも裏返したかのように、光源に反応するのではないかと思っています。」
「それだけでは、科学的な根拠に欠けますね。」
「では、もう一つ、あなたにも、実体験をして頂きたいと思います。」
「幽霊でも呼ぶつもりかね?」
「いえ。すぐに済みます。はっきりと効果が分かるように、電気を消しますね?」
「何も見えないじゃないか。」
「ちょっとお待ち下さい。。。はい、今です!!」

・・・・

「どうです?」
「どうって?今時こんなもの、子供でも驚かんよ。」
「まぁ、確かに、驚くまでには至らなかったと思いますが、何らかの違和感はあったはずです。一般的には、このような映像を見た場合、人は幽霊を連想するようです。」
「つまり?」
「ええ。このように懐中電灯で下から照らした場合、通常とは、光源が180度逆になるんですよ。」

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北朝鮮のミサイルは『街宣用衛星』か?-米国防総省発表-
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090401_april_fool_matome/

北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は1日、現地時間4日朝に打ち上げを予定している長距離ミサイルに関して、「北朝鮮政府は国連機関による人口衛星の打ち上げ立会と、事前のペイロード(ロケットの打ち上げ対象のこと。人口衛星または、弾道ミサルの場合には弾頭にあたる)の査察を許可する準備がある。」と発表した。

これは、31日までの日米の報道から「迎撃される危険性が具体的になってきた」ことを顧みて、「弾道ミサイルではないのか?」との西側諸国の非難を払拭することが狙いと見られ、一変して態度を柔軟化させて来た北朝鮮政府の、今後の動向に注目が集まっている。

かねてから「北朝鮮と言えども、いきなり他国に向けての弾道ミサイルの発射はあり得ない。今回のミサイル発射はロケット部分の性能テストが目的。」との観測が流れており、「それを踏まえた上で、弾道ミサイルの恐れありとして、故意にデータ取得前に迎撃して来るのではないか?」との北朝鮮側の危惧の表れであると見られている。

事前に配布された資料映像を解析した米国防総省の発表によると、「映像に映っている機器は、通常の太陽光パネルを備えた何らかの電子機器であり、これがそのまま搭載されるのであれば、核/非核に関わらず弾頭である可能性はほぼゼロである。」「ただ、構造が至って単純であり、高度な観測機器を搭載したスパイ衛星の類とも思えない。衛星下部は”あたかも地表に向けたスピーカー”のようにも見え、衛星の機能を論理的に裏付けるような結論は得られなかった。」と発表した。

しかしながら、同時に発表された衛星の呼称から、全世界を周回しながら金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記を称える内容を街宣して廻る『街宣衛星』の可能性が高いとの推測がなされている。

発表された衛星の名前は『天声一号』


これは、エイプリールフールのネタなのであろうか?

衛星軌道には大気は存在しないので、当然、そこでスピーカーを鳴らしても、地表に届くまでもなく、音が発生することすらあり得ない。

一応、衛星を打ち上げるだけの技術があるのであれば、その程度の知識がないはずがない。

記事にもあるように「ロケット部分の性能テストが目的」であれば、打ち上げる衛星は何でも良いのであろう。

だからと言って、何の働きもないものを打ち上げるぐらいであれば、いっそうのこと「金総書記の銅像」でも打ち上げた方が余程マシな気がする。

だが、ひょっとすると、我々には想像も付かないような策略が、その衛星には張り巡らされているのかもしれない。

もしかすると「誰もいない森の中で木が倒れたら音はするのだろうか?」という古くからの命題に、答えが得られる日が近いのかもしれない。


「聞きました?」
「何をだね?」
「テポドン2号に搭載する人工衛星コンテストの優勝作品が決定したそうですよ。」
「搭載可能重量に収まるんだろうな?」
「ええ。それは予め、書類選考段階で落としてあります。」
「そうか。無茶なスペックを押し付けられて、失敗の責任を取らさせるのは御免だからな。で、どんなヤツなんだ?打ち上げまでに、開発可能なものなんだろうな。」
「ええ。幸い一週間もあれば、完璧なものが作れます。」
「一週間?一体なんなんだ?」
「『街宣衛星』です。衛星下部にラウドネス・スピーカーを取り付けて、高空から総書記を称える言葉を全世界に向けて流すそうです。」
「それは、無理だろう。衛星軌道から地上に届くまでの音量を出すには、一体どれだけの出力が必要なんだ?そんなもの、重くて打ち上げられないだろう?」
「いえ、そんなに大きなものは必要ありません。」
「それでは、聞こえないだろう。」
「どのみち、衛星軌道に大気はありませんので、たとえサッカー場ほどの大きさのスピーカーを取り付けたとしても、すぐ前に居ても何も聞こえません。」
「では、街宣活動にはならないだろう。」
「ちょっと考えてみて下さい。自国領土の上空を通過している衛星が、何らかのメッセージを発信してるのを知ったら、『いったい何を言っているのか?』を知りたくなるのが、人情ではありませんか?」
「そうだな。米国の連中なら、威信をかけて、血眼になってやりそうだな。」
「ええ。実際に音が地表に届く必要はありません。DARPAあたりが極秘に開発している超精密レーザー測距計のようなものを使用すれば、1週間もあれば解読可能と思われます。」
「だが流石に、素人が解読できるレベルではないだろう?解読できたとしても、政府がそれを発表しなければ、何もなかったのと同じになってしまうだろう。」
「そこですよ。音源には、判読した場合に『思わず誰かに言ってしまいたくなる』ようなものを入れておく必要があります。」
「なるほどな。さすがだな。で、具体的にはどんなものを入れるのかね?」
「そこです。実は、行き詰っています。」
「いくつか案はあるのかね?」
「ええ。総書記を称える歌のラップバージョンとか。」
「ラップ??そんな民衆レベルの音楽で、総書記を称えることは出来んよ。」
「ですが、そのギャップが話題を呼ぶ。そのぐらいのことをしないと効果が出ないと言うことです。」
「せめて米国の人気アーティストに、極秘の書き下ろしの新曲とかを依頼したどうだ?」
「それでは、余りにも商業的にストレート過ぎますよ。それに、そんな大物に、総書記を称える曲を作る程の度量があるとは思えません。」
「YouTubeとかにバイグラCMを流して、『続きは「天声一号」で!』とかやれば、皆が聞きたがるだろう?」
「その発想は、余りにも資本主義的過ぎるとは思いませんか?」
「では、どうしたら良いのかね?何か案でもあるのか?」
「実は一つ、自分でかなり気に入っているものがあるんですが。」
「ほう?どんな案かね?」
「ここに音源があります。お聞きになりますか?」
「あぁ、聞かせてくれ。」
「では、これです。」

 ・・・

「。。。こ、これは一体なんだね?」

「『深い森の中で木が倒れる音』です。」


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