アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ラクウショウとメタセコイア - 似たもの同士2

2020-11-19 17:58:56 | みんなの花図鑑
「似たもの同士」シリーズ第2回は、ラクウショウとメタセコイアです。


両者の一番簡単な区別法は 葉を見ることです。
上に 両方を比較する画像を載っけています。
こうして比べてみると 一目瞭然。の葉は枝の同じところから 左右に葉が出ています。こういうのを対生といいます。
それに対して 左の画像は? (枝先は下になります)何となく雑然としていますが、対生に対して互生といいます。
この互生なのが ラクウショウ()です。 の対生が メタセコイア です。
(ただ、ほんとのことをいうと、どちらも一枚一枚が小さい葉がたくさん複葉のように並んでいるだけで、ほんとの複葉ではないのですけれど、複葉の集団としてみても集団の葉の並びかたが 個々の葉の対生、互生を踏襲しているんです。)
参考のために、もっと近づいてみた比較図を示します。

(左)互生のラクウショウ (右)対生のメタセコイア
(画像はクリックで拡大します)




ラクウショウ

ラクウショウ(落羽松)の別名は 「ヌマスギ」です。沼の縁によく植わっています。この画像は 於大公園(東浦町)のヌマスギです。
以前はスギ科に分類されていましたが、最近では ヒノキ科に分類されるようになりました。




樹形は メタセコイアよりも丸みを帯びます。 両方とも とても背が高くなります。



果実が生っています。球果はとても面白い肌模様をしています。



球果です。



来年の雄花が早くも蕾を付けています。



別のところで 少し前に撮った球果です。(11月4日、柳川瀬公園(豊田市)にて)



同上






メタセコイア

こちらは 於大公園(東浦町)の メタセコイア です。樹形は ラクウショウより鋭角で、そそり立つ感じです。




でも遠くから見ているだけでは ラクウショウと区別できません。落羽松の別名は ヌマスギ でしたが、メタセコイアの別名は 「ヌマスギモドキ」といいます。



葉の長さも ラクウショウより幾分長いようです。
ラクウショウ同様、かつては スギ科でしたが、いまは ヒノキ科に分類されているようです。



黄金アケボノスギ

ここからは デンパーク(安城市)のメタセコイアです。
メタセコイアの もう一つの別名が「アケボノスギ」。



「黄金メタセコイア」を検索すると以下のような記事がありました。
「紅葉期のメタセコイアは一時的に黄金色になるものだが、その発色が特に強い個体や、夏でも葉が黄緑色にとどまる個体を特に「黄金メタセコイア」あるいは「ゴールドラッシュ」などと呼ぶ場合がある。」(庭木図鑑 植木ペディア > メタセコイア)




これはデンパーク正門と駐車場の間の メタセコイアです。


ノコンギクとヨメナ?‐ 似たもの同士1

2020-11-19 10:46:26 | みんなの花図鑑
第1回似たもの同士は、野菊の仲間のノコンギクとヨメナ。
この2つはどこが違うのでしょう?
それぞれ個体差が大きいので、色や形・大きさはあてになりません。



(左)ノコンギク (右)ヨメナ?

判別のポイントは、冠毛の長さにあるようです。
ノコンギクは管状花・舌状花どちらにもふさふさの毛がついているのに対し、ヨメナのほうは冠毛が短くほとんど毛が無いように見えます。

ノコンギク

ノコンギクは 山ぎわなど乾いた土のところによく生えています。



ノコンギクの葉はざらざらしています。














ヨメナ

ヨメナを漢字で書くと「嫁菜」です。


ヨメナ(嫁菜)の名前は、春の若菜の中ではおいしくて、花も美しいので嫁になったという説があるそうです。
ノコンギクはよく似ているけれど、食べられたものじゃないんだそうです。
ヨメナの葉は ノコンギクのように毛がありません、つるつるしています。



ヨメナは、田んぼや畑や道ばたなどのやや湿ったところに生えています。





ノコンギク・ヨメナ 共通

ここからは ヨメナ、ノコンギクを問わず、キク科の花の特徴を観察します。野菊(キク亜科)の筒状花たちは 雄しべの葯の部分が癒着して筒になっていて、筒の内側に排出された花粉は めしべが押し上げて筒の外に出します。
花粉を押し上げているときは めしべはめしべとして成熟していないので 自家受粉の心配はありません。



花粉を押し上げた未成熟雌しべは 時期が来ると成熟し 柱頭を展開します。これが画像のように 電車のパンダグラフのような(あるいは マフラーを編むときの糸通し(スレダー)のような)形をしているのです。



たぶんですが、輪っかの内側が受粉する柱頭部分なので、輪っかになっている状態は受粉不可ということかな??



舌状花の雌しべは 筒状花のような おしべの筒がありませんので、素直に めしべを伸ばして Yの字に柱頭を展開するだけのようです。