アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

カエデたち - 高山陣屋にて

2020-11-03 17:07:39 | みんなの花図鑑

よく「カエデとモミジのちがいは?」って話をしますが、植木屋さんや盆栽の世界での区別で、植物分類上ではカエデとモミジは区別はしません。モミジ科とか モミジ属という分類はないのです。




ただ、園芸の世界では イロハモミジ、ヤマモミジ、オオモミジなど葉が5つ以上に切れ込んで掌状のものをモミジと呼び、それ以外のトウカエデ(切れ込みが3つのもの)などをカエデと呼んでいるようです。




江戸時代前期の飛騨国は、金森氏を藩主とする高山藩の統治下にありました。(高山陣屋公式サイトより)



江戸幕府は 金森氏が6代に渡り支配してきた飛騨の国に着目し、元禄5年[1692]に直轄領としました。
飛騨の地が直轄領になった理由は現在明らかではありませんが、
飛騨国の豊富な山林資源が背景にあったと言われています。(同上)



少し疲れたら 中庭の見える場所に座ってみてください。
当時の役人たちも眺めたであろう景色や音を楽しみつつ・・・
いにしえの時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか (同上)




これは 中庭でなく外庭?にあったカエデです。
植木屋さん風に「カエデか? モミジか?」といえば、切れ込みが浅く やや大きめの掌状葉なので ハウチワカエデ でしょうか?



ハウチワカエデだとすれば Acer japonicum カエデ科カエデ属ということになります。





これは 古い町並みの下三之町で撮ったモミジです。
イロハモミジだとしても 分類は Acer palmatum カエデ科カエデ属ということになります。




イチイ - 新穂高にて

2020-11-03 09:45:45 | みんなの花図鑑

もひとつ 第2ロープウェイ乗り場前の木を。
いろいろ木が写っていますが、今回取り上げるのはこの一番手前の常緑樹です。



でもその前に、せっかくなので、背後にある雪の山について・・・

この画像は ロープウェイで 西穂高口駅まで上がって標高2,156mの展望台から 同じ方角を撮ったものです。
左手の山が 笠ヶ岳 標高2,898m、 右端の山が 抜戸岳(ぬけどだけ)標高 2,813m になります。
一枚目の写真の山は この2つの山の中間部分になります。
一枚目の写真を撮った標高は 1,308mですから、同じ山並みでも 800m 以上ちがうと 景観はずいぶん変わるものですね




さて目的の木にもう少し近づいてみます。目的の木はこの針葉樹です。よく見ると所々に 赤い小さな実が付いています。
この木は何でしょう?



そう、イチイの木です。

イチイは学名 Taxus cuspidata イチイ科イチイ属。
旧みんなの花図鑑では イチイをタイトルに選ぶと 「イチイ(オンコ)」と別名付きで表記されました。
特に北海道などでは イチイは「オンコ」と呼ばれているようです。

旧みんなの花図鑑のイチイの項(部分)▼

北海道の ミツ太郎さんのお写真が筆頭にありました。イチイには雪が似合います (^_-)-☆




ところで、赤く可愛いこのイチイの実、なんと食べられるそうです。
私はまだ食したことありませんが、北海道出身のさるお方のblogによると「私は登下校の最中などに、よそのお家の生け垣に植えられていた「オンコの実」をつまんで食べていました。」
北海道や東北では「オンコ」はよく生垣に植えられるそうです。愛知県の生垣ではイチイはあまり見かけません。代わって イヌマキがよく使われます。そうです、生垣のマキの実は 学校帰りによく食べました \(^o^)/
でも 重要なのは 先ほどのつづきです↓
「しかし、この「イチイ(オンコ)」は熟した果実以外の部分は全て有毒で、特に果実の中央にある種は、誤って食べてしまって死亡した例もあるほど毒性が強いのです。」




この日は快晴で 西穂高口では ドローンを飛ばしてる方が見えました。